誤所からのプレーを防ぐウォーターハザードとラテラルの違い

ルール上から見ると、コース内には2種類の池があります。
名称はウォーターハザードとラテラルウォーターハザードですが、それぞれの違いが分かりにくいようです。

これらの違いをしっかり覚えておくと「池ポチャ」をスムーズに処理することができるはずです。

そこでウォーターハザードについて確認していきます。

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名前の違いだけ?ウォーターハザードとラテラル

ゴルフコースの中にある池のことをハザード、もしくはウォーターハザードと呼んでいると思います。

ゴルフにおけるハザードは「危険区域」と解釈されるので、池の外にバンカーも同じようにハザードに分類されます。
たた実際にバンカーを「ハザード」と呼ぶことはないので、あくまでもルール上のことだと思っていた方がいいでしょう。

ここでは池のハザードについて考えていきます。
まずは、コース内の池には2種類のハザードがあります。

1つ目は「ウォーターハザード」です。
ウォーターハザードは、ゼネラルルールで決められた表示があり、黄色の杭もしくは黄色の線で境界線を示しています。
もし、なんの表示もなければ、ウォーターハザードとして処理します。

2つ目は「ラテラルウォーターハザード」です。
こちらもゼネラルルールで決められた表示があり、赤杭もしくは赤線で境界線を表します。

どちらも池の境界線を表す杭や線は池の中にあります。
ですからオン・ザ・ラインは池の中と裁定することになります。

では、そのウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの違いについて見ていきます。

ウォーターハザードとラテラルの違いはドロップ位置

一般的にウォーターハザードは、コース内を横切る小さい川やティーグラウンド前の池などが多く、ピンとボールが境界線を入った侵入口とを結んだ後方線上にドロップできる池です。

一方でラテラルウォーターハザードは、コースサイドある巨大な池やグリーン後ろを囲むような大きな池などが多く、後方線上に行くことができない、もしくはそこまで行くとプレーの遅延になるような池です。

つまりウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの違いは、ドロップする位置が違うと言うことになります。

ちなみにルール上でみると、ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードに入ると1罰打、ティーショットが池に入った場合には、ドロップしたボールは3打目ということになります。

ウォーターハザードのドロップ位置は2つです。

1つ目は、元の位置から打ち直しです。
ショートホールなどで、前面にウォーターハザードがある場合には、この打ち直しのパターンが多いようです。

2つ目は、池に入った侵入口と旗竿の位置を結んだ後方線上です。
間違いやすいのは、ボールが水面から見えるため、その位置と旗竿を結び後方線上にすることがありますが、あくまでも侵入口が基点になります。
また後方線はどこまで下がっても問題ないので、例え隣のホールのフェアウェイでもドロップは可能となります。

ウォーターハザードとラテラルはハザード内から打てる

ラテラルウォーターハザードのドロップ位置はウォーターハザードと違い3つあります。

1つ目は、ウォーターハザードと同じ打ち直しです。
2つ目も、池に入った侵入口と旗竿の位置を結んだ後方線上です。

3つ目がラテラルウォーターハザードだけのルールです。
池に入った侵入口から2クラブ・レングス内にドロップした地点です。
ただし3つ目のドロップ位置は、侵入口よりも「ピンに近寄らない」ことが条件となります。

ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードは、池に入っていても打つことは可能です。
ゴルフの基本はノータッチですから、池に入っていても打てるようであれば、そのまま打っても構いません。
水面から落下していなくて、杭と水面の間でボールが止まっていることは良くあることです。
その場合には、バンカーと同じようにクラブをソールしなければ打つことができます。

ローカルルールから見たウォーターハザードとラテラルの違い

ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの杭は抜いて打ってもOKです。
同じように表示されている白杭は、抜くことはできませんが、黄杭や赤杭はスイングに支障があれば抜くことができます。

杭の近くでボールが止まったときに、その杭は「動かせる障害物」なので抜いてショットすることができます。
ただし、一般的な杭は全長の2/3が地表、残りの1/3は土の中に埋めています。
水面が上昇したときに杭が抜けて流れていかないように、しっかり挿し込んでいて、簡単に抜けない場合もあります。

ちなみにウォーターハザードは進行のために「プレーイング3」などのローカルルールが設けられていることがあります。
池に入ったときに、すべてのプレイヤーは指定された区域から打つことになります。

プロのトーナメントでもドロップゾーンを設置していることはありますが、あくまでもプレイヤーが選択できるわけです。
ところが一般のゴルフコースでは、ローカルルールで定めていることから、選択することができず、前進3打が義務づけられています。

原則は、ローカルルールはセネラルルールよりも上位のルールなので、コースの定めたローカルルール通りにプレーをしなくてはいけません。
一方で、ゼネラルルールの裁定集では、プレーイング3のようなプレーはハンディキャップを算定する上で「正規のラウンドと認めない」と明確に設定の間違いを指摘しています。

つまりプレーイン3が設定されていても、ローカルルールズに従うとハンディキャップを算定するときのスコアに採用されないわけです。
となれば、コースが設定するローカルールの優先性とゼネラルルールが設定する正規のラウンドには齟齬(そご)が生じることになり、クラブハンディキャップを求めるプレイヤーにとっては悩ましい問題となっています。

ウォーターハザードとラテラルは時代が造り上げたもの

ちなみに以前は、一流コースと言われるところに『プレーイング……』という、進行上のローカルルールはありませんでした。

コース内でプレイヤーが溢れるほどいて、進行状況を心配するようになったのは第2次ゴルフブームが始まったころからです。

昭和30年代後半の第1次ゴルフブームのころは、40歳くらいでゴルフを始める人は稀で、いわゆる部長クラス・社長クラスになれば……と始めたものですが、でもサラリーマンは55歳が定年の時代でしたから、お金がかかるゴルフを楽しめるプレイヤー人口は、現在と比較すると少なかったと思います。

昭和40年代後半の第2次ゴルフブームには「列島改造」の名の下に、山の中までゴルフコースが造成されます。
無理なコースレイアウトを設計することになり、不測の池を配置することになったのでしょう。
水源確保やゴルフ場内で使用した水を下流に流さないための貯水池を造ったことで、ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードが防水池としてコース内で増えることになりました。

その後、ゴルファーの技量が向上したこともあって、ウォーターハザードは戦略的に配置されるようになります。

この頃になると昔と違い日本人プレイヤーも海外コースを見る機会が多くなり、設計士のピート・ダイに代表される大きな池が人気を博し、日本のコースでも取り入れるようになります。これが大きな池ラテラルウォーターハザードは、「池は横に出す」ことが定着する要因になったようです。

ウォーターハザードとラテラルの違いが判らず誤所から…

そもそもウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの違いはドロップ位置です。
ラテラルとは「平行」という意味ですから、池の横に出して打つことに違和感がなかったのでしょう。
もちろんルール上でも、ピンと等距離(近づかず)で2クラブ・レングス以内にドロップと定められているので、横に出すことは間違いではありません。

ところが多くのプレイヤーは、池の中のボールを見つけて、そこから横にドロップしています。
もちろんその場所から打つと「誤所からのプレー」で、ルール上正しいのは池の境界杭(線)を横切った場所から横にドロップです。

ところが「池のボールを横に出す」イメージが強くなり、いつしかプライベートルールが横行してしまうことになります。
しかも、横に出せるのはラテラルだけなのに、ウォーターハザードでも同じルールを適用している人もいるようです。

違いが分かり難いハザードのルールですが、再確認しておくと良いと思います。

キャディがウォーターハザードとラテラル違いを指摘する

ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの違いが分からずに、どちらも同じ処理をしているプレイヤーがいる原因のひとつは、キャディ付きのゴルフをしていないことかもしれません。

プレイヤーの処理方法に違いがあれば、当然キャディは指摘してくれて、正規の処理方法を覚えることができるはずです。

気楽なセルフも良いですが、たまにはキャディ付きでチェックしてみるのも良いかもしれませんね。