メンズアイアンやウェッジに昔から定番シャフトとして採用されているダイナミックゴールド。
スチールシャフトの代名詞ですよね。
このダイナミックゴールドシリーズは他のシャフトメーカーと違い、フレックスがs200やr300と数字をセットで表示します。
一体これなんの意味か知っていますか?
ダイナミックゴールドの歴史
ダイナミックゴールドと言えば、ゴルフをやられている男性の皆さんはご存じのはずです。
知らないわけないですよね。
すべてのゴルフクラブに挿さっているといってもいい定番シャフトですから。
女性にとっては重すぎて使えないので、興味がないかもしれませんね。
でもこのダイナミックゴールドがどうして定番と言われるのか、どんな歴史があるのか知っている方は限られるかもしれません。
好きな方は調べたことあると思いますけど。
ここでは、簡単にその歴史についてお話します。
ダイナミックゴールドを販売製造するのは、トゥルーテンパースポーツです。
日本ではトゥルーテンパースポーツインクジャパンです。
この会社、創業当時は農業用のフォークや鍬(くわ)を製造販売していたそうです。
スチールシャフトを開発し始めたのが、1923年ということですから、もうすぐ100年企業になるんですね。
今のスチールシャフトはステップといわれる段差があるものが多いですが、トゥルーテンパーが1928年に開発したものらしいです。
これがあると、強度が増し、均一に作れるようになるという画期的な技術でした。
でも最初はヒッコリー(クルミ科の木)シャフトが全盛で全く受け入れられずルール違反だったそうです。
しかし1930年にR&Aに認めてもらい、やっと日の目を見ることができたようでした。
そして、満を持して1942年に開発されたのが、ダイナミックゴールドの前身『ダイナミック』です。
これは、ステップはもちろんのこと、さらに強度が増し軽量化も図られたそうですが、何と言っても世界初のフレックス分類を取り入れたシャフトだということ。
自分は、中古ショップでダイナミックが挿さったクラブ見たことありますが、今とほとんど変わらなかった気がします。
このダイナミックを開発して以降、トゥルーテンパーはまさしくNo.1スチールシャフトメーカーになったのです。
もう70年以上前だというから驚きです。
その後、さらに人気を不動にしたダイナミックゴールドを発売し、s200やr300といった独自の分類も取り入れていったということでした。
ダイナミックゴールドのs200とr300は何が違う?
ダイナミックゴールドが発売されたのが、37年前だそうです。
このダイナミックゴールドから、さらに細分化され重さと硬さが選べるようになりました。
それが、rやsと合わせて200や300といった数字で表されます。
この数字をサブフレックスというそうです。
ではこの数字の意味するところは何なのでしょうか?
r、s、xはご存じだと思いますが、数字のほうはよく分かりません。
発売当初は100から500まであったそうですが、今は100から400しかありません。
現在のカタログを見てみると、
x100/s400/s300/s200/r400/r300/r200
と7種類あります。
そして重量はカット前重量とカット後重量というのがあります。
これで見比べると重さの違いはなんとなく分かりますが、その差が1~2gとわずかしかないのです。
でもハッキリ言えることはサブフレックス数字が大きいほうが、同じフレックスでは重いということ。
この差を感じ取れる方にとっては選択肢が増えますが、あまり気にしない方にとっては意味がないかもしれませんね。
しかし、硬さは確実に違いますからrやsといったフレックス選びは絶対必要ですね。
例えばs200はカット後118g、r300はカット後115gですから、硬さ違いの3g違いとなります。
ダイナミックゴールドの硬さの見分け方
ダイナミックゴールドのフレックスは、グリップから10cmほどにあるラベルの裏に記載されていますよね。
本当にあれだけで硬さを信用できると思いますか?
なんと信用してはいけないのです。
実の話、あのラベルは1枚で2つのフレックスに貼れるようにしてあるのです。
記憶が定かではないのですが、右から重ねるとs200、左から重ねるとs400になる。
またs300とx100といった感じです。
組み立て時に重ねるほうを間違えてしまったら、分からなくなってしまうのです。
本当の硬さはグリップの下に印字されているので、グリップを取れば分かりますが、想定以上に短くしてしまうと、その印字さえなくなってしまいます。
また、その印字もスチールウールで擦ったり、ダイアセトンなどで擦れば消えてしまうのです。
そうなるとどうしますか?
もうどうしようもないですよね。
でも硬さだけは何とか調べられます。
振動数を測れば、フレックスは何とか判断することができます。
メーカーは振動数の参考データをカタログに掲載しているからです。
またステップの位置や数もある程度判断基準になりますが、プロでないと難しいかもしれません。
ヘッドから第1ステップが近いと硬い、遠いと柔らかいのですが、あくまでテーパーシャフトの場合です。
テーパーシャフトとは、それぞれの番手用に長さを別々に作っているものです。
その他にパラレルシャフトというすべての番手を1種類の長さから使うタイプもあり、こちらは第1ステップがテーパー用より長いのです。
とくにテーラーメイドはパラレルを使っているモデルとそうでないモデルがありますから気をつけてください。
新品商品は大丈夫だと思いますが、中古クラブの場合は専門家にスペック計測してもらったほうがいいですよ。
ダイナミックゴールドはs200が定番になっている理由とは
どうしてダイナミックゴールドはs200が定番になっているのでしょうか?
その他のr300やs400といったものでもいい気がしますが。
これは私の個人的考えなのですが、まずヘッドスピードのない方にはカーボンシャフトがオススメになるでしょう。
一般的なカーボンは60g前後になるのでしょうか。
このカーボンにはrやsr、sといった選択肢があります。
そして、次に軽量スチールがあります。
ここにも定番があり、日本シャフトのNS950GHがあります。
こちらは100g弱でsとrがあります。
若い男性やまだ力のあるシニア、女性アスリートにはうってつけの重量帯です。
そうなると、あとターゲットとなるゴルファーは屈強なプロ・アスリートレベルの方です。
ごく限られた力のあり過ぎるゴルファーはそうそういません。
こういった方は特注で好きなフレックスで対応すれば十分です。
上記の対象者を除いた、一般的に力のあるゴルファーはある程度の需要が見込め、sフレックスが最適だということなのでしょう。
力があるのに、rは基本的に選びませんよね。
ではなぜs200なのか。
それは、ダイナミックゴールドのs300は欧米の定番フレックスだからかもしれません。
欧米より体格に劣る日本人は少し軽いs200のほうが合うのでしょう。
また、欧米との差別化という戦略も含まれているのでしょうか。
私個人としては、こういった理由でs200が定番フレックスになっていると思っています。
ダイナミックゴールドでr300が合うゴルファーとは
ではダイナミックゴールドで定番のs200ではなく、r300といったrフレックスが合うゴルファーはどんなタイプなのでしょうか。
まずオススメするタイプは、s200では重さは振りやすいがボールが上がりにくい、もしくはつかまりにくい方です。
フレックスが柔らかくなることでヘッドは返りやすく、ボールはつかまって上がります。ただあくまで同じスイングをした場合です。
次に、NS950GHではボールが上がり過ぎてしまうタイプ。
振動数で比べるとr300はNS950GHのsより少し柔らかいくらい。
振動数はグリップ側の硬さが影響しやすいため、元調子のシャフトは少なくなりがち。
そう考えると、NS950GHのsフレックスと比べて頼りないと感じることはありません。
ダイナミックゴールドの元調子と重さの効果で打ち出し角を抑えられるのです。
あとは、手が小さくs200が硬く握りにくいといったタイプ。
r300はバット径(グリップ側のシャフトの径)が580インチとs200の600インチより細いので、グリップを細くできます。
やはり、ゴルフクラブは何と言っても唯一の接点である、グリップサイズが合わないとすべてが狂います。
このようなタイプにはオススメできますが、現在はボールの上がりやすいダイナミックゴールドCPTやNSプロモーダス3といったシャフト選択もできますから迷ってしまいますね。
今はさらに軽量シリーズもあり選択肢は幅広い!
ダイナミックゴールドを製造販売するトゥルーテンパーからは、実に様々なシャフトが発売されています。
これも技術と素材の進歩のおかげなのでしょうね。
ですから、s200やr300といった単純なフレックス選びで迷うのではなく、トータルで弾道をどうしたいのか、重量フローをどうセッティングしたいのか、引いてはどういったプレースタイルになりたいかでシャフトを選択するべきです。
昔からダイナミックゴールドでゴルフを続けてきたけど、どうしても重さが辛くなってきたならダイナミックゴールドSLがありますし、もっとボールをつかまえて高く上げたいのならGS95辺りもオススメです。
昔あったGS75は残念ながら廃番になってしまいましたが、軽量スチールはダイナミックゴールドシリーズだけではありません。
プロジェクトXというプロの意見をフィードバックしたシャフトの軽量モデルXP95や見とれてしまいそうなほどキレイな青色のアロイブルーはぜひ使ってみていただきたいですね。
ダイナミックゴールドに親しんできた方は、他のシャフトに移行するのは難しいかもしれませんが、現状ミスが増えてきたり不満を抱くようになったのであればシャフトを変えるチャンスです。
上記で紹介したようなシャフトの試打クラブはそう滅多にあるとは思いませんが、探せば出てきます。
興味が湧いたら、電話やネットで探してみてくださいね。
ダイナミックゴールドが定番でなくなる日は来るのか?
ダイナミックゴールドは今後もずっと定番であり続けると思います。
もし定番でなくなる日がくるとしたら、それはゴルフ人気の衰退を意味するのかもしれませんね。
これから、ゴルフを始める若い方。
クラブ選びで迷ったらとりあえずダイナミックゴールドを選んでみてください。