ライ角がウッドやアイアンなどのゴルフクラブに大きく関係しているのは皆さんご存知かもしれません。
しかし実はパターにもライ角は関係してきます。
そんなパターのライ角の理想は90度と言われているのですが、ゴルフルール規則ではクラブのライ角は80度までと決められています。
ですから理想ではあるのですが、90度にライ角調整してしまうとルール違反になってしまうのです。
そこでパターのライ角について詳しく学んでいきましょう。
ゴルフクラブのライ角について
ライ角がどう関係しているかは、ドライバーやアイアン、そしてパターも同じです。
ライ角がアップライトすぎるとボールが左に行きやすく、フラット過ぎるとボールが右に行きやすくなります。
アップライトすぎると言うのは、インパクトの際にトゥが浮きすぎている状態です。
逆にフラット過ぎるのは、インパクトの際にヒールが浮いた状態です。
構えた時とインパクトではシャフトのライ角が変わってくるので、アドレスではなくインパクトの際にどうなっているのかというのが重要になってきます。
引っ掛けが多いゴルファーでアップライトなライ角になっているのなら、少しライ角をフラットに調整してもらうと良いでしょう。
逆にプッシュアウトが多い人はライ角をアップライトにしてもらうことでボールが真っすぐ行くようになるでしょう。
中にはライ角調整できないゴルフクラブもあるので、購入時にライ角チェックをしてもらうことをオススメします。
それではこのライ角を正しく知った上で90度がなぜ理想と言われるのか考えてみましょう。
パターの理想のライ角は90度
パターの理想のライ角は90度と言われています。
ゲートボールのクラブをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。
ライ角がアップライト(90度)であればあるほど、真っすぐ引いて、真っすぐ打ち出すパターの絶対条件であるストロークがしやすくなります。
パターを吊るすように構えてストロークするには、ライ角はなるべくアップライトの方がヒールの浮きを抑えられるため打ちやすいのです。
逆に考えてみましょう。
仮にライ角が30度くらいのパターがあるとします。
5番アイアンの半分もない角度です。
そのライ角で真っすぐ打ち出すのは非常に難しそうなイメージは容易に浮かぶのではないでしょうか。
現在市販されているパターのライ角の平均は70~72度程度です。
しかし理想のライ角から約20度も違うものを市販しているのには疑問を感じますよね。
それはライ角90度のパターはゴルフルール規則により違反クラブとなってしまうからなのです。
ただ最初からルール違反ではありませんでした。
昔は普通に存在していたのです。
では何故、理想のライ角である90度は違反クラブとなってしまったのでしょうか。
ライ角が90度のパターはなぜ違反クラブになったのか
打ちやすいクラブを使えばよりゴルフが面白くなるはずなのに、なぜ理想とされているライ角90度のパターは違反クラブになったのでしょうか。
ゴルフルール規則では、ライ角は80度までと決まっています。
一説によると、1900年代初頭はライ角90度のパターはたくさん作られていました。
もちろん違反クラブでもありませんでした。
しかしライ角90度のパターでは、入りすぎてしまうためどうやら規制されたようです。
簡単になり過ぎてしまうと技術の上手い、下手の差が出ないからという理由で禁止されていると一般的には思われています。
高反発ドライバーが技術に関係なく飛距離を出すことができるので禁止されているのと同様の考え方と言って良いでしょう。
では90度は無理だったとして、規定ギリギリの80度のパターが市販されてないのはなぜなのでしょうか。
最もライ角がアップライトで75度のものを見かけたことがありますが、それでもまだ5度の余裕があります。
この理由には、ゴルファー毎のパッティングスタイルの違いがあります。
80度のライ角だと、ほとんど吊り下げて打つという構えに限定されてしまいます。
しかしウェッジとなるべく同じように構えて打ちたいゴルファーも多いのです。
するとウェッジは平均64度ですから、70度でも大きすぎると感じます。
つまり、様々なユーザーのニーズを汲み取った平均値が70度程度だというのが現実でしょう。
パターのシャフトを立ててライ角を90度に
パターの構えで多い間違いが、パターを寝かせて構えることです。
先に話したようにパターには必ずライ角がついているので、地面の上に置いてある状態だと安定していますが、ストロークが始まり地面から離れると、ヘッドは垂直方向に垂れようとします。
この垂れようとする力と、プレーヤーが支える力が均等になった時に初めて真っすぐ引けるのです。
そこでパターを必要以上に寝かせて構えてしまうと、垂直方向に垂れようとする力の方が強くなってしまい、プレーヤーが支えるためにも強い力が必要になってしまいます。
そうなるとバランスを取るのが非常に難しくなります。
ライ角90度のパターはルール違反ですが、パターを構えるときにできるだけシャフトを立てて、90度の状態を自分で作ったらストロークは安定するのです。
ライ角が70度くらいだからと敢えてシャフトを寝かせて構えてしまっては、絶対に真っすぐ引いて真っすぐ出すストロークはできません。
もちろん立てすぎも良くないのですが、練習を重ね自分にベストな形を見つけていきましょう。
パターのライ角調整に挑戦
パターのシャフトを立ててライ角を90度にするのも良いですが、思い切ってパターのライ角を調整するのも一つの手段です。
もちろん90度にすると違反クラブになってしまいますし、20度もライ角を調整するとなるとパターへの負担もかなりのものになってしまいます。
ゴルフショップやゴルフ工房へ行き、自分のパッティングスタイルに合ったライ角に調整してもらうと良いでしょう。
パターのライ角が合っていないと、芯の高さが不安定になりミート率が下がります。
その結果転がりが悪くなってしまい距離感が全く合わなくなります。
つまりライ角を自分に合わせると芯の高さが一定になり捉えやすくなるのです。
理想のライ角は90度と言われていますが、パッティングスタイルは人それぞれなので、90度どころか、よりフラットにした方が芯を捉えやすくなる場合もあります。
最近では通称カチャカチャドライバーのように調整機能が付いたパターも販売されています。
頻繁に変えるのはオススメしませんが、自分に合うライ角を自身で判断できるのであれば、調整機能が付いたパターを使ってみても良いのではないでしょうか。
メーカー独自のフィッティングシステム
大手ゴルフメーカーのミズノやピンでは独自のフィッティングシステムがあります。
そこで自身のパッティングスタイルを数値化してもらい、しっかりとフィッティングしてもらってライ角を調整するのが一番です。
もちろんライ角90度は違反にもなりますし、クラブへの負担が大きくなるので、90度にしてもらうことはできないでしょう。
そして理想と言えどもあなたに合うライ角とは限らないので、実際使ってみても絶対の手ごたえは約束できません。
それよりも自身のパッティングスタイルにしっかりと合ったグリップやロフト角、ライ角など全てをフィッティングしてもらった方が、パターの技術は何倍もレベルアップできるはずです。
ドライバーやアイアンにこだわる人はたくさんいますが、パターをフィッティングしたり、調整したりする人を多く見かけません。
しかしゴルフで一番繊細さを要求されるのはパッティングだということを今一度理解してください。
パットがスコアに直結します。
理想と現実は違うことをしっかりと理解して
「理想」と言う言葉に左右されてはいけません。
理想とはあくまでも一般的に見てと前置きがあるのです。
ゴルフはスイングだけでなく、クラブでも少しの違いが大きく変化をもたらします。
それは良い方面だけでなく、悪い方面にも変化します。
だからこそ、クラブ選び、クラブの調整は慎重に行うようにしてください。