スクラッチという言葉、ゴルフで用いられる意味でゴルファーなら知っているか聞いた事のある言葉ではないでしょうか。
スクラッチはハンデが0、すなわちゴルフをするすべてのプレーヤーに対して公正の理念に則った考え方となります。
ハンディキャップを付けず、皆公正にゴルフをプレーしましょうという意味です。
ですからプロゴルファーはスクラッチゴルファーの代表ですね。
では、ゴルフにおけるスクラッチの意味について考えてみましょう。
スクラッチはゴルフという競技の意味を考える上で原点となる
全てのゴルファーがプレーをする際、ハンディキャップが0、すなわちスクラッチという考え方は、ゴルフというスポーツの原点と言えます。
人間が同じ土俵、ルールでスポーツをプレーする時、差を付けるハンディキャップと言う考え方は後で考え出された物で、そもそもゴルフルールの原点でもある公正の理念に照らし合わせて考えると、全てのゴルファーには差は持たせないという意味になります。
しかし、これでは上手いゴルファーがいつも競技で勝ってしまい、勝てないゴルファーからすると面白くないですよね。
練習する時間や量が多いゴルファーが勝つのは当然の権利と言えるのですが、これでは商業的に見てマーケットが広がりません。
そこでゴルフ競技にハンディキャップが考え出されたのですが、スタート時点で各ゴルファーのスコアに差を付ける事によって、結果を平準化させる方式が考え出されました。
このハンディキャップを用いる事により、技術やレベルに差のあるゴルファー同士が同じ競技で競える様になり、ゴルフのマーケットが広がったのです。
スクラッチという言葉はゴルフの代名詞、その意味について
ゴルフでは一般的に使われる言葉スクラッチですが、この言葉はscratch、ゼロからという動詞の意味になります。
そしてscratchにはその他に、ひっかくや削除するという意味があります。
元々はこの意味から派生してゼロからという意味になった様ですね。
スクラッチはその意味の通り、ゼロを意味しますが、ゴルフではハンデが0以下のゴルファーの事をスクラッチプレーヤーやスクラッチゴルファーと言います。
全ゴルフ人口の中でも、恐らく1~2パーセントもいないゴルファーの事を差します。
そもそも、スクラッチの腕前をキープしようとすればゴルフを毎日やらないと無理だと言えます。
人間は機械ではないので、距離感を脳とそれに反応する身体が判断してプレーします。
そして、人間の脳は物や事象を忘れる様にできている為、スクラッチの腕前を維持しようとすれば毎日毎日クラブとボール、そして芝やバンカーに触れていなければすぐに意識や技術にズレが生じてしまいます。
そういった意味で、スクラッチの腕前を維持しているゴルファーはもはやプロと言えるかもしれません。
ゴルフのスクラッチ競技に出る意味。自分のレベル向上には必要
メンバーシップのゴルフ場に所属すると、月例競技とは別に、コースによりますが年間に3、4試合大きな競技がありますよね。
頂点は言わずもがな、クラブ選手権です。
その年、そのクラブメンバーの最高峰を決める試合で、上位アマチュアゴルファーのステータスでもあります。
この競技方式はスクラッチです。
そして、予選はストロークプレー、ベスト4くらいからマッチプレーになります。
ゴルフというスポーツ、元々はマッチプレー競技から始まっており、ゴルフ本来の競技の意味を考えるとマッチプレーとなるのですが、最近ではプロの公式競技でマッチプレーを行う事はほとんどありません。
これは、ストロークプレーの方が様々な意味で効率が良いからです。
プロスポーツは商業主義で成り立っており、スポンサーがあってのプロスポーツなので仕方ないですね。
そして、もう1つメンバーシップのゴルフコースの大会にはスクラッチ選手権があります。
こちらもその名の通り、ハンデ0、スクラッチにて競技を行う競技になりますが、この競技はストロークプレーで行われます。
アマチュアゴルファーはこうしたスクラッチの競技に出る事を目指す事が、ゴルフを上達するには意味があり必要です。
アマチュアのゴルフプレー、本当はスクラッチで競い合いたいけど…
気の置けない仲間とゴルフ、楽しいですよね。
こんな時、仲間内でハンディキャップがいくつでなんて無粋な事言わずに、スクラッチで勝負したいのではないでしょうか。
お互いにハンディキャップがあっても、差を付けないでプレーする事をスクラッチで勝負などと言ったりします。
ここで言うスクラッチはスクラッチプレーヤーとは違う意味で使ったりしますので、ゴルフでのスクラッチという意味は汎用的だったりします。
しかし、皆さん経験があると思うのですが、同伴競技者は負けたくないのでなかなかスクラッチで勝負してくれないのではないでしょうか。
ゴルフはスコアという数字がその日のプレー後に結果で出てしまうので、その日のコンディションやコースとの相性などの影響で、普段なら負けない様な競技者に対しても負けてしまったりする可能性もあります。
逆に、勝てると分かっている相手に対してスクラッチでとは言いにくかったりします。
ラウンド前にこのような思惑が生じてしまう為、スクラッチでプレーする事、実は結構ハードルが高かったりしますよね。
スクラッチでの勝負は握りに影響するので相手の言葉の意味を考えてしまう
ゴルフに握りは付きもので、ゴルファーは大なり小なり何らかの握りをラウンドで行っているのではないでしょうか。
もちろん、お金を賭ける事は法的に駄目ですので、安価な物などを握りの対象として行いますよね。
ただし、表向きは、ですが。
皆さんがどの様な握りをされているかについて細かい事には触れません。
さて、ハンディキャップなしのスクラッチだと、レベルの差が明らかに大きい場合、はなから負けてしまう事が明白なので適度にハンディキャップを付けますよね。
ただ、時にこのハンディキャップが禍根を残したりもします。
ゴルフもスポーツですので、練習すれば上手くなります。
仲間が普段どの位練習しているかなんて他人からは分からないので、当日、時に今までにはありえない様なスコアで回ってくる仲間がいたりしませんか。
こういった時、大体の方がまぐれを言われますが、そのほとんどはしっかり練習されてきていると思います。
こんな時、スタート前に大きなハンディキャップを与えていると、与えた方は悲劇が起こります。
そして、勝ち逃げは許されなくなり以降ハンディキャップの見直しか恐らくスクラッチでのプレーに変わっていくのではないでしょうか。
そういった意味で、握りのハンディキャップは良く考えた方がよさそうです。
スクラッチのゴルフを目指すには相当な実践と練習量が必要
ハンディキャップが0以下のスクラッチプレーヤーになる為には、どの位の練習量が必要になるのでしょうか。
一般的に何でもその道を究めるには最低でも1万時間、その事に取り組まなければならないと言われています。
という事は、ゴルフも平日は最低でも2時間、休日なら6時間練習と実践に費やしたとして、1か月100時間として100か月、約8年以上掛かる計算になります。
スポーツですので身体的な差があるとしても、少なくともスクラッチプレーヤーになるのに1~2年でなれるという事はなさそうです。
最近では若くて活躍するプロやアマチュアが多くなりましたが、彼ら彼女らは幼少の頃から毎日練習し、その位置にいる事を考えるとそんな簡単になれる物ではない事が分かります。
こうして見ると、ゴルフを上手くなる事は目標ではあると思いますが、スクラッチプレーヤーのゴルフに対する姿勢がいかに凄い事なのかが分かるのではないでしょうか。
ただし、人生の意味を考えた時、ゴルフだけが人生ではないので、プロになる様なゴルファーでない限りは目指すものでもないのかもしれません。
いつもスクラッチで回れる仲間とのゴルフが楽しい
ハンディキャップなんか考える必要のない、いつもスクラッチで回れるゴルファーとのラウンドの方が楽しいのではないでしょうか。
そうした意味でゴルファーが自分の腕前を客観的に判断する為にハンディキャップを取得する意味があると言えますが、シングルプレーヤー、特にハンディキャップが5以下のゴルファーにとってみると、同伴競技者はスクラッチで回る方が楽しいと感じるはずです。
もうこれぐらいの腕前になると他人にも教えられるし、ゴルフが楽しいと言えます。