近年ゴルフ人口の減少が問題になっていて、その理由の1つにパターの難しさが入っています。
そこでアメリカで試験的に「デカカップ」ルールを取り入れました。
ホールカップの大きさをなんと約38センチにしたのです。
果たしてそれは成功なのか、失敗なのか…。
ところで通常のホールカップの大きさとは一体どのくらいなのでしょうか。
また、そのサイズになった理由や意味を学んでみましょう!
ゴルフのホールカップの大きさは
パターの調子が悪い日は、ゴルフのホールカップがいつもより小さく感じてしまいます。
しかしもちろん、ホールカップの大きさはゴルフの規則で決まっているので、日によって大きさが変わることはありません。
そんな規則で決まっているホールカップの大きさは、直径108mmです。
この大きさが決まったのは、ここ最近のことではなく、なんと19世紀後半です。
スコットランド・ファイフのセントのアンドルーズにある世界最古のゴルフ場「セント・アンドリュースオールドコース」が始まりです。
初めのころは、ホールカップの大きさに決まりはなく、グリーン上に適当に穴を掘って、鉄の棒を挿し込んだだけのものでした。
ですから、大きいものもあれば、小さなものもあり、ホールカップの大きさはバラバラでした。
当時は、地面に土を盛ってその上にボールを乗せてティーショットをしていたので、次のティーショットを打つために、プレーヤーがホールの中の土をつまんで持っていくので、ホールカップは徐々に大きくなってしまっていたということです。
ではなぜホールカップの大きさはそこから直径108mmに決まったのでしょうか。
ゴルフのホールカップの大きさが直径108mmに決まった理由
ゴルフのホールカップの大きさがまだバラバラだったときに、セント・アンドリュースオールドコースのコース管理を任されていたのは、トム・モリスと言う、全英オープンで4度も優勝をした名ゴルファーでした。
彼はセント・アンドリュースオールドコースを少しずつ改造していったのですが、ホールカップの大きさはバラバラのままでした。
しかし彼はそこにずっと違和感があり、納得いかず、穴が広がらない方法を模索し続けていました。
そこで見つけ出したのが、水道工事で使う排水管を切って、ホールにはめ込むと言う方法です。
そんなホールカップの大きさが一定するというこのアイデアは周辺のコースにも広がり一般的になりました。
この彼が使った排水管がたまたま直径108mmだったことから、1891年にこの大きさが正式になったのです。
深い理由がなかったことに驚きましたか?
しかしそれから120年経った今でもこの時に決められた大きさは変更されていないのです。
彼が使った排水管の大きさが100mmや380mmだったら、ゴルフはまた違ったスポーツになっていたかもしれませんね。
ゴルフのホールカップの大きさはなぜ変更されないのか
ホールカップの大きさは、108mmと120年も変わらず続いていますが、現在のゴルフ規則ではもう少し詳しい規則になっています。
直径108mmのホールカップ、深さは101.6mm以上、円筒を埋め込む場合は25.4mm以上深く沈めなければなりません。
先に話したように、たまたま決まった大きさなのに、120年も変更されないのはなぜなのでしょうか。
答えは簡単です。
易しすぎず、難しすぎない、最もゴルフを面白くできる大きさだからです。
大きさ108mmと言ってもパッティングする際は小さく感じるかもしれません。
しかしこの大きさは、実はボール3つ分の許容範囲なのです。
ボールを3つ並べて、真ん中のボールがホールカップの真ん中に落ちるように3つを転がすと、3つともボールがカップインする大きさなのです。
つまりジャストタッチであれば、ボール3つを一気にカップインすることのできる大きさです。
それなのになかなか入らないと言うところが、易しすぎず、難しすぎないゴルフを面白くさせる大きさなのです。
偶然生まれた大きさですが、それが絶妙な大きさなので、今もそれは変更されず採用され続けているのです。
ホールカップの大きさを4倍にする動き
ホールカップの大きさが108mmなのは、ゴルフを楽しめる絶妙な大きさだという話をしました。
しかしアメリカではここ10年近くでゴルフ人口が500万人減少したと言われています。
そのゴルフ人口の減少を食い止める試みとして、ホールカップの大きさを4倍にする動きがあります。
4倍とはバケツ大の大きさです。
それぐらいホールカップを大きくすることで、ゴルフの難易度を低くさせ、グリーン周りでの時間を短くすることで、プレー時間の短縮にも繋がります。
これは初心者やジュニア層へ向けてのルール改善と言って良いでしょう。
初心者やジュニア層がよりゴルフを楽しめるようにすることで、ゴルフ離れを避けるのです。
最近はグリーンの整備技術が上がっていることもあって、アマチュアにとってはグリーンがより難しいものになっています。
上級者であれば楽しめるのですが、初心者だと全く楽しめないことから、ホールカップの直径を3~4倍にするという試みなのです。
しかし実際に大きなホールカップであっても、ショートパットは入るようになりますが、初級者や中級者のスコアに大きな変化は見込まれません。
不思議ですが、それがゴルフなのですよね。
ホールカップの大きさを知った練習方法
ホールカップの大きさ108mm、日本でいえば一升瓶の大きさ104mmとほぼ同じ大きさです。
それを上手く利用してパッティングの練習に使っていたのが、岡本綾子選手です。
その練習法は、一升瓶をカップに見立てて、その一升瓶にボールを当てる練習です。
それだけ?と思うかもしれませんが、この練習法が、彼女を世界の綾子とゴルフ界のトップに君臨させたのです。
一升瓶に向かってパッティングをしてみてください。
瓶に当てたボールが真っすぐ跳ね返ってくるボールが打てれば、それはカップのど真ん中に当たっている証拠です。
違った方向に跳ね返るとカップに嫌われる可能性が高くなります。
また、立っている一升瓶を目標にするので、おのずと目線が高くなります。
目線が高くなるということは、目線が地面にあるカップより遠くに向くということです。そのためこの練習で一番身につくのは、強めのパットが打てるようになることです。
パットではショートしてしまうのが一番後悔するのですが、そのようなことは絶対になくなります。
そうなると返しのパットになるので、最悪2パットで収められるようになるでしょう。
Drive for show, putt for dough
ゴルフの天才、タイガーウッズの名言の1つに「Drive for show, putt for dough」とあります。
ドライバーはあくまでもショーで、パットこそが賞金になると言う意味です。
それだけパッティングがゴルフスコアに大きく影響するということを言っています。
今回の話を通してホールカップの大きさを知ることで、心に余裕ができましたか?
確かにパッティングは微妙なタッチやラインが影響するので大変難しいですが、ボールが3つ入る大きさだと考えてください。
すると少しばかり気持ちに余裕が持てませんか?
またパッティングをする際に最も大切なことは、ショートしないことです。
もう1つのタイガーウッズの名言で、「届かないパットは絶対にカップインしない」と言うのがあります。
先に紹介した岡本綾子選手のパット練習法で、強めのパッティングをできるようにして、絶対にショートしないパターを目指すようにしましょう。
ショートさせて寄せて、確実に2パットを狙うよりも、強めに打って、良ければカップインで1パット、最悪でも返しで2パットをする方が確実にスコアアップにつながります!
パター上手、アプローチ上手は、ゴルフ上手
練習場へ行くと我武者羅にドライバーやアイアンを練習している人を見かけます。
しかもナイスショットの連続なので、シングルプレーヤーなのかと思いきや、100切れないと話していて驚かされます。
どんなにドライバーを飛ばしても、アイアンで良いところへ運べても、3パットをしていてはスコアはまとまらないということ。
ショットの練習ももちろん大事ですが、その倍以上はパターの練習をした方が、確実にスコアは伸びていくでしょう!