自宅でドライバーをシャフトカットして2インチ短くする方法

最終更新日:2017/10/08

世界の一流プロの中では短尺ドライバーが流行っています。

またアマチュアも短いほうが方向性は安定し、しかもミート率も上がることから、使用中のクラブをシャフトカットしている人が多いようです。

そこで今回はゴルフショップに依頼せずに自宅でシャフトを2インチ切る、簡単な作業法と注意点を紹介します。

扱いやすいドライバーにするために2インチシャフトカットしてみる

ドライバーは長いから扱いにくいと感じているゴルファーが多いと言われています。

実際に短いドライバーでボールを打つと、スイートスポットでとらえることができ、ミート率が向上するようです。

何より新しく短尺ドライバーを購入するのがベストな選択ですが、せっかく使用中のドライバーがあるのですから、シャフトカットしてオリジナルの短尺ドライバーを作ってみてはいかがでしょう。

まずはシャフトカットする前に自分のクラブの長さを確認します。
もし剥がしていなければ、シャフトのグリップ寄りに「45」インチと「D0」といった文字が印字されたラベルがついています。
この「45」が長さで、ドライバーの場合には、規則で上限は48インチ(1219.2mm)以下と定められていて、また下限は18インチ(457.2mm)以上となっています。

もしも分からなければ測るという手もありますが、「60度測定法」と「ヒールエンド法」の2種類の方法があります。
実はシャフトの長さの測り方はメーカーによって違いがあるので、自分のクラブを持ってショップで同型クラブと比べるのが確実な方法です。

ついでに、試打用クラブで短尺ドライバーを試し打ちさせてもらい、自分に合った長さを確認しておきましょう。

ここでは2インチのシャフトカットを想定して話を続けていきます。

ドライバーをグリップエンドから2インチシャフトカット

ドライバーを2インチ切るときは、グリップエンドからシャフトカットします。

シャフトカットにはヘッド側から切る場合と、グリップ側から切る場合の2通りありますが、「短くする」ことが目的の場合にはグリップ側から切ることになります。

ちなみにヘッド側から切ると、シャフトのしなりが抑えられて硬いクラブに変身します。切る長さも0.25インチ単位で、短くシャフトカットしただけで変わるため、2インチのような長さを切るのはありません。

ではグリップエンドからシャフトカットをします。
まずはグリップラバーを剥がしてシャフト本体だけにしましょう。

ここでコツを1つ、紹介します。
シャフトカットしたあとで新しいグリップラバーを挿すとき、センター(頂点)が分かるように、グリップを剥がす前にシャフトに印をつけておくことです。
すると新しくグリップ装着しても違和感なく使えるでしょう。

古いグリップは前と後ろにカッターで切り込みを入れて、端から引っ張り上げると簡単に剥がすことができます。
もしもシャフトに粘着痕があるようなら、溶剤を使って綺麗にふき取ってください。

2インチ分だけドライバーをシャフトカットする方法とは

溶剤でふき取った場合には、その溶剤を綺麗にふき取ることが重要です。
あとから新しく両面テープを貼る際、溶剤が残っていると、グリップを握ったときにグニュグニュした感触になって、再度グリップ交換することになるからです。

それではシャフトの切る長さを正確に決めましょう。

まずドライバーのシャフトエンドから2インチ計ります。
1インチは25.4ミリですから、2インチは50.8ミリと言うことになります。
ただし、メジャーやモノサシにはセンチ(ミリ)表記の反対側がインチ表記されているのがほとんどですので、「2」の数字のところでマークすればOKです。

いよいよシャフトカットしますが、ここでもコツがあります。
現在のドライバーのシャフトはカーボン繊維を編みこんだものなので、そのまま切ると乾麺を縦に鍋に投入したようにバラバラな状態になってしまいます。

そこでカットする部分に透明のテープをあらかじめ巻いてください。
特にシャフトカットしたときにヘッド側のほうは2幅くらい巻いておくと安心です。

カットはパワーカッターがあれば一発で切れますが、一般家庭にはないと思うので糸鋸などの目の細かなノコギリで切り離します。
普通のノコギリを使うと乾麺状態になり使えなくなりますので、面倒くさがらずに地道な作業でカットしましょう。

ドライバーを2インチシャフトカットする前に考えておくこと

2インチ分のシャフトカットが終わったら、切り口を滑らかにするためにサンドペーパーで擦ります。
この作業はザッとでOKですが、外側にバリが出ていないように注意してください。

次にドライバーのシャフトに両面テープを貼ります。
シャフトを寝かせて、新しいグリップの長さが分かるようにシャフトの裏表に印をつけます。
印の箇所からグリップエンドまで一気に貼り、そのまま切らずに反対側の印まで貼りつけます。
これを縦貼りと呼びますが、必ずグリップを握ったときに上下になるようにするのが基本です。
もしもグリップを太くしたい場合には、その上から繰り返し貼ると太くなりますが、太すぎるとグリップの先から裂けてきますので、初めてであれば1回から2回程度にしておきましょう。

ちなみに本来はらせん状に巻いて、さらに太くしたいときに縦に貼りますが、らせん巻きは、かぶらないように巻くのが意外に難しいので、初めてであれば簡単な縦貼りがオススメです。

それともう1つ大事なことがあります。
両面テープはグリップの長さ通りにする必要はありません。
ギリギリまで貼るとグリップが縮んではみ出てしまい、かっこ悪い仕上がりになることがあるからです。
1~2センチ余して貼るようにするのがオススメです。

シャフトカットが終わったらグリップ取付け準備

2インチシャフトカットしたドライバーにグリップを挿入します。
両面テープの粘着力が落ちないように、ドライバーは壁に立てかけておきましょう。

新しいグリップのエンドを見ると、小さな穴が開いています。
この穴はグリップを挿し込むときに、なかに溜まった空気を抜くためのものです。
最初にこの穴にウッドティーを差込み塞ぎます。

エア漏れがないように、でもあとから抜きやすいくらいの適度の長さにしておいて、グリップの中に溶剤を入れます。
グリップ交換用の溶剤はショップで販売されていますが、速乾性に近いため修正することができないので、初めての場合には灯油を溶剤に使います。

針のない注射器みたいなものがあれば便利ですが、なければ溶けない洗剤ボトルのようなものに一旦入れて、それで注入します。
ここで大事なことは外側に灯油をつけると、ゴムやウレタンが溶けてベタベタになるので注意が必要なことです。

グリップラバーに半分くらい入ったら、注入口を親指でしっかり塞ぎ、グリップを揺らして内部に満遍なくつけるようにします。
溶剤をすべて戻し、グリップエンドの穴に挿したティを抜きます。

時間を空けずにドライバーにグリップ挿入

2インチシャフトカットしたドライバーに、新しいグリップを取り付けます。

最初にシャフトに印をつけた部分を親指と人差し指で上下から押さえます。
次に内側に溶剤がついたグリップを、シャフトエンドから差し込み真っ直ぐに挿入します。
もしも途中で曲がっても気にせずに、とにかく最後までしっかり差し込むようにしてください。
灯油を溶剤にしているので、挿入後に修正が可能です。

まずシャフトにつけた印とグリップのセンターが合っているかを確かめて、もしもあっていなければ捻ってその位置を確定します。
次にグリップエンドもセンターに合わせて、最後に握る箇所のゆがみを直せば、新しいグリップの取り付けは終了です。

灯油を溶剤にした場合は、室温にもよりますが最低でも3日程度はグリップを握らないこと、そのあとで握ってグニュとするようなら、もう2日ほど置くと固まるはずです。

一応これでドライバーを2インチ分、シャフトカットする作業は完成です。
あとはバランステープ(鉛板)を貼って、ヘッドの重みを調整してください。

元のバランスに戻すには計算上2インチカットで12ポイントダウンのため、24グラムは必要です。

ドライバーを2インチシャフトカットしたあとのメンテ

2インチもシャフトカットすると、ライ角にずれが生じます。

ライ角はヘッドを地面につけたときのシャフトの角度のことで、短くなったことでグリップの位置を低くするハンドダウンにする必要があるかもしれません。