ダイナミックゴールドのs200とs300シャフト。
表面の数字だけ見ると何か違いがある様に思いますよね。
実際、ダイナミックゴールド社のカタログにも微妙ではありますが、数字の違いが出ております。
しかし、両方のシャフトを打ち比べてみてもその違いに気付くのは難しいのではないかと思う程の差となっています。
では、s200とs300についてスペック数字と実際打ってみた感触から違いを見ていきましょう。
s200とs300はシールが貼ってないと、どっちか違いが分からない
s200とs300シャフトですが、シャフトにシールが貼ってなかったら、打ってみて違いに気づく事はかなり難しいのではないでしょうか。
実際、s200とs300のシャフト重量差はわずかな物であり、一般的なゴルファーがその違いに気づく事はないと思われます。
ゴルフクラブはシャフトよりもヘッドが重く、スイングした時の遠心力でボールを飛ばす設計です。
という事は、遠心力で外側に離れていく重量感というのは感じられても、数グラムのシャフトの重量を感じ取る事は至難の業と言えます。
もちろん、それぞれのシャフトを何万回とスイングすれば手から伝わる感覚を脳が感じ取れる様になるかもしれません。
しかしこれはまさに職人の世界と言えますね。
ただ、s200とs300の違いがどれ程スコアに影響を及ぼすのかと言えば、それは気持ち的な問題だけでしょう。
メーカーもこの微量な差を設けているのには何か理由があると思うのですが、製造過程で発生する誤差の範囲的な差と見る事もできます。
s200とs300、さらには珍しいs400まであるシャフト
世界でユーザーが最も多いダイナミックゴールドシャフトですが、メーカーのシャフトスペックにはsフレックスの中でもs200とs300、さらにs400までラインナップがあります。
アイアン用のシャフトで基準となる長さは変わらないのですが、カット前重量がs200で129グラム、s300で130グラム、s400で132グラムとなっています。
それぞれのキックポイント、すなわちシャフトの調子は変わらず元調子となっていますのでしっかりとしたシャフトと言えます。
ただ、一般的にs200が定番で、たまにs300を見かける事はありますがs400はほとんど見る事はありません。
たまに中古アイアンに装着されているのを見る位です。
恐らく前のユーザーがリシャフトされたものと推測できます。
でもこのユーザーがs400シャフトに求めたスペックは何だったのでしょうね。
s200では軽すぎて吹け上がる、叩くと曲がるといった所でしょうか。
しかしs200とs400のシャフト重量差はわずか3グラムです。
シャフト特性が変わらない事を見ると、リシャフトしても問題は解決しなかったのではないかと思われます。
もちろん、シャフトも手元側ではなく先端側をカットする事により大きく特性に違いが出ますので、外側から知り得る情報だけで判断できる物ではない事を付け加えておきます。
s200とs300シャフト、振動数の違いから見る硬さについて
s200とs300シャフトの振動数の違いについて見てみましょう。
ダイナミックゴールドシリーズでs200の振動数は一番硬い物で307cpmから353cpmとなっており、s300の振動数は307cpmから352cpmとなっております。
振動数は数値が大きいほどしなり幅が狭い、すなわち硬く感じる物となります。
一般的に長い番手から短い番手にかけて振動数の数値が大きくなっていきます。
振動数はシャフトの手元側を固定して計測する為、振動数の値が大きいから硬いという単純な数値表記ではないのですが、硬さを感じる値の参考として利用できます。
メーカースペックを見るとs200とs300の振動数に違いはほぼ無い事が分かります。
バランスもd2となっており、こちらも違いはありません。
と言う事は、s200とs300の違いはシャフトに感じる硬さにおいてほとんど差がなく、その違いを感じ取る事はほぼ不可能と言えます。
ただし、これはあくまでもシャフト単体での話になる為、ヘッドの重量や仕様、またグリップの仕様によってクラブの特性が微妙に変わってくる事になります。
s200とs300を使いこなせるヘッドスピードと技術の違いについて
シャフトの硬さ(フレックス)を表すxやsですが、s200やs300のシャフトを使いこなせるヘッドスピードは40m/s以上48m/s以下と言われていますが、最低でも44~45m/sは欲しい所です。
この位のヘッドスピードがあれば、スチールシャフトの粘りを感じる事ができ、カーボンシャフトとの違いを感じる事ができるのではないでしょうか。
そしてs200やs300のシャフトの特性を感じられるスイングをするには、ダウンスイングでのタメは絶対に必要です。
ここでタメが早くほどけてしまう様なスイングだと、スチールシャフトの特性を生かす事ができません。
また飛距離もロスしますので、こういったスイングの方はカーボンシャフトの方が合っていると言えます。
s200やs300はシャフト重量もある為、手だけで振るとタメが早くほどけてしまいます。
スチールシャフトはしっかり体の大きな筋肉を使う事、そして左サイドのリードが必要です。
トップから手の力を使ってクラブを下ろしてくると、まずヘッドを遅れて下りてこさせる事ができません。
正しくタメが作れないスイングではこれらのシャフトを使いこなせない為、スイングの見直しが必要です。
こだわり派!s200よりもs300を使いたがるゴルファーについて
カタログスペック上、s200とs300の違いはほとんど無い事が分かりましたね。
しかし、s200よりもs300にこだわるゴルファーがいます。
それは安心感があると言ったら良いのでしょうか。
いつも使い慣れているシャフトスペックなので、振りやすいという気持ちの問題だと言えるのですが、そこまでこだわっても仕方ないのではと思える程、両者の違いに差はありません。
このシャフトスペックの違いでスコアが5打も10打も変わるのであれば、それはスイングやコースマネジメントの方法を疑ってみた方が良さそうです。
実際、シャフトのシールをはがしてから渡すと、その違いに気づく事は無いでしょう。
インパクトの打感や感触も差が無いほどに近い仕様となっている為、飛距離は方向性にも差は生まれません。
シャフトの仕様の違いは特にインパクトに現れますので、この部分で違いを感じられないシャフトと言うのはほぼ違いが無いと言えます。
本人の自己満足の域を出ないs200とs300の差、なのでしょう。
s200とs300はテーパー仕様だが新しいシャフトには違いがある
ダイナミックゴールド社が販売するスチールシャフトはテーパー(taper)、つまり先細りとなっています。
その多くは先端部分を硬くして中心部分を柔らかくする事によってスチールシャフトの持つ特性を出しています。
具体的にはインパクトゾーンでの粘りです。
シャフトの中心部分が柔らかい為、インパクトでボールを弾くというイメージよりも包み込むイメージが強くなります。
これはボールとフェースが接する時間の差から生まれるものです。
比較してカーボンシャフトはどちらかというと弾く様なイメージになります。
s200やs300に代表される様に、ダイナミックゴールドシャフトはテーパー仕様でステップダウン工法と呼ばれる段階的に細くなるシャフト仕様となっています。
また2017年にプロジェクトxと呼ばれるシャフトが登場しましたが、これは昔のライフルシャフトと同じで、先方向に真っ直ぐ細くなっていく仕様となっています。
これとステップダウン工法のシャフトとの違いは、よりカーボンシャフトに近い様なイメージとなる事です。
カーボンシャフトはインパクトゾーンでヘッドを加速させるイメージになるのですが、プロジェクトxもこうした仕様に近い物となっています。
s200もs300もそれぞれに違いはあまり無いが使いやすい方を選べばよい
仕様にほとんど差がないs200とs300ですが、ゴルフはメンタルのスポーツなので、使いやすい方を選べば良いと言えます。
価格も違いがなく、市販品では圧倒的にs200が多いのですが、s300が装着されている物もあるので、使ってみると良いでしょう。
ただし、ヘッドの仕様によってクラブの特性が変わる為、比較する時は同一か同じ様な仕様のヘッドが装着されたクラブを使ってください。
s200もs300もインパクト時の粘りを感じられるはずです。