三菱レイヨンのディアマナ(Diamana)と言えば、ツアープロが武器として認めるシャフトです。
飛距離性能、方向性、フィーリングとどれをとっても高いクオリティーで世界のトッププレーヤーが支持しています。
そのディアマナの中でもディアマナDシリーズの後継シャフトと位置づけられているアヒナをみなさんに試打してもらうべく、たくさんの魅力を紹介します。
試打する前に三菱レイヨンのディアマナ アヒナを知る
ディアマナのアヒナは白マナ(Dシリーズ)の後継モデルです。
白マナもアメリカPGAでもかなり評価の高いシャフトでしたが、その後継モデルとなると期待も大きいです。
ディアマナの特徴である花はシルバーで描かれています。
アヒナの由来は、マウイ島のパワースポット、ハレアカラ山頂に生息する植物”アヒナヒナ”です。
日本語では”銀剣草”と言います。
厳しい気象条件に耐えて数十年を経て花を咲かせるという神秘的な植物です。
さて由来は分かりましたが、アヒナの特性はいかなるものでしょう。
まずマルチディメンショナルインターレイ設計が史上最強弾道を生み出しました。
曲げ剛性とねじれ剛性をより精密に設計でき、プレーヤーの意図にリニアに反応する高い操作性を引き出しています。
中間から先端部にかけての曲げ剛性、ねじれ剛性ともに極めて高いです。
そして安定した入射角でボールをとらえ、スピン量をコントロールして吹け上がりを抑えています。
ヘッドのブレや当たり負けを極限まで抑え、過度なつかまりを防いでハードヒッターが求める究極の弾道を実現しているシャフトです。
魅力的過ぎて、試打したくなってきのではないですか?
ディアマナ アヒナの試打した感想①
試打スペックはディアマナアヒナ60Sで、重量62g、トルク3.1の手元調子です。
組み上がりのドライバースペックは、ヘッド『ダガロ』、ロフト角9度、長さ45インチ、総重量312.6g、バランスD2です。
弾道は、中弾道の超弾丸ライナー系で、ヘッドスピードが要求されます。
きっちり芯で捕らえられる打点の正確さも必要です。
ハードヒッターが左を気にせずに叩けます。
フェードヒッターが逆球を心配しなくて良いシャフトです。
白マナ以上に全体的なしなりが抑えられ、より手元がしっかりしていて、ややヘッドが遅れて出てくるような印象です。
ヘッドスピードは46~48m/sは必要でしょう。
スイングタイプは、自分でシャフトをしならせられるタイプで、ボディターンの人よりはリストターンの人に向いているでしょう。
スピン量が少ないので、ロースピンヘッドやヘッドスピード不足であると、ドロップする可能性があります。
装着ヘッドが重心深度浅めで重心位置が高めになると、操作性も高くなるので、それなりの技術は必要になります。
ディアマナ アヒナの試打した感想②
試打スペックは、60g台のS、ヘッドは『ニッケントリボルバー4DX』です。
ワッグルすると手元側が少ししなります。
打ったときは、切り返しで手元側にしなりのポイントがあるのがハッキリと感じ取れます。
中間から先端側のしなりは控えめです。
ダウンからインパクトにかけては全体がスピーディーにしなり戻ります。
インパクトではシャフトの先端側が硬いこともあり、ヘッドターンする感じは受けません。
インサイドからあおって打っても引っかかる気配がないシャフトです。
ヘッドがアッパーに動きづらい分だけ、ボールに分厚く当たります。
そして打ち出し角度は低めです。
スペックを70台のSに変えてみると、基本的な感じは同じですが、先端側はこちらの方がさらにしっかりしています。
60g台に比べるとしなり戻りはやや遅めな印象を受けます。
自分の力で叩きたい人にはこちらの方がタイミングが取りやすいし、シャフトの挙動もコントロールしやすいでしょう。
60g台と70g台で共通しているのが、トルク感が少なめなことで、ヘッドの挙動をコントロールしやすく、出球のラインも出しやすい点です。
ディアマナ アヒナを実際試打した専門家の印象
人間試打マシーンと呼ばれている、マーク金井さんが、ディアマナ アヒナを試打した印象とシャフトに合うヘッド等を紹介しています。
基本的につかまらないシャフトで、ボールをつかまえたいという人よりも、左のミスを減らしたい人、もしくはフェードボールを打ちたい人と相性の良いシャフトです。
また吹き上がって飛距離をロスしているハードヒッターの人であれば、シャフトがスピン量を減らしてくれるので、飛距離アップも狙えます。
要求されるヘッドスピードは、
60-Rで41~44m/s、60-Sで44~48m/s、70-sで45~49m/sになります。
彼がオススメするディアマナ アヒナにベストマッチするヘッドを紹介!
※ディアマナアヒナ発売当時のクラブです。
飛距離重視であれば、
・ダンロップスリクソン NEW Z-TXドライバー
・ミズノ MP425+ドライバー
です。
コントロール重視であれば、
・ブリヂストンツアーステージ X-DRIVE 705type415
・ヤマハ インプレスX V425 ツアーモデル
・キャロウェイ FTツアードライバー
です。
シャフトの挙動がシャープなので、操作性の良いヘッド(重心距離短め)のドライバーと相性が抜群に良いそうです。
ドローヒッターでつかまり過ぎを抑えたいなら、
・プロギア GN502ドライバー
を選択するのが良いでしょう。
ディアマナ アヒナの後継者モデルも登場
ディアマナ アヒナについて話してきましたが、実は後継者モデルが出ています。
「ディアマナ Wシリーズ」です。
白の一閃が特徴的です。
放たれた高弾道が、タイトなフェアウェイをヒットします。
左を怖がらずに振りぬくことができる強弾道のアスリートモデルです。
超高弾性材料のダイアリードをバッド部のフープ層に用いています。
これによってつぶれ変形を防ぎ、切り返しのパワーを損なうことなくダウンスイングに移行することができます。
切り返しで大きなしなりを生みながら、インパクトで安定したヘッド挙動を実現します。
ヘッドフェースに乗る厚いインパクトで、低スピンの強弾道と正確なライン出しが可能です。
アヒナとWシリーズとの違いは、振り感です。
アヒナほどガチガチとした硬さがなく、ちょっとしなりを感じる振り感です。
しかしアヒナ同様、つかまりが良いものではないので、しっかり球をつかまえられるタイプの人でないと、力ないフェードであったり、弱いスライスが出てしまうでしょう。
アヒナとWシリーズを試打比較してみると面白いかもしれません。
ディアマナWシリーズの試打感想
それではアヒナの後継者であるWシリーズの試打の感想を紹介します。
試打スペックは、ディアマナW 60S、ヘッドはヤマハインプレスRMX01、ロフト角10.5です。
ヘッドが球の上がりにくいモデルであるのを考慮したとしても、球は上がりにくく強い弾道です。
ハードヒッターが叩いても吹けないし、しっかり叩かないと高さも距離も出ない印象です。
先端が走らないのでつかまりについては、一番つかまらないタイプのシャフトに位置するでしょう。
体力を活かして叩きにいくとシャフトの良さが出るでしょう。
手元がしなるのでタイミングが取りやすいのですが、素材の進化でしなる感じもアヒナよりもキビキビした感じのコシのようなものを感じ、よりブレがありません。
シャフトの不用意な動きを排除し、一発よりもつかまり過ぎのリスクを失くす、スコアや方向性重視のシャフトです。
叩いていかないと飛ばないけど、つかまり過ぎを怖れて振り切れないといった悩みを持つ人であれば、思う存分に振れて逆に方向性も出しやすいでしょう。
シャフト選びこそゴルフの一番の楽しみ
ゴルフを始めたばかりだと、シャフトで考えるのはフレックスくらいではないでしょうか。
しかしだんだんとゴルフの経験を重ねると、クラブの細かなところにも興味やこだわりが出てきます。
シャフトのフレックスだけでなく、重量やバランス、トルクなどにもこだわります。
またそれにヘッドも選び、自分のスイングに合わせたカスタマイズクラブが欲しくなるのです。
ゴルフショップへ行き、スタッフと細かく相談しながら自分のクラブを作り上げるのは、その行程も楽しめますし、出来上がったあとにしっくり来る喜びも同時に味わえます。
まだシャフトにこだわった試打をしたことがない人は、是非トライしてみてください!