知らなければダメ!ゴルフルール上の1ペナの注意点と数え方

最終更新日:2017/10/31

ゴルフのルールの中で、1ペナと2ペナの2つの罰があります。

スコアメイクを考えれば1つでも罰を減らすことが大切ですが、カウントを間違えるとスコア誤記になってしまいます。

そこで同じプレーの中で異なる罰を科す理由と、またどんな場面でペナルティーを受けるのか、実例をあげて紹介します。

ゴルフのルールには1ペナと2ペナがある

ゴルフではルール上の罰である1ペナを科せられると、ボールを打った回数にプラス1打を加算しなければいけません。
これは自分のミスで受ける罰ですから、ルールに則して加算することは仕方のないことです。

ただゴルフの場合には、1ペナ以外にもさらに1打多い2ペナという重い罰もあります。
まずはなぜ1ペナと2ペナがあるか、その意図を考えてみたいと思います。

ルール上の罰打は、ミスに対してだけ科せられるわけではなく、救済としても1ペナを科しています。

「二度打ち」のような単純ミスを見ると、「1打+1ペナ=2打」と数えます。
でも実際には、意図しないショットですが2回ボールを打っていますから、2打と考えても良いわけです。
ただルール上に当てはめると、スタンスをとってスイングをしたときは、ボールに当たらずに空振りしても1打と考えていることから、「1スイング=1打」なので、2打目は1ペナとして加算しているわけです。

また救済である「アンプレアブル」は、打てない場所のボールを移動して1ペナが科されても、打って出したと考えれば1打は相当の加算数となります。

一方で重大な違反として2ペナが加算されるのは、間違った場所からプレーをする「誤所からのプレー」のように、競技の継続から考えて成立しないような重大なミスに対して科せられるものです。
プレイヤーとしての知識不足が招いた結果なので、マッチプレーの場合では「そのホール負け」となる厳しいものが2ペナとなっています。

2ペナは1ペナと比べると、ルール上の1打の差以上に、ペナルティーの重さを感じなければいけないということになります。

池ポチャのゴルフルールは1ペナ以外の処理もある

では、実際にゴルフ場の中での1ペナを見ていきましょう。

プレイヤーがラウンド中に1度は受ける1ペナと言えば、「池ポチャ」ではないでしょうか。
池はルール上「ハザード」に分類されていますが、入っただけでは1ペナを科せられるわけではありません。
池の中のボールが打てるようであれば、遠慮なくハザードのエリアからノーペナで打つことができるからです。

ただし、クラブをソールすることはできませんし、テークバックで池から生えている草や枝に触れないようしなくてはいけません。
簡単にいうとバンカーの砂に触れないよう打つ、あの方法であればOKです。

もし池に入って1ペナを科してプレーをするのであれば、前に打った場所からもう1度打ち直すか、池の近くにドロップすることになります。

ここで大事なことは、ボールがどこを横切って池に入ったかです。
沈んでいるボールを見つけて、その横を基点にドロップすると誤所からのプレーになってしまいます。

通常であれば沈んでいるボールよりも、はるかに手前で池の境界を横切ったはずです。
池が赤杭であれば、横切ったところから横にドロップできますし、黄杭なら横切ったところから後方線上でドロップできます。

間違いやすいドロップ位置ですが、ルール上の誤所からのプレーは2ペナになるので注意が必要です。

ゴルフのルールを間違って1ペナを2ペナで覚えている?

ゴルフのルールを間違って覚えてしまって、間違いに気がついていない人がいるようです。

その間違いでもっとも多いのがOBを2ペナと覚えてしまった人です。

ルール上のOBは1ペナですが、カウントするときに「2打付加して打ち直す」と覚えてしまったことから、2ペナと思い込んだのではないでしょうか。

ティーグラウンドで最初の1打+1ペナの1打+打ち直しの1打=合計3打目なので、「2打付加してやり直し」は間違いありませんが、ルールとしては間違っていることになります。
ルール上で間違いやすいものとしては、他にも暫定球があります。
暫定球は、ロストボールの恐れがあるとき、OBかセーフかが分からないときに、第2球として打つものです。
そして第1球がセーフなら無罰で第2球を回収しますし、アウトなら第2球でプレーをすることになります。

この第2球は、最初の1打+ロストボールの1ペナ+2球目の1打=3打目ということになります。
ルールとしては暫定球が2ペナではありません。

カウントしやすいように覚えたペナルティーの数が、ルールとは違うことはあるものです。
ただマーカー(相手のスコアを記入する)になると、スイングに対してペナルティーを加算するようにしたほうが、スコア合わせで誤解が生じることを防ぐことができます。

ゴルフルールでは1ペナよりも加算される2ペナが厳しい!

1ペナのルールが続いていますが、2ペナでよくあるケースを紹介しておきます。

それはたまにプロゴルファーでもミスをすることがある、クラブの数14本についてです。
キャディはスタート前にクラブの本数を数えてプレイヤーに内訳を確認して、プレー終了後に再確認してサインをもらうことになっています。
プレー中のクラブの管理はキャディの責任なので、例えプレイヤーが置き忘れたとしても、弁済責任が問われることになります。

それだけにクラブの本数はしっかり確認するものですが、中にはスタート前の練習でぎりぎりまでパッティング練習をしていて、自分でパターを差し込んでティーグラウンドに向かう場合があります。

このときアイアンのメーカーと違うアプローチウェッジも一緒に差し込むと、キャディは気がつかずにスタートすることがあります。
パターまでなら14本、ウェッジを入れると15本ということはありえます。
このときの罰は2ペナですが、最初のホールで気がつかずに次のホールに行くと4ペナと増えてしまいます。
一応4打で打ち止めですが、規定数よりも多く持ち込むことは重大な違反とみなされます。

ちなみに日本のゴルフ発祥の地「六甲ゴルフ倶楽部」の規定数は10本までです。
これは、山岳コースなのでキャディの負担を減らすためのローカルルールとされています。

ゴルフルールの1ペナをしないために必要な習慣化とは?

なさそうで良くある1ペナに、マークせずにボールを拾い上げた場合があります。
もちろんグリーン上でマークをせずにボールを拾いあげることはないでしょうが、ホール間では意外に多いようです。

ゴルフでは、インプレーのボールを拾いあげるときには、いかなる場合もボールにマークをするのがルールです。
もしもマークをせずにボールを拾いあげると、1ペナが科せられてしまいます。
しかも「あら、やっちゃった……」では済まされず、一旦リプレースしなければなりません。
マークをせずに拾いあげたボールを元の位置に戻して、マーカーに確認してもらい、あらためてマークをして取上げることになります。

ハザードなどのペナルティーエリアに入ったとき、カーッときてボールを拾いあげて、ドロップしたことはありませんか?
このケースが、まさにマークをしてない拾いあげです。

ボールに触る前にはマークをすることを習慣化しておくと、これで間違いはなくなるはずです。

ゴルフルールが改正されて1ペナも変わるらしい

実は1ペナも含めてゴルフのルールが大幅に変わります。
2017年にルールの改正案が出されて、2019年から新しいルールが実施される予定になっています。

今まで1ペナとされていたバンカーの砂を触る行為や、グリーンの芝に触れる行為は無罰になります。

大改正の基本が「迅速なプレー」を主眼としているので、ドロップのときにクラブで範囲を決める「儀式」のような行為がなくなります。
そもそも池やバンカーはルール上のハザードでしたが、新しいネーミングは「ペナルティーエリア」です。
ペナルティーエリアに入れば1ペナとして加算すればよいだけなので、1ペナか2ペナかを迷う必要はありません。

時代とともに新しいスタイルを取り入れようとするゴルフ界ですが、一方でペナルティーとは違った視点で評価されるマナーやエチケットも忘れてはいけません。

審判のいないスポーツだからこそ、自分の行為に責任が持てるよう、ルールをしっかり身につけておく必要があるでしょう。

ゴルフルールは1ペナよりも先に2ペナを覚える

ゴルフルールの用語では1ペナは1罰打です。
通称「1打罰」と使うことが多いと思いますが、たぶん「1打の罰」を縮めたためにできたのではないでしょうか。

ルールで1ペナと2ペナの違いは分かりにくいですが、2ペナは「重大な違反」なので明記されています。
もしもこれから覚えるのであれば、2ペナでないものが1ペナと覚えたほうが、きっと分かりやすいはずです。