今では使われなくなったゴルフクラブとしてパーシモン製ドライバーがあります。
ゴルフクラブの進化の歴史を辿ると面白いですよね。
ゴルフクラブに金属が使われるようになったのはいつからなのでしょうか?
もう今のゴルファーはパーシモンを知らない、打ったことがない方ばかりでしょう。
そこで今回はパーシモンについてお話ししていきたいと思います。
昔のゴルフクラブ。パーシモン製ドライバーとは。
パーシモンとは柿の木材のことです。
木材の中でも硬く重量のある素材です。
19世紀から現在のような金属製のクラブが出てくるまでの長い間、ゴルフクラブの主流として活躍していました。
現在もドライバーなどのことを「ウッド」と呼ぶのはその名残なのです。
日本でゴルフクラブは輸入品からスタートしました。
そんな中、国内でのゴルフの普及に伴い、国産のゴルフクラブが少しずつ登場するようになりました。
そこで登場したのが、現在も高級品のイメージが強い本間ゴルフです。
品質の高さと美しさ、仕上げの良さが評価され、パーシモンと言えば「本間ゴルフ」と多くのゴルファーに認知されるようになったのです。
その中でも一世を風靡したのが本間のパーシモン”hiro honma”です。
ひょっとしら両親や祖父母が昔のクラブを大切に取っていて家にあるかもしれないので聞いてみて下さい!
パーシモン製ドライバーで育ったツアープロも大変多いので、チタンヘッドが主流の現代でもその形状などが受け継がれています。
しかしウッドクラブから金属製ヘッドへ転換していく人が多く、90年代半ばにはパーシモンを使用する人はほとんどいなくなりました。
パーシモン製ドライバーは難しいの?
パーシモン製ドライバーだってしっかりと芯を捉えることが出来れば現在のチタンなどの合金製ヘッドに負けないくらいの飛距離が出ます。
でもヘッドが小さい分その芯を捉えるのが難しいのです。
現在売られているドライバーのヘッドは体積が460ccという大きさのヘッドが主流です。
女性用のゴルフクラブになるともう少し大きいものもあります。
パーシモン製のドライバーは今のクラブの2/3くらいで5wくらいのヘッドの大きさです。
シャフトも42インチくらいしかなく、現代のクラブシャフトのグリップ1個分ほど短いです。
またパーシモンは曲げて打つクラブです。
真っ直ぐ打てないとなると、真っ直ぐ打てない人には向いてるかもしれませんね。
いや、もっと曲がる可能性もあるかもしれません。
現代のドライバーに慣れている方がパーシモン製ドライバーを使うと難しく感じるでしょう。
木製と金属製なので、使い方にはアナログとデジタルくらいの差があります。
しかし使いこなせるようになれば現代のクラブと飛距離等大差はありません。
ただ、使いこなせるようになるのに少しばかり時間がかかるかもしれませんね。
古いゴルフクラブだけどパーシモン製ドライバーはまだ手に入る?
パーシモン製ドライバーは、90年代半ばに使う人がほとんどいなくなってしまったので、相当古いゴルフクラブになります。
残念ながら大手ゴルフショップ等では中古ショップでも置いているところはあまりないです。
しかし、小さなゴルフショップなら中古クラブ置き場にひっそりと置かれている可能性はあります。
需要が少ないので1,000~2,000円くらいで販売されています。
でも古いから傷だらけで使えないでしょ!と思っていませんか?
パーシモンの良いところはオーバーホールが可能であることです。
ボロボロのクラブを塗りなおし、糸を巻きなおし、上手くいけば新品同様にまで生まれ変わることができます。
新品は生産されていませんが、実は現在も本間ゴルフの山形県酒田市にある工場にはパーシモン製ドライバーの修理依頼がたくさん来ています。
新しいのが欲しい!という方がいたら、Louisville Golfというゴルフクラブメーカーで今もパーシモン製ドライバーを製造しています。
故に、新品のパーシモン製ドライバーを手に入れることができるのです。
現在パーシモン風のドライバーが探すと見つかるかも!
現代版パーシモン風ドライバーがあります。
時代に逆らい過ぎな感じがするかもしれませんが、好きな人は好きなのです。
ツアーエッジというメーカーの「A GRIND CLASSIC DRIVER」です。
ヘッド体積が350ccです。
形状もパーシモンを意識しているかのようなデザインになっています。
しかしあくまでも「パーシモン風」なのでパーシモンで作られているわけではありません。
また老舗ブランドクリーブランドが「クリーブランド Classic 270(290/310)」です。
前者よりもパーシモン風なのに驚くでしょう。
こげ茶色の木調ヘッド、金属補強を真似する小粋な感じもあります。
また表記される文字にまでこだわりがあって、クラシカルな書体になっています。
ゴルフバックに入っていたら、パーシモンと勘違いされるかもしれません。
しかし残念なことにヘッドは大きいです。
パーシモン風なのでデザインがパーシモンに近いということですね。
もちろんどちらも「パーシモン風」なので実際に使っていた方にはかなり物足りない感じではあるでしょう。
ゴルフクラブの中で一番進化したのはドライバー
ドライバーの進化は著しく伸びています。
パーシモン製ドライバーはヘッドは木製で小さく、シャフトはスチールでした。
その当時、アマチュアのドライバーの飛距離は200ヤード前後でした。
その後ばんばん進化して、ヘッド素材は金属素材に変わり、現在では比重の軽いチタンが主流になっています。
しかも、ヘッドの大きさは昔より2倍以上も大きくなって460㏄がスタンダードになっています。
これだけ進化したドライバーのおかげでアマチュアの飛距離も伸び、今では230ヤード以上飛ばす人も多いです。
また、ミスショットしにくい設計にもなっています。
パーシモンで芯に当たらなければ少なくとも20ヤードは曲がっていましたが、現代のドライバーでは芯に当たらなくても曲がりは少ないです。
パーシモンだったらOBになっていたショットも今ならナイスショットになり得るのです。
実はアイアンの進化は、重心の高さは昔より変わったのですが10年ほどほとんど進化していません。
ただバリエーションはかなり増えました。
今のゴルフクラブはとにかく優しいはずです!
昔と今とではヘッド素材が変わりました。
ヘッドも2倍ほど大きくなりました。
ドライバー、アイアンともにヘッドが大きくなったことで重心距離が最大14ミリも伸びています。
また、ヘッドが大きくなったことでヘッドの慣性モーメントの数値もすごくアップしています。
数字で表すと、パーシモン製ドライバーの慣性モーメントは、2,000gcm²以下です。
そしてチタンヘッドの慣性モーメントは、4,000gcm²以上です。
故に、現代の慣性モーメントの数値は2倍以上です。
このおかげで芯を外して打った時、ヘッドがぶれにくくなり、飛距離をロスすることもなく、方向性や安定性が格段に良くなっています。
あまりにも易しくなりすぎているので、今ではルールで慣性モーメントの最大限数値が5,900gcm²以内と定められています。
要するに、現代のゴルフクラブは慣性モーメントが大きくなってやさしくなりました。
ドライバーに関しては特にやさしくなりました。
そして、パーシモン製ヘッドに比べると、チタンドライバーはフェースの反発がアップし、それが更にやさしく飛ばせるようになっているのです。
このフェースの反発も規制ができました。
規制がなかったらゴルフはやさしくなり過ぎて、面白さ半減かもしれませんね。
使い比べて実感と改善を味わってみよう!
昔は当たり前に使っていたパーシモン製ドライバーですが、今では難しいと言われるようになりました。
難しいクラブを使いこなせるようになると現代のやさしいクラブをさらに使いこなせるようになるかもしれません。
特に芯に当てる練習にはもってこいです。
小さなヘッドで芯に当てられるようになれば、大きなヘッドの芯に当てるのは更に簡単に感じるでしょう。
中古ショップで見かけたら練習用に1本買ってみてはどうでしょう。
パーシモン製ドライバーで練習した後に自分のドライバーを使ったら、いかに現代のドライバーがやさしくなったかを実感できるでしょう。
いままで悩んでいた飛距離、曲がりなどが改善できるかもしれません。