ユーティリティがなかなかうまく打てないゴルファーはスイングが問題ではないかもしれません。
万能なクラブであるがゆえ、打ち方とボール位置の関係が正しくないとうまくいかないのがユーティリティです。
今回は、ユーティリティ上達に繋がる打ち方とボール位置の関係について話をします。
ユーティリティの役割と特徴
まず、ユーティリティの基本的なところをまとめます。
ユーティリティは、いろいろな活用方法がありますが、一般的なユーティリティの役割を押さえておきましょう。
まず、ユーティリティの登場の背景は、苦手なクラブの代替えという点です。
例えばフェアウェイウッドの場合、番手が下がるとヘッドが小さいのに、ヘッドが走るため扱いが難しい場合です。
そのため現状では、7番や9番のフェアウェイウッドを使うより、ユーティリティに頼るゴルファーが多いです。
またアイアンの場合、打ち方が悪いわけではなく、ロングアイアンになるとヘッドスピードが足りず、ボールが上がらないといった問題が出てきます。
そのため3番、4番アイアンは使わず、ユーティリティを使うことが多くなっています。
もうひとつの観点は、飛距離の穴埋めです。
扱えるフェアウェイウッドとアイアンの飛距離の差が広い場合、クラブ間の飛距離の間隔が空きすぎてしまいます。
それを埋めるために、ユーティリティを活用します。
このように、ユーティリティはフェアウェイウッドとアイアンの中間に位置し、どちらの役割も果たせる万能クラブなのです。
次は、万能クラブであるユーティリティを扱うために知っておくべき、打ち方とボール位置関係の基本を話します。
打ち方とボール位置の関係
ユーティリティに限らずすべてのクラブは、その長さとヘッドの返り、どんな打ち方でインパクトするかによって、ボール位置が変わることを理解する必要があります。
基本的に短いクラブは体の中心、長くなれば左(飛球線方向)へ動かすと教わると思います。
イメージとして間違いではありませんが、もう少し詳しくその関係を理解しましょう。
《レベルブロー》
レベルブローは、フェアウェイウッド、ユーティリティ、ロングアイアンで必要になる打ち方です。
イメージは、スイングの最下点でインパクトを向かえます。
《アッパーブロー》
アッパーブローは、ドライバー、フェアウェイウッドで必要になる打ち方です。
基本的には、ティーアップしてボールが地面より高い位置にあるとき、スイングの最下点を通過した後にインパクトを向かえます。
《ダウンブロー》
ダウンブローは、アイアンで必要になる打ち方です。
スイングの最下点を通過する前にインパクトを向かえるため、上から叩くイメージです。
こうした打ち方の違いを並べてみると、正しいインパクトを向かえるには、スイング軌道のどの過程にボール位置があるべきなのかが分かります。
一番の理想は、正しいボール位置が決まり、スイングの最中に正しく当たることです。
ユーティリティに求めることと打ち方
では、ユーティリティに自分が求めることに何があるのか、もう少し詳しく考えます。
飛距離の穴埋めという観点は、適正な番手を選べば解消できる課題です。
ここでは、なぜフェアウェイウッドやロングアイアンではなく、ユーティリティにするのかという点を見ていきます。
ユーティリティといってもウッド型とアイアン型の2種類があります。
その目的によって、選択する形も変わりますし、打ち方によっても変わってきます。
ユーティリティを使うゴルファーの具体的な理由をいくつか紹介します。
《ユーティリティを使う際にクラブに求めること》
・ボールをもっと楽に上げて飛ばしたい
ウッド型がおすすめですが、レベルブローで打つ必要があります。
・フェアウェイウッドより強い弾道でボールを飛ばしたい
アイアン型がおすすめですが、ダウンブローに打つ必要があります。
・ロングアイアンよりもミスの許容性を高めたい
ウッド型は重心深度が深く、ミスの許容性という意味ではおすすめです。
ただ普段からダウンブローのスイングイメージが強いゴルファーは、アイアン型のほうが向いています。
形状によってボール位置を変える必要があることに気づくと、本質が見えてきます。
打ち方のイメージでユーティリティの形を選ぶ
ここで、ユーティリティの形を選ぶときのひとつの提案をします。
前項のようにユーティリティに求めることから形を選ぶのもひとつの方法ですが、自分の打ち方やスイングやイメージを基準に選ぶ方法もあります。
そのほうがユーティリティも扱いやすく、自分がフェアウェイウッドやロングアイアンに抱える課題も解決するのではないでしょうか。
ここでは、レベルブロー、ダウンブローどちらのスイングイメージがしやすいかで考えてみます。
《レベルブローのスイングイメージがしやすい人》
ウッド型のユーティリティが向いていると考えて良いでしょう。
レベルブローのスイングイメージが強いゴルファーはボールを横からインパクトするスイングが作りやすいです。
また、ボール位置をスイングの最下点、もしくはそれより左においてスイングしやすいゴルファーもウッド型が向いています。
《ダウンブローのスイングイメージがしやすい人》
アイアンの延長性上でスイングしたい、ダウンブローのイメージが強いゴルファーはアイアン型にすることを検討しましょう。
アイアン型のユーティリティは難しいイメージがあるようですが、ダウンブローで打ちたいゴルファーには向いています。
なぜならロングアイアンに比べ、重心深度が深いためボールが上がりやすく、スイートエリアも広いため、アイアンの延長線上の打ち方で十分扱えるでしょう。
ユーティリティの上達はボール位置で大きく変わる
これまで、ユーティリティについていろいろ話をしてきました。
うまくいかない理由に、クラブが合っていないこともありますが、ユーティリティの場合、ボール位置が間違っている人が多くいます。
ウッド型、アイアン型でスイングイメージをお伝えしましたが、ユーティリティは万能クラブであるため、実際はどのような打ち方でも対応がある程度できます。
ただ意外にアマチュアで多いミスが、ボールを左側に置きすぎてしまうことです。
左に置きすぎていると極端なアッパー軌道によるトップ、クラブが届かないと思い右肩が突っ込むなどのミスが発生しやくすくなり、うまくボールが上がらなくなります。
ユーティリティをレベルブローで打つ場合、最下点からボール1~1.5個分くらい左側にボール位置が来ていればインパクトしやすいです。
まずはミドルアイアンと同じ位置から試してみましょう。
またダウンブローに打つイメージが強いゴルファーでも、ユーティリティは左側にボールを置いたほうが良いと考えている人が多いかもしれません。
ダウンブローで打つということは、最下点、もしくはやや手前でインパクトを向かえます。
そのため固定観念にとらわれず、もう少し右側(体の中心よりは左)にボールをずらしましょう。
ボール位置を見直すだけで意外とユーティリティは当たってくれますので試してみてください。
ボール位置をあえて変えて練習をすると役に立つ
アマチュアが、ユーティリティに限らず、すべてのクラブっがうまく打てない理由のひとつにボール位置があります。
特にその傾向が出やすいのがユーティリティなのですが、他のクラブの打ち方で悩んでいる場合も活用できます。
アマチュアは、どうしてもボールを打ちに行く傾向が強くあるようです。
そのため、体の軸がずれボールに正しく当たらないことに繋がります。
ここで理想とされるボール位置に合わせるのではなく、体の軸を保てる位置にボールを置く練習をしましょう。
またスイングの最下点をイメージした練習をしましょう。
どの様なクラブでも、スイングの最下点は体の中心になると考えてください。
あとは、クラブヘッドが最下点を通過して、どのくらいでスクエアに戻るかを考えボール位置を決める練習をします。
そしてインパクトをイメージするのではなく、スイングの最下点をしっかりと見ながらスイングしていく練習をしてください。
そうすることで、ボールに対する突っ込みを解消できるだけでなく、体の余計な開きも抑えられ、ヘッドスピードも上がるでしょう。
特にロフトが立っているクラブ(ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、ロングアイアン)はこの点をイメージして練習すると、インパクトのポイントが理解しやすいです。
ボールを打ちにいくのではなく、スイングの軌道の中でボールへ適切に勝手に当たるほうが再現性が高く、スイングが安定すると考えましょう。
ユーティリティの上達はボール位置で決まる
ユーティリティは、ボール位置を間違えてしまえば結果が大きく変わってきます。
これは、すべてのクラブにとっても通用することです。
各クラブでボール位置を重視した練習をすることで、ユーティリティも一気に上達することでしょう。