石川遼が選ぶのはマッスルバック?キャビティ?どっち!?

最終更新日:2017/03/25

石川遼選手は中嶋常幸選手に若い頃からマッスルバックに慣れた方が良いと教えを受ける中、マッスルバックとキャビティをさ迷っています。

ヨネックス使用時はマッスルバック、キャロウェイ使用時はハーフキャビティです。

やはりマッスルバックには難しいというイメージが強いです。

そんなマッスルバックとキャビティについていろいろとお話ししていきましょう。

知名度抜群ですが、まずは石川遼選手について

石川遼選手がゴルフを始めたのは6歳のときです。

中学生のときはすでに、全国規模の大会で常に上位争いをしていました。

そして彼を一躍有名にしたのが、マシングウェアオーブンKBSにアマチュア枠で出場したときです。

このときなんと優勝を飾ったのは誰もが知っているでしょう。
この優勝が15歳245日で、世界最年少優勝記録としてギネスレコードに認定されたのです。

また彼のルックスから女性ファンが一気に増え、ギャラリーが何倍も増えた遼くん現象が起きました。
当時はハニカミ王子なんて呼ばれていましたね。

2006年には16歳3か月と史上最年少のJTOツアープロになりました。
そしてプロ転向と同時にヨネックスと契約をし、そこでマッスルバックを使用することになりました。

翌年には史上最年少で賞金王に輝きます。

そこからも順調に優勝を重ね、2012年には史上最年少で通算10勝を上げたのです。

2013年、ヨネックスとの契約も終わり、次のキャロウェイとの契約を機に、キャビティアイアンに変更しました。

海外を主戦場とした2011年くらいから、石川遼選手の不調は現在にまで至っています。
昨年は、腰痛のためにしばらく休戦をして、今シーズンから復帰なのですが、未だに思うような結果を残せていない状況です。

マッスルバックとキャビティの違い

ヨネックス契約の時に、石川遼選手はキャビティでなく、マッスルバックを選びました。
ではマッスルバックとキャビティの違いとは何なのでしょうか。

1つ目は、重心距離です。
マッスルバックは短いので操作性が良いです。
逆にキャビティは重心距離が長いので、安定感があります。

2つ目は、重心深度が違います。
マッスルバックは、重心深度が浅いので、操作性が良いです。
キャビティは、重心深度が深いので、安定感があり、ベッドが当たり負けしないので、ミスに強いです。

3つ目は、ヘッドの慣性モーメントです。
キャビティはヘッドが大きいのでこの分スイートエリアが広く、慣性モーメントが大きいです。

重心の高さに関しては、マッスルバックとキャビティに大きな差はありません。

この3つの違いがマッスルバックが難しいと言われる理由なのです。

上手くマッスルバックの特長を使うには、ある程度のゴルフ技術が必要です。
真っ直ぐボールを飛ばせない人が操作性の良いものを使っても、曲げているのか曲がってしまっているのか判断ができないですよね。

石川遼が求める操作性に応えたのがマッスルバック

石川遼選手に限らず、プロゴルファーがクラブに求めるのは操作性の良さです。

なぜならプロゴルファーはあらゆる状況に対応しなければなりません。
どこからでもピンを狙っていくのがプロゴルファーなのです。

女子プロゴルファーはドローとフェードの打ち分けを苦手とする選手が多いです。
しかしパワーを持ち合わせている男子プロゴルファーには可能です。

操作性が良いアイアンとは、スイング中にフェースをコントロールがしやすいので、持ち球に関係なく、ドローやフェードを打ち分けやすいのです。

しかしこれを上手くない人が使うと、操作しきれないので、フェースの向きが勝手に動いてしまい、シャンクなどミスをしてしまいます。

逆に操作性の悪いマッスルバックのようなアイアンであると、フェースをコントロールしづらいのですが、悪いスイングでってもフェースが敏感に反応しないのでミスショットになりづらいです。

故に、キャビティは曲げづらいのですが、曲がりにくいと言うことです。

ですから、直進性を求める方であればキャビティを選択した方が良いでしょう。

石川遼選手がキャロウェイ契約になってから初のマッスルバック

石川遼選手は、キャロウェイと契約してからずっとキャビティアイアンを使用していました。

しかしプロ10年目となる今年2017年に、1Wとアイアン、ウェッジの合計10本をフルチェンジしました。

アイアンは、ヘッドが小ぶりなマッスルバックアイアン「MB1」に替えました。
ラフに負けず、距離感を合わせやすくすることを目的にチェンジしたようです。

なんとこれは、2013年にキャロウェイと契約してから初の改革のようです。
とは言っても、12月の段階ではまだ悩みを見せていました。

これまではキャビティタイプを使用していた石川遼選手は、

「前のアイアンは少しフックフェースに見えてしまっていた。ストレートに見えるものにしたくて新しいマッスルバックが出たので試しました。見た目はすごく良い」

とコメントし、印象はまずまずの様子なようです。

しかし

「前のアイアンよりフライヤーがしにくいところがあるのでその違いをどう受け入れるか」

とイメージ通りのショットには全てがならなかったようで、実践投入には慎重な姿勢でした。

実際にシーズンは始まりましたが、まだマッスルバックを使用していません。

実はマッスルバックと言えば松山英樹

石川遼選手とマッスルバックについてお話ししてきましたが、実はマッスルバックと言えば、松山英樹選手なのです。

アメリカツアーでのマッスルバック使用率は高いのですが、日本ツアーでマッスルバックを使用している選手は少ないです。

彼はあまりクラブを変更しないことで有名です。
2014年までスリクソンのZ925を使用していました。
2015年から現在に至るまでは、スリクソンのZ945を使用しています。

最近優勝したウェイトマネジメントフェニックスオープンでは、スリクソンのZ965を使用していたようです。

マッスルバックはスイートエリアが狭く、プロでも難しくミスが出やすいマッスルバックを使わない傾向になってきています。

しかし彼はこのクラブをしっかりと使いこなしているのです。

その証拠がアメリカツアーでの優勝です。
やはり彼は天才なのかもしれないです。

石川遼選手もヨネックスと契約していたときはマッスルバックでしたが、現在はキャビティを使っています。

それを踏まえて、やはりマッスルバックは厳しいのでしょう。

初心者にマッスルバックは無理なの?

マッスルバックの購入を考えている人は、よく考えてください。

まずは、ヘッドがかなり小さくなります。
このヘッドで芯をとらえることは非常に難しいです。

初心者ゴルファーが一般的なアイアンで芯をとらえられる確率は、約15%です。
この確率でヘッドの小さいマッスルバックを使うのは、正直無謀だと言えます。
もっと優しいクラブはありますし、それらの方が選択肢も多いのです。

あの石川遼選手でさえ、マッスルバックに厳しさを感じたのです。
初心者ゴルファーに使いこなせるはずがありません。

またマッスルバックは価格的にも、他のアイアンセットよりも割高です。
憧れだけで選んでしうと、後悔しか残らないかもしれません。

ゴルフをやめてしまったと言う人の理由の多くは、

「ボールが上手く当たらないから楽しくない」

です。

当たるようにできるクラブの選択肢があるのに、あえて当てるのが難しいクラブを選ぶ必要はないのではないでしょうか。

ゴルフをより楽しむためにも背伸びのし過ぎは要注意です!

上級者でもなかなかいないマッスルバック

マッスルバックを使うメリットは球を曲げられることです。
加えて、ボール高さも打ち分けられます。

しかしこれは「プロや上級者に限るメリット」ですが…。

アベレージゴルファーだと、勝手にボールが曲がる上に、ボールが飛びません。

上級者の方であっても、よほど使いこなせる自信のない方以外はキャビティやハーフキャビティを選びます。

マッスルバックに憧れている人は、言葉だけでは納得いかないでしょう。

一度試打をしてマッスルバックを体感してみることをオススメします!