昔はリシャフトする場合は大変な作業でした。
お店に頼めば工賃だけで3,000~4,000円くらいになります。
しかし2009年頃からドライバーのシャフト先端にスリーブが付いている、着脱式で調整機能が付いた可変式モデルが出てきたのです。
近年ではドライバーだけでなくフェアウェイウッドでも可変スリーブが付いています。
容易になってきたリシャフト、失敗しないように取り付け方を覚えておきましょう!
基本的なシャフトの取り付け方
リシャフトする時にはまずシャフトをヘッドから抜かなければいけません。
ソケットをヒートガン等で温めて柔かくし、シャフトを傷つけないようにカッターなどでソケットを切り取ります。
次に、ヘッドのホーゼル部分を熱して接着剤を柔かくしてヘッドを抜きやすくしてから、シャフト抜き機で少しずつヘッドを抜く流れです。
ここまでが結構神経を使う作業になります。
抜いたシャフトは使わないのであれば問題ありませんが、ヘッドが焦げたり、ヘッド内部で音が鳴ったりする可能性があるからです。
ホーゼル内をキレイにし、シャフト先端の塗装を剥がします。
そして、ソケットを打ちこみ、ヘッドにシャフトスリーブを挿し込み接着剤でヘッドを固定します。
硬化後、最後にグリップを取り付けて完成です。
高いシャフトを購入すれば取り付け工賃も無料にしてくれたりしますが、そうでなければ、シャフト代だけでなく高額な工賃も必要となります。
もちろん自分で付け方を覚えリシャフトをしている人もいますが、それにはかなりの経験や技術を必要とします。
ゴルフクラブとはシャフト一つにしても決して安いものではないので失敗は許されません。
シャフトを接着剤で固定するので、失敗したり、気に入らなかったりしても簡単にやり直しできません。
リシャフトで良い結果が得られる確率と、それに必要なコストを考えるとかなりリスクの高いことだと言えるでしょう。
スリーブ付きシャフトの取り付け方
可変式クラブとは、ヘッドとシャフトを分解し、ロフト角やライ角を変えて弾道の高さやボールの捕まりを変えること(自分のスイングに合わせること)ができるものです。
そこで爆発的な人気となったのがテーラーメイドです。
専用スリーブのついたシャフトで8通りのロフト角やライ角、フェース角に変えられる画期的な機能が付いています。
あまりにも取り付け方が簡単過ぎて、打ったときに外れるのでは!?という心配が最初はありました。
でも大丈夫です。
専用のトルクレンチを使い、「カチッ」という音が鳴れば絶対に外れることはありません。
これは全メーカーで締めすぎ防止のためにこの機能を採用しています。
なぜなら不安な気持ちがいつまでもネジを回してしまうからです。
「カチっ」と音が鳴ると、それ以降は空回りするようになっているので安心してください!
またここでも注意して欲しいのが、トルクレンチを別のメーカーや別のモデルのものは使用しないということ。
なぜなら締めすぎ防止の機能の強さがそれぞれ違うからです。
簡単にできるからこそ、注意力が減ってしまいます。
万が一があったら、買い替えになってしまうので気をつけましょう!
可変式スリーブ付きのシャフトの取り付け方によって起きる変化
スリーブには基本的にシャフトの軸に対して傾きが付いています。
その傾きがヘッドの角度変化として現れます。
ドライバーのヘッドの向きは、自身のスイングタイプによってアドレスした時の構えやすさを大きく左右します。
普通にグリップした時に、1度上に傾いたスリーブが取り付けられると、逆さまにすると1度下に傾き、これがライ角マイナス1度となるのです。
少し複雑ですが、グリップを時計回りに90度回すと、右に1度傾き、ロフト角マイナス0.5度、フェース角マイナス0.5度、ライ角マイナス0.5度となるのです。
こういった可変式スリーブの傾きが付け方によってヘッドのあらゆる角度の変化となるのです。
細かいようですが、自身の球筋を理解している人にはとても大事なことです。
また最初は分からなくても、ドライバー購入時に、ロフト角・ライ角・フェース角を自身のスイングによってクラフトマンが選んでくれるはずです。
自分のスイングの成長に合わせてこの3つを変えることができるというのがいかに画期的か分かるでしょう。
しかしメーカーによっては3つ全てを変えれない場合もあります。
実際は数値変化しているのでしょうが、メーカーがクラブに対してその変化を求めていないということなのです。
シャフトとスリーブの購入時の注意
最近主流になりつつある、シャフトの先端にスリーブが付いている調整機能が付いた可変式モデル。
とても便利にはなりましたが、スリーブはメーカーだけでなくモデルによっても形が違うので、同じスリーブを使っているシャフトでないと装着できないという問題があります。
ですから購入時に気をつけなければならないのが、スリーブのタイプです。
付け方に関しては、基本どこも同じで専用レンチで締めるだけのルールです。
ご自身で簡単にリシャフトできるのは、同じタイプのスリーブが付いたシャフトに限られてしまうことだけは注意してください。
同じメーカーのドライバーだけでも、数種類あったりします。
同じシリーズだからといっても、一つ年代がずれるだけで取り付け不可ということはザラなのです。
スリーブ付きドライバーのリシャフトをする時は、必ずスリーブの互換性を確認してください。
とくに最近多いネットショッピングでは失敗するリスクが高くなります。
安価なものではないので十分に気をつけるようにしましょう!
可変式スリーブ付きシャフトの完全オリジナル化
定番のスペック以外に、シャフトの硬さや重さ、ロフト角やグリップといったように、クラブにおける様々の要素を指定して可変式スリーブ付きの完全オリジナルクラブを作ることができます。
最初に指定すれば、ロゴ向きを指定したスリーブの付け方も可能です。
そういったメーカーカスタムでは、完全オリジナルと言っても、もちろんメーカーによって選べる種類は様々です。
シャフトメーカーが作っていても、メーカーカスタム対象外というフレックスや重量もあります。
そういったものは、そこまで需要がないスペックであることが多いのは確かです。
ただカスタムを好む人はそこらへんが大事だと思うので、取扱いシャフトメーカーで作っているものは全て対象にして欲しいところです。
またメーカーカスタムできるシャフトメーカーも大手有名メーカーだけです。
今後は変わってくるかもしれませんが、価格や技術などいろいろな面で大手でないと無理なのかもしれません。
メーカーカスタムができるシャフトメーカーは、
・フジクラシャフト
・グラファイトデザイン
・三菱レイヨン
・シャフトラボ
の4つくらいです。
この他に小さくても素晴らしいシャフトのメーカーはたくさんあります。
ぜひメーカーカスタムで可変式スリーブを付けられるようにがんばって欲しいです!
あきらめないで!好きなシャフトで可変式スリーブを
大手メーカーしか参戦していないメーカーカスタム。
それでもやっぱり好きなメーカーのシャフトがある!という方もいるでしょう。
メーカーで対応してくれないからと諦めないで下さい!
まずは、スリーブを取り扱っているゴルフ工房を探しましょう。
メーカーはスリーブの単品販売はしていないようですが、世の中探せば見つかるものです。
ネット購入ができるようになった現代、海外からでも購入可能です。
新品のスリーブをゲットすれば、あとは信頼のおけるクラフトマンに任せればOKです。
クラフトマンであればスリーブにシャフトを付けるのなんて朝飯前でしょう。
付け方を知らないなんてことはありません。
ここで大事なのが「信頼のおけるクラフトマン」という点です。
大失敗では話になりませんからね。
これほどまでするのですから、クラブに相当な拘りを持ってのことでしょう。
故に、絶対に失敗は許されないということですよね。
実際手にしたら、がんばって手にしたクラブなので愛情を何倍にも感じるでしょう。
楽しみな可変式クラブの進化
最近では可変式クラブは珍しくなくなりました。
しかしまだ「ウッドに限り」ですよね。
まだまだ先にはなるでしょうが、これがアイアンやウェッジ、パターにも採用されてきたらどうなるかが楽しみですね。
クラブのオリジナル化が進んでいくと、ゴルファーの楽しみが増えるだけでなく、ゴルファーのレベルもどんどん上がっていくかもしれません。