ゴルフスイングのセオリーは「左手主導」と言われていますが、現在は両手で打つのが主流となっています。
特にトップで右手首が甲側に折れる形を作れるかが、スイングの成否を握っているとも言われています。
そこで右手首によるヒンジの使い方と効果について紹介します。
ゴルフスイングで重要な右手首を甲側に折るヒンジとは
ゴルフスイング語るときに「左手主導」と聞いたことはありませんか?
人によって違いはありますが、左手主導のスイングが良いと考えられていたのは、ヒッコリー(木製)のヘッドでスチールシャフトの時代のことです。
現在のスイング理論は「両手で打つ」なので、左手だけではなく右手も同じくらい重要になってきます。
一般的に左手が方向性、右手がパワーと言われていて、強いインパクトをするのであれば右手の力が必要になると考えられています。
しかしその「右手の力」とは腕力のことではなく、手の使い方のことを言っています。
筋肉モリモリの男性と小柄な女子プロの飛距離を比べて、必ずしもモリモリが飛ぶとは言えません。
右手を上手に使える女子プロのほうが飛距離で勝ることは良くあることです。
この右手を上手に使うポイントは、トップで右手首が甲側に折れていることなのです。
右手首が甲側に折れているその形をヒンジと呼び、左手首のコックとともに、ヘッドスピードを上げるための重要な動作となります。
ゴルフで右手首を甲側に折るのは左手首をフラットにするため
トップの位置で右手首が甲側に折れることが、両手打ちに繋がって飛距離アップになることを説明します。
まずはヒンジについてです。
ヒンジとはドアを繋ぎとめて開閉する蝶番のことです。
ゴルフクラブを構えた状態の右手首はほぼフラットですが、トップでは右手首が甲側に90度折れています。
この動きと形を的確に表現したのがヒンジという名詞だったわけです。
ではなぜ右手首を甲側に折らなければならないかですが、これは左手首の角度が関係してきます。
左手首はトップでもアドレスと同じようにフラットな状態を保たなくてはいけません。
そのために右手首を甲側に折る必要があるのです。
「出前持ちの格好」と言われるように、右手は右耳の横で右手首から肘までをまっすぐに立てた状態にします。
それが正しいトップの形なので、そうするためには左手首はフラットに、右手首は甲側に折らなければなりません。
つまり右手を甲側に折る理由は、左手のコックを固めるためなのです。
右手首を甲側に折るとコックが固まるゴルフスイングができる
左手のコックとは、左手をまっすぐに突き出して親指を立てたとき、腕と親指が直角を作ることです。
コックによってヘッドスピードは加速させることができ、飛距離アップには必要不可欠の形となります。
そしてこのコックをトップで支えるのが、右手首を甲側に折るヒンジなのです。
コックを意識しないでゴルフスイングをすると、腕を振るスピードだけでヘッドは動くことになります。
ところがコックが使えれば、ゴルフスイング中にヘッドスピードを加速させることができます。
トップでコックができていて、その形を崩さずに身体の正面までグリップを下ろしてくると、シャフトは飛球線と平行になっているはずです。
これではボールをインパクトすることができないので、コックを解除するのですが、その動きと同時に右手首のヒンジもアドレスの形に戻します。
すると左手首は甲側に押されますが、実際にはスイングスピードによってグリップが左側に移動しているので、左手首はフラットな状態になってボールをインパクすることができます。
甲側に折れている右手首を返すゴルフスイングで飛距離アップ
身体の正面で飛球線と平行になっているシャフトを垂直に回転させます。
腕を振らずに90度回転させるのですが、これをスイング中に一瞬で行うのですから、腕の振り(スイング)に手首の回転(コック)が加わり、ヘッドスピードは加速します。
ちなみにトップからインパクトまでの時間は0.3秒から0.5秒なので、コックを戻す時間は本当に一瞬のタイミングです。
このタイミングが少しずれて遅れると、フェースが開いてスライスしますし、早すぎるとフェースが閉じてフックするのです。
ゴルフスイングをしているときに、左手首のコックをリリースするだけでは戻りが遅くなってフェースが開いてしまいます。
左手首の動きに合わせて右手首を返すことで、飛球線に対してスクエア(垂直)なフェースでインパクトすることが可能になります。
これがコックとヒンジの関係なのですが、実はトップでコックを固めようとすると、左手首が甲側に折れてしまうことが多いのです。
ゴルフスイングは右手首を甲側に折るタイミングが大事
ゴルフクラブをトップまで引き上げたときに、左手首が甲側に折れていることがあります。
いわゆるオーバースイングの状態で、シャフトは地面と平行になっているかもしれません。
そんなオーバースイングは、ダウンスイングに入るときにヘッドが遅れるので、インパクトでフェースが開いてスライスの原因となります。
このオーバースイングの原因は、右手首のヒンジが中途半端だからです。
トップで右手首が甲側に折れていれば、左手首が甲側に折れることはありません。
スライスする原因の多くは、ダウンスイングに切り返すときに、ヘッドが遅れてしまうことなのです。
つまり「タメ」を作らずに、いきなりクラブを振り下ろしているわけです。
仮にオーバースイングになっていたとしても、ダウンスイングに切り返すときに右手首を甲側に折ってから始動すると、ヘッドが遅れることはありません。
スイングが左手主導ということはなく、両手が一対にならないと正しいスイングにはならないと言うことなのです。
ゴルフスイングで右手首が甲側に折れるとスライスしない?
右手首を甲側に折るヒンジを使うことで飛距離はアップしますが、タイミングを取るのが難しいので、それなりの練習が必要になります。
そこでゴルフ練習場の打席へ行き、足を揃えて中央にボールを置いてみましょう。
腕を動かさずに左手甲を飛球線と平行にして、ヘッドを上げシャフトを地面と平行してコックを作ります。
このとき右手首は甲側に折れているはずです。
腕を動かさずに手首だけでインパクトをするのですが、右手首の返しを上手く使わないとボールはまっすぐに飛びません。
まずはこのアーリーコックを練習してから徐々に振り幅を広げて、左腕が地面と平行になるまで繰り返しショットの練習をしましょう。
ここでグリップが右腿に差しかかると、コックをリリースしていることに気がつくはずです。
そして、そのタイミングが完全に身についたら、いよいよフルスイングで練習を繰り返します。
すると今まで以上にゆったりとしてスイングなのに、まるで女子プロのように飛距離は伸びているはすです。
右手首が甲側に折れていれば正しいゴルフスイングができる
ゴルフスイングでもっとも大事なのはインパクトの瞬間ですが、トップからわずか0.3秒後には完了しています。
インパクトの形を作るのはトップでの右手首で、甲側に折れていることを確認できれば飛距離アップし、スライスも防止できます。