「ハニカミ王子」の名で15歳で一躍ゴルフ界の人気者になった石川遼。
老若男女、ゴルフ好きからゴルフの”ゴ”の字も知らない人まで、彼見たさにツアートーナメント会場に足を運びました。
ゴルフ界にとってはギャラリーが増えて嬉しいことでしたが、基本的なゴルフのマナーやルールを知らない人たちが多くマナー違反が多発する羽目に!
アドレス時に動く、ボールを拾うなどなど…。
ここでもう一度ゴルフのマナーやルールを一緒に確認していきましょう。
石川遼の似顔絵入りボールを拾う
その珍事件はブリジストン・オープン初日に起きました。
1オーバーで迎えたミドルの15番。
大きく右に逸れてしまった石川遼のティーショットは、ギャラリーに当たって林の中に落ちました。
と、ここまではツアーでも良く目にする光景です。
しかしその次の瞬間に、その落ちたボールに向かって猛ダッシュする女性ギャラリーがいたのです。
いきなり石川遼の似顔絵入りボールを拾うと言うあり得ないことをしました。
すぐに他のギャラリーの人たちが、「触っちゃダメ!!」と一斉に声をあげ、女性は慌ててボールを元の位置に戻しました。
もちろん周囲が騒然となった瞬間です。
その女性曰く、
「初めて遼くんを見に来たんです。記念にボールを持って帰ろうと思って」
と悪気はなかったようです。
このように第三者がボールを動かしても基本的にはペナルティーにはなりませんが、ボールを拾うのを誰も見ていなかったら、ロストボールになる可能性もあったのです。
彼女が記念品としてボールを持ち去ってしまっていたら、紛失球となり、石川遼は1罰打を科せられ、2オーバーになるところでした。
石川遼も怒ったギャラリーのマナー違反
先に話した女性ギャラリーのボールを拾うマナー違反に関しては、石川遼自身が気づかないうちに起こった珍事件でした。
もし彼女が持ち去っていたら、ロストボールになり、激怒したことでしょう。
しかし実際に、ギャラリーによる別のマナー違反で石川遼が大激怒したことがあります。それはカメラ付き携帯電話のシャッター音によるプレー妨害です。
ロングでの4打目、ピンまで約40ヤードのバンカーショットの際に、ギャラリーからカメラのシャッター音が鳴りました。
石川遼はすかさずその方向を睨むと、右手で太ももを2度叩き、怒りをあらわにしました。
そこで彼の集中力は途切れてしまい、グリーン奥に外すミスショットとなり、ツアーではかなり痛手となるダブルボギーで首位を明け渡すことになりました。
その日、一度狂ったリズムを戻すことができず、優勝を逃してしまったのです。
遼くん人気でギャラリーが増えることは、本人だけでなくゴルフ界も嬉しいことではあったでしょうが、ギャラリーのモラル低下は、ゴルフ好きの人たちの足を遠のかせてしまうし、選手達が良い成績を残せないので大きな問題でした。
石川遼へのプレー妨害からギャラリーにマナー違反への対処
感情をあまり表に出さない石川遼が怒りをあらわにし、ギャラリーに向け苦言を呈しました。
「初めてゴルフ観戦に来た方で、ルールが耳に入っていなかったならしょうがない。
でもルールを分かった上での行動だったら選手として悲しい。
マナーを守って見ているギャラリーの皆さんがかわいそうだし、僕はマナーを守ってる方にプレーを見てもらいたい。」
そんな彼の気持ちやマナー違反が増えつつある事態を受け、日本ゴルフツアー機構は対策を練りました。
・ボールを拾う行為やカメラ撮影などの問題を含めた観戦マナーのビデオをギャラリーに見てもらうこと。
・ギャラリー入り口で携帯電話の有無を尋ね、あれば改めて注意喚起すること。
しかしこれらの対策も空しく、その翌週のトーナメントでも石川遼自身がショットする際に、「カメラを止めてください」と注意する出来事がありました。
メジャー大会であるマスターズでは、カメラ・携帯だけでなく、大きなバッグの持ち込みも禁止されています。
さらに、金属探知機のゲートを通るチェックを受け、小さなバッグは警備員によって中身を調べられます。
もし上手くすり抜けて入ったとしても、見つかれば即強制退場です。
ゴルフの品格を保つために、日本でもそれくらいして良いのかもしれませんね。
ラウンド中に落ちているボールを拾うのは?
それでは、自身のラウンド中にラフや林の中にボールが落ちていたとき、それを拾うのは良いのでしょうか?
石川遼のボール泥棒珍事は、彼のファンなので記念に持って帰ろうと言う気持ちでした。しかしアマチュアゴルファー同士で記念に!なんて気持ちはもちろん生まれないですよね。
もちろん悪気があってボールを拾うことはないでしょう。
ただ落ちているボールだから拾って使おう、くらいの気持ちではないでしょうか。
もしラウンド中自分のボールを探していたとき、自分のではないボールを見つけて拾うのは、悪気があろうがなかろうが、もちろんNGです。
ひょっとしたら隣のコースから飛んできたかもしれませんし、どこかでボールを探している人のものかもしれません。
そのため自分のボール以外に触れることは絶対にしないでください。
もちろん埋まってしまっているボールが自分のボールか確認するために持ち上げるのはやむを得ないことです。
ですから、それは元の場所にきちんと戻せば問題はありません。
人の迷惑にならないようプレーするのはゴルフに限らずスポーツをする上では当然のことですよね。
池に入ったボールを拾うのはOK?
石川遼のブリヂストンオープンの18番でのウォーターショットは有名ですが、実際にアマチュアがラウンド中にするのは中々難しいです。
コース内の人工池は、水深の浅いものが多く、覗いて見るとたくさんのボールが見えて思わず手を伸ばしたくなりますよね。
そんな池に入ってしまった自分のボールや元々入っていたボールを拾うのはOKなのでしょうか?
これは、ルール上何の問題もありません。
実際に、去年の伊藤園レディースで、松森彩夏がキャディーへ投げたボールが誤って池に入った際に、キャディーが池の中に入ってボールを探したと言う珍事がありました。
もちろん、そういった行為はプロのトーナメントだったので黙認されましたが、アマチュアが池に入って探すというのは危険なのでやめましょう。
池が多いゴルフ場の場合、カートに「ボールピッカー」と言う池に入ったボールを拾う道具が準備されていることがあります。
それを使うと近くに見えるボールくらいであれば届くのでOKです。
スロープレーに繋がるほど長い時間ボール拾いするのはマナー違反ですが、自分のボールを取ったり、待ち時間を使ったりする程度なら問題ありません。
石川遼を応援しよう!
15歳の時にゴルフ界を賑わせた石川遼。
そんな彼も25歳になりました。
舞台を世界に移してがんばっていますが、不調や怪我などで思うような結果を残せていません。
事あるごとに同級生の松山英樹と比較され、少しかわいそうに思えてきます。
現在は、下部ツアーであるウェブドットコムツアーの選手たちと、来季PGAツアーの出場資格をかけて入れ替え戦でがんばっています。
先に説明したようにアメリカでは、ギャラリーへの規制が非常に厳しいので、ショットの際に写真を撮影したりボールを拾う人はいないでしょう。
ですから集中力を欠くことはないとは思いますが、下部ツアーと言えどもレベルは相当高いです。
初戦は予選を通過して3日目まで上位をキープしていたのですが、最終日に崩れ、50位タイでのフィニッシュでした。
これから更に結果を求められる正念場となります。
遠いアメリカで戦っているのですが、日本選手の代表として応援しましょう!
また日本でのツアーにも参戦する機会はあるので、マナーをしっかり守って応援しましょう!
プレー中でも観戦中でもマナーは同じ!
石川遼のプレー中に起きたマナー違反に注目してお話しましたが、他のプレーヤーの周りでもギャラリーのマナー違反は起きています。
その中でも応援している選手のライバルがミスをした時に拍手を送るといった心無いことも起きています。
人のミスを祝福するような行為は、観戦中であれ、プレー中であれ絶対にしてはならないことです。
もう一度ゴルフのマナーに関して確認するようにしましょう!