フェアウェイウッドの定番と言えば3wと5wです。
しかしフェアウェイウッドは全部で2w~9w(メーカーによっては13w)まであります。
ここで疑問になるのが、一番飛距離の出ない9wです。
他に被るクラブがあるけど9wを使う必要性とは何なのでしょうか。
一緒に考えてみましょう!
9wを含むフェアウェイウッドを使う場面は飛距離と関係する?
フェアウェイウッドとは、名前の通りフェアウェイから打つクラブです。
みなさん勘違いしているようですが、「飛距離を出すためのクラブ」ではなく、距離を合わせるクラブと考えた方が良いでしょう。
ステイシー・ルイス選手も「フェアウェイウッドを上手く使うには、飛ばす気持ちで打つよりも、前に出すという気持ちで打つように」と話しています。
長い距離をある程度狙って打ちたいときに使うようにしましょう。
フェアウェイウッドは、だいたい距離を残した2打目に使われます。
しかし距離の短いホールなどのティーショットで使われることもあるでしょう。
また意外かもしれませんが、ランニングアプローチで使う人もいます。
3w~9wで数字が大きくなるほどロフト角が大きくなり、ボールが上がりやすくなります。逆に数字が小さいほどロフト角が小さくなるので、高さではなく距離が出るようになります。
一般的には、的確に距離を打ち分けられるようにフェアウェイウッドから2~4本くらい選びます。
とくにアイアンの数が少ない女性ゴルファーのセッティングでは、ウッドが充実している方が多いようです。
9wを含むフェアウェイウッドの飛距離以外の特徴とは
フェアウェイウッドの1つ目の特徴は、シャフトが長いことです。
シャフトが長めなので飛距離を伸ばすことができ、尚且つ気持ちよく振り切ることができます。
2つ目の特徴は、重心が深いのでボールが上がりやすくなることです。
ですから、同じロフト角のフェアウェイウッドとUTであっても、ボールの上がり具合は違います。
そして3つ目の特徴は、見た目からも分かるように、ヘッドが前後に大きいので、慣性モーメントが大きくなり、ボールを飛ばしやすいです。
その上ソールが広いので、ダフったとしても芝の上を滑るから、ミスヒットに強いクラブなのです。
フェアウェイウッドの飛距離の目安(一般男性:40m/s)は、
2~3w:180~200ヤード
4~5w:160~190ヤード
7w:140~170ヤード
9w:120~150ヤード
です。(もちろん個人差はあるので参考値になります)
お気づきかもしれませんが、UTやアイアンとかぶる飛距離がありますよね。
そこで同じ飛距離でも、クラブの構造や弾道などの違いを把握して、クラブを選択する必要があるのです。
女性向け、飛距離を稼げる7wと9wを主力にしたセッティング
上記したように、フェアウェイウッドは慣性モーメントが大きいので、多少芯をはずしても飛んでくれます。
そして重心位置が低いので球が上がりやすく、ソールが滑ってくれるのでラフでも強く、シャフトが長いのでヘッドスピードが上がります。
故に物理的に考えるとアイアンより簡単なクラブと言うことになります。
シャフトが長いので苦手とする人がいますが、そういった人は、グリップを短く握るか、ちょっと硬めのシャフトを選ぶと良いでしょう。
アイアンを変幻自在に扱うことのできるトップアマチュアやプロゴルファーでない限り、アベレージゴルファーや女性ゴルファーは簡単なクラブであるフェアウェイウッドを使った方がコース戦略上有利なのです。
その中でも簡単に飛距離を稼げる7wと9wは、アマチュアの中でもとくに女性ゴルファーにとって最強の武器になります。
なにより女性の場合、ヘッドスピードが遅いためアイアンでボールが上がりきらないことが多く、ミドルアイアンを苦手としている人が多いです。
7wを主力にし、ミドルアイアンを9wでカバーすると良いでしょう。
メリットの多い9wの欠点とは
飛距離を稼げたり、ミスショットに強かったりとメリットの多い9wですが、実は欠点もあるのです。
それは球が上がり過ぎるため、低く打つのが難しいことです。
とくにティーアップして打つときは、すぐに吹け上がるので、打ち下ろしのショートホールで、風が強い時は、コントロールが難しくなります。
これはメリットがデメリットにもなり得ると言うことですね。
またアイアンやUTに比べてヘッドが大きいため、構えにくさを感じる人もいます。
ヘッドが大きいためダフりそうに見えてしまうことが原因でしょう。
そして9wの最大の欠点は、販売数が極端に少ないことです。
メリットの多いクラブなのですが、需要があまりないのが現実です。
ゴルフショップへ行くとよく分かるのですが、有名メーカーのフェアウェイウッドは、5wもしくは7wくらいまでしか販売されていないことが多いです。
テーラーメイドやナイキなどの海外ブランドは、7wは特注、9w自体存在しないといった状況です。
酷い場合は、5wまでで7wすら存在しないモデルもあります。
日本メーカーは、9wを扱っているモデルも多いですが、生産数が少ないです。
9wを取り扱う日本のメーカーは
外資メーカーに9wなどのショートウッドが無い代わりに、汎用性の高いUTを推しているメーカーが多い中、日本のメーカーは差別化を図る目的も含めて、積極的に9wなどのショートウッドを作っています。
ダンロップのゼクシオは、人気のモデルと言うだけあって9wも取り扱っています。
他にもプロギアやマルマン、本間ゴルフなどたくさんの日本メーカーが取り扱っています。
しかしほとんどがシャフトが柔らかめの「R」シャフトなので、普段SやSRといった硬めのシャフトを使っている人はしなりのタイミングが掴めなかったり、スイートエリアは広いはずなのにかえって芯を捕らえ辛い場合もあります。
つまりショートウッドを取り扱っているメーカーがあっても、絶対的な販売数が少ないので、自分に合うクラブを探すのに苦労してしまうのです。
しかし日本ではゴルフ人口の高齢化や女子ゴルファーの増加により、非力な人向けの球が上がりやすく、飛距離を出しやすいクラブの需要は今後増えていくはずです。
そういったこともあって日本メーカーがショートウッドをどんどん出しているのでしょう。
9wを必要とするかどうかの判断は
9wなどのショートウッドが飛距離も稼げる上に、やさしいクラブというのは十分わかりましたよね。
しかし自分にとってそれが必要かどうかをどう判断すればよいのでしょうか。
まず「どの場面で一番多く使うか?」という視点で考えて下さい。
ティーショットでUTやショートウッドを多用する場合は、ロフト角が21~26度の範囲であれば、UTを選びましょう。
ティーショットはボールの弾道を抑え、なるべくラインを出したい人、ターゲットに対して構えやすいクラブを好む人はUTが良いです。
芝の上から多用する場合やグリーンを狙うクラブを探している場合は、ショートウッドを選びましょう。
重心深度が深いので、芝の上からでもボールが比較的上がりやすいからです。
平均的なヘッドスピードであればなおさらショートウッドが優しく打てます。
つまりヘッドスピードは最も判断しやすいポイントといえます。
ヘッドスピードが遅い、もしくは平均的であれば、ショートウッド。
ヘッドスピードが速いのであれば、UT。
もちろん好みの問題や持ち球にもよるのは間違いありません。
メリット大ですが、必要性は自分次第
ショートウッドのメリットは多いです。
究極で言うと、プロのようにコースやコースコンディションに合わせて使い分けるというのがベストな方法です。
しかしもちろんそれにはコストも伴ってきますので、自分のショットやラウンドで苦手とすること等を考えてしっかりとクラブ選びをすると良いでしょう。
ショートウッドよりアイアンがかっこいい!というような間違った選択だけはしないようにしてください。