ゴルフクラブにはバランスというスペックがあります。
バランスは長さ、重さ、重心などによって変化するものです。
男性用だとd0~d2が標準で設計されているゴルフクラブが多いです。
このバランスがd4だった場合、どんなメリット、デメリットがあるのかご存知ですか?
そこで今回はゴルフクラブのバランスについてお話ししていきます。
ゴルフクラブのバランスはどうやって決まる?
ゴルフクラブにはバランスというものが存在します。
皆さんも「c7、d4」等といった文字を目にしたことがあるのではないでしょうか。
その文字がバランスと呼ばれるもので、ゴルフクラブのヘッドの利き具合(スイング等の際にヘッドの重さをどれほど感じるか)を示す数値となります。
バランスが軽いゴルフクラブであれば、ヘッドの重さを感じにくく、反対にバランスが重いゴルフクラブほど重さを感じやすいのです。
ではこのバランスはどのようにして決まるものなのでしょうか。
これには「14インチバランス測定法」が一般的な測定方法です。
グリップエンドから14インチの場所を支点にしてヘッド側がどれだけ重いかを測定します。
ヘッド側が軽い方からa~eの5段階に分かれて、さらにそれぞれの軽い方から0~9の10段階に分かれて決定します。
ただ、勘違いしてほしくない事があります。
バランスというものはあくまでも「ヘッドの利き具合」の目安であり、「振りやすさ」の目安ではありません。
クラブの重さや長さが違えど、バランスが同じものが存在しますので、バランスが同じだからといって振りやすいと考えないようにしましょう。
ゴルフクラブのバランスがd4の場合のメリット
男性用ゴルフクラブの標準バランスがd0~d2なので、バランスがd4のクラブだと、標準バランスより重いクラブとなります。
ではバランスがd4だとどのようなメリットがあるでしょうか。
標準よりバランスが重くなっているため、ヘッドの重量感を感じやすくなっています。
ヘッド側が重くなっているため、インパクト時にクラブとボールの衝撃が強くなります。
そのため、バランスの軽いクラブと比べ、同じヘッドスピードの場合、飛距離アップが期待できるといえるでしょう。
しっかり振り切れるヘッドスピードがあるゴルファーの場合は、バランスを重く調整することが有効とも言えます。
また、バランスが重いクラブはスイングリズムがゆったりしているゴルファーに適しています。
ヘッドの重量感が重い分、バックスイングまでゆったりあげる場合、ヘッドがどこにあるのかを手元で感じやすくなります。
そのため、オーバースイングや軌道のズレを感じることができるでしょう。
ゴルフクラブのバランスがd4の場合のデメリット
一方で、ゴルフクラブのバランスがd4の場合にどのようなデメリットがあるでしょうか。
メリット側であったスイングテンポ、ゆったりのゴルファーとは逆にスイングテンポの速いゴルファーには、ヘッドの抵抗を感じやすい為動かしにくくなってしまいます。
また、インパクトでクラブとボールの衝撃が強くなる分、ダウンスイング時にヘッドの抵抗が強くなります。
そのためヘッドスピードが遅くなってしまい、速く振り切ることが困難になってきます。
ヘッドの抵抗が強くなるということは、その分スイング軌道のズレにもつながってきますので、ミート率の低下やダフリ、トップといったミスショットを発生させてしまう原因ともなるのです。
ヘッドスピードが比較的速いゴルファーであれば、クラブの抵抗をパワーで制御できると思いますので、バランスが重めなクラブは問題なく使えると思いますが、比較的遅めのゴルファーであるならばバランスの軽いクラブを選択したほうがスイングに大きなブレは発生しにくくなるでしょう。
d4のクラブを自分でバランス調整するならどうしたらいい?
このようにバランスで様々な影響があるゴルフクラブ、これを自分で調整することは可能なのでしょうか。
ここでは自分でできるバランス調整方法を紹介します。
まずは鉛を使った調整です。
鉛を貼る位置でバランスは変化します。
バランスを重くしたい場合はクラブヘッド側に鉛を貼ります。
逆にバランスを軽くしたい場合はグリップ側(グリップの先など)に鉛を貼ります。
最近ではシャフト側に貼る専用の鉛も販売されています。
ヘッド側を軽くするという方法もありますが、これは可変式ゴルフクラブに限られます。
次にグリップを変更する方法です。
最近では様々な重さのグリップがありますので、簡単に変更できます。
バランスを重くしたい場合はグリップを軽いものに変更することで、バランスは重くなります。
逆に軽くしたい場合はグリップを重いものに変更してください。
また、クラブの長さ調整でもバランスは変わります。
長くなると重く、短くなると軽くなります。
シャフト交換等が必要となってきますが、可変式ゴルフクラブをお持ちの場合はシャフトの長さの違うものを持っておくことも良いかもしれません。
d4のバランスを工房で調整してもらうといくら?
自分でゴルフクラブのバランスを調整するのは不安といった声もあると思います。
その場合は、ゴルフ工房で調整をしてもらいましょう。
鉛等のバランス調整は1本200~1,000円(貼り付けたり、シャフトの中に入れたりします)、グリップ交換は1本300~500円といった金額です。
そして自分では可変式ゴルフクラブを持っていなくては難しいシャフト交換は1本2,000~4,000円(別途シャフト代金が発生します)、シャフト伸ばしやシャフトカットは1本1,000~3,000円(スチールやカーボン、カット部分が先端、手元によって工賃は変化します)といった金額で調整してくれます。
工房で購入するものと持込でも多少変化することがありますので、詳細は問い合わせたほうが良いと思います。
いくつか調整の工賃を上げましたが、自分のクラブすべてを調整するには結構な金額となります。
そのため安易にバランス調整をして失敗してしまって、また元にも戻すといったことがないように、バランス調整をする際は工房のスタッフと相談をする等、慎重に行うことが必要です。
バランスにこだわるよりも総重量を気にしましょう!
ここまでバランスの説明を行ってきました。
確かにバランスもスコアアップ、ナイスショット率のアップには必要なことかもしれません。
ですがバランス調整よりも重視してほしい点があります。
それはゴルフクラブの総重量です。
はじめにも説明しましたが、バランスがあくまでもヘッドの利き具合であって、振りやすさではありません。
バリエーションが豊富になったゴルフクラブが発売されている現在では、総重量に違いがあっても同じバランスになっているものが多いのです。
ですので、振りやすさに違いが出てくることは当然のことなのです。
振りやすさは総重量が影響してくるともいえますので、まずはここから考えることが良いでしょう。
試打等を行って、自分にとって振りやすいクラブを見つけることが第一優先です。
その後、バランスが軽いと感じるならば鉛を貼ってみたりといったようにバランス調整を行えば、振りやすさを残したまま多少の変化をつけることができます。
まずは振りやすさを最優先にして、クラブ選択を!
ゴルフクラブには長さや、重さなどからバランスというものが存在すること、そのバランスを調整する方法を説明しました。
バランスも重要なものですが、やはりゴルファーにとって1番気にすることは「振りやすさ」だと思います。
ゴルフを続けていくことで、だんだんとレベルアップしていくと思います。
ですので、まずは1番振りやすいゴルフクラブを選択して、レベルアップに応じてバランスを調整していくことがより良い方法ではないかと思います。
このようにクラブ選びには様々な項目があります。
各メーカーがどのようなものなのか、比較しながら選ぶといった楽しみもありますので、ぜひ注目してみてください。