ゴルフ場に行くと、ランチ休憩の際の冷えたビールを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
暑い夏に、喉を潤す程度のアルコールなら問題はないのですが、それを超えると自分だけでなく他の人に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
そうならないためにもゴルフとアルコールについて一緒に考えてみましょう。
ゴルフ場で年間200人もの死者が。その理由の一つがアルコール
一般的には、突然死の原因となる心筋梗塞は起床後2~3時間ほどの間に起こると言われています。
ゴルフコースに出る際は、朝早いスタートをすることがほとんどなので、発症する時間帯とちょうど重なります。
人は緊張するとアドレナリンなどのホルモンが分泌されて血圧が上昇し、心拍数も高くなります。
ゴルフでは、ショットの際には極度の緊張があるでしょう。
とくに第1ホールでのパットが危険だという報告もあるのです。
さらにゴルフ中には汗をたくさんかくことで脱水状態に陥り、血液が粘り気を増し、血管が詰まりやすくなります。
そしてゴルフ場ではランチの際にビールなどのアルコールを飲む人が大勢います。
これらのアルコールの利尿作用でさらに脱水を起こしやすくなるのです。
そうなると、さらに血液がドロドロになってしまいます。
もちろん暑い夏の日に炎天下の中ゴルフをしていると、キンキンに冷えたビールをグイッといっぱい飲みたくなる気持ちも理解できます。
しかしゴルフ場での突然死のほとんどが7~8月に集中していることを考えると、脱水症状を招きやすいゴルフ場でのアルコールは控えた方が良いかもしれません。
ゴルフ場で摂るアルコールがプレーに及ぼす影響
アルコールは適量であれば、コミュニケーションのツールとしてよく使われる手段でもあります。
会社の飲み会であったり、パーティーであったり、様々な場面でアルコールと接する機会はたくさんありますよね。
そんなアルコールは、ゴルフにおいてはあまり良い影響はないといえます。
一定のリラックス効果はあるのですが、それに伴う集中力や判断力の低下、気が大きくなることによる無理なコースマネジメントなど、スコアはがた落ちです。
ティーグラウンドに立って、フワフワするくらい酔ってしまっては、ゴルフになるはずがありませんね。
ゴルフ場へは飲みに行くのではなく、プレーを楽しみに行っているということを忘れてはいけません!
お酒が飲みたいというゴルファーは、ゴルフのスコアアップのためと、一度ゴルフ場でのアルコールを我慢してみてはどうでしょうか?
またどうしてもお酒を飲まなきゃ楽しくない!と言う人は、ゴルフ場への車の運転は絶対にやめましょう。
必ず誰かに乗せてもいってもらうとか、他の手段でゴルフ場へ行くようにしましょう。
コース戦略も車の運転も安全第一が紳士的です。
社会問題にもなっているゴルフ場からの飲酒運転
皆さんご存知のように、昨今飲酒運転への規制は大変厳しくなっています。
アルコール1杯だけなら、プレーしている間に抜けるだろう。
なんて安易な考えはやめましょう。
近年ではゴルフ場からの飲酒運転が大変問題になっています。
それを受けて、ゴルフ場の中にはアルコールの提供をやめてしまったところもあるほどです。
もちろん、アルコールを楽しみの一つにしているからと代行で帰る予定だったり、同伴者に乗せてもらったりと対策をしている方もいます。
でも社会のルールを守らな人がいるがために、ゴルフ場がアルコールの提供をやめてしまい、しっかりとルールを守ってアルコールとゴルフを楽しんでいる方までも飲めなくなってしまっているのです。
宜野座CCでは、「私は車を運転します」と書かれたワッペンを運転者全員につけてもらったり、琉球GCでも運転代行業者と契約し、料金の一部を肩代わりするなど、ゴルフ場も様々な対策を練っています。
楽しむためのゴルフが、ルールを守らない人たちのせいで崩れてしまっているのは非常に残念です。
大人としての責任をしっかりと考えるようにしてほしいものです。
ゴルフ場でアルコールを摂りすぎて宴会に
ゴルフコンペなどは、知った人も多く集まり、テンションが上がるのは分かります。
ランチ休憩で仲間と一緒になって乾杯を続けているうちに、いつのまにか宴会状態になっているという光景をたまに目にします。
自分たちは楽しいかもしれませんが、まわりはどうでしょう。
アルコールが入ると気も大きくなり、無意識に声も大きくなってしまいやすいです。
それで周りを不愉快にさせてしまうのは、ゴルフで最もダメなことかもしれません。
また、酔ってしまうと感情のコントロールも難しくなります。
ミスショットにいつも以上に腹を立てたり、キャディさんに立ち悪く絡んだりと言ったことも起こります。
だからといってゴルフ場でアルコールを摂ることが悪いことだとは言いません。
しかし摂りすぎて周りに迷惑をかけてしまう行為は絶対に避けるようにしましょう。
ゴルフの鉄則は、「みんなが気持ちよく、楽しくゴルフをプレーできること」。
それはラウンド中に限らず、クラブハウスでも含まれるのです。
どんなにアルコールに強い方でも、最低ビール1杯程度がスポーツをするうえで妥当な量ではないでしょうか。
最近ゴルフ場でバカ売れなのがノンアルコールビール
最近はゴルフ場のアルコール事情にも変化が訪れています。
アルコールを置かなくなったゴルフ場に登場したのが、「ノンアルコールビール」です。
飲酒運転でのカート事故を防ぐことを目的に売店に酒類を置かなくなったゴルフ場で、気分だけでも味わえるノンアルコールビールが人気なのです。
アルコールの消費量が下がったことを受け、悩んでいたゴルフ場もノンアルコールビールの登場で、消費量が引きあがり大喜びしているようです。
飲酒による迷惑行為も減り、カート事故の心配もなくなり、社会問題になっていたゴルフ場から飲酒運転の問題もクリアにするまさに救世主が現れたのです。
また飲んだことがある方なら分かると思うのですが、飲んだ感じはビールとあまり差がありません。
しかしアルコールが入っていないので、不思議と量は飲めません。
年々乗用カートのセルフプレーが増えている現状から、ハーフのランチ休憩のレストランやコース売店での消費も、今後さらに拡大することは間違いないでしょう。
ゴルフに限らずアルコール管理は自分で
「ゴルフ中のアルコール反対!」のように書いてきましたが、決して反対なわけではないのです。
暑い夏に飲みたくなる気持ちも分かりますし、ゴルフ旅行で開放感溢れているというのもよく分かります。
ルールやマナーを考慮した上であれば、何の問題もないと思います。
1泊2日のゴルフ旅行なのでその日の運転がない人、電車やタクシー、誰かに同乗してゴルフ場へ来た人などゴルフの後に運転する必要がなければルールを守れるはずです。
そして自分を失うほど飲まず、後半ゴルフにならないくらいに飲まなければマナー違反にもなりません。
アルコールに関しては、ゴルフだけでなく何においても、自己管理と自己責任です。
飲酒できるということは、もちろん成人した大人でしょうから、理解できるはずです。
ランチの1杯を楽しみにしている、ルールやマナーをきちんと守れる大人たちが、できない大人たちのせいで迷惑しています。
また最近はゴルフ界がジュニア育成に力を入れていることもあって、ゴルフ場に来るジュニアも増えています。
大人として見本になるように心がけましょう。
時代の流れについていかねばならないようです
アルコールについてだけでなく、「昔はこうだったのに…」とついつい嘆きたくなるようなことは増えてきています。
アルコールに関してゴルフ場でいろいろ言われることもありませんでした。
しかしそこはやはり時代の流れですよね。
飲酒運転での問題が多発したり、飲みすぎてキャディさんや他のお客さんに迷惑をかけたりと長年の問題や苦情が表面化してきたのでしょう。
嘆きたくなる気持ちも分からないでもないのですが、ルールはルールなのでそこはしっかりと理解しましょう。