ゴルフには縦振りと横振りの2つのスイングがあります。
時代的には縦振りが旧型、横振りが新型の感はありますが、実際には縦振りのスイングを始めた方が上手くなる場合があります。
ここからは、縦振りと横振りのコツとそれぞれを比較したスイング法を紹介します。
ゴルフスイングのコツが縦振りだったのは昔のこと?
ゴルフはボールを打ってカップに入れるスポーツです。
どんなスイングであろうとカップに近づいて、最小の打数でカップインできれば、その過程は自己満足でしかないはずです。
レッスンプロのような綺麗なスイングをしなくても、世界のトップに君臨するトッププロはたくさんいるわけですから、スイングが自分に合っていれば何も問題はないはずです。
スイングの基本はインサイドインの円を描くスイングですが、頭の中では理解していても実際にインサイドから円を描いてインサイドでフィニッシュできる人は極わずかです。
自分が円を描くスイングのコツを知っていると思っても、実際には縦振りのアウトサイドインになっていることがほとんどです。
これは理想のスイングに近づけるために、テークバックで飛球線の後方にヘッドを引き、高い位置にトップを定めた結果です。
最近のゴルファーが憧れる理想のスイングが円を描く横振りだとすると、この縦振りは20~30年昔のスイングに憧れていることになります。
横振りのボディターンと縦振りの逆Cのゴルフスイングのコツ
一般的に縦振りはスライス、横振りはフックになると言われています。
別に縦振りが古いゴルフスイングで、横振りが新しいゴルフスイングというわけではないのですが、縦振りはジャック・ニクラウスの「逆C」と言われるスイングですし、横振りはニック・ファルドから続く「ボディターン」のスイングが多いようです。
イメージからすると逆Cとボディターンでは後者のほうが憧れるようですが、実際のゴルファーのスイングを見ると逆Cのスイングを目指している人が多いようです。
その原因はボディターンのスイングのコツは、それなりに身体を鍛え、ストレッチで柔軟性を身につけることにあります。
つまりアスリート型のポテンシャルを備える必要があるのですが、週1のゴルファーにとっては小学生の絵日記と同じくらい厳しい条件と言えます。
一方で逆Cのスイングは、テークバックでグリップを引き上げてそのままダウンスイングをするのですから難しいことはありません。
では、どうして簡単なスイングなのに現在のトッププロが逆Cのスイングをしないかというと、故障の原因を含んでいるからだと言えます。
ゴルフスイングで縦振りのコツを覚えても故障しない?
現在では縦振りのゴルフスイングが故障の原因になると考えられています。
スイングアークを縦にするとトップの位置が高くなり、同じようにフィニッシュでも高い位置にグリップを掲げます。
このとき背骨を反ってしまう姿勢が、腰に負担がかかると考えられているのです。
美しい逆Cのスイングをしているゴルファーは、おおむね腰痛に悩んでいましたが、ボディターンの概念が広まってからは、毎週開催されるツアーで腰痛を発症する人は少なくなったようです。
ボディターンのコツはトップとフィニッシュの位置を低くすることです。
しかも横振りのスイングは腰にへの負担が少ないのが特徴です。
スイングの綺麗さで比べると、逆Cの縦振りが圧倒的です。
しかもコンパクトな横振りのスイングは、飛距離ダウンとインパクトの難しさがあります。
一般ゴルファーがボディターンを身につけるためには相当な練習量が必要ですし、なによりアスリート型の身体能力を兼ね備える必要があり、万人に適したスイングとは言えないのかもしれません。
縦振りのコツはインサイドインのゴルフスイング
これだけを比べると、一般ゴルファーにとっては横振りのデメリットが浮かびますが、多くのゴルファーはボディターンのスイングに憧れを持っていて、いつも練習をしているはずです。
ところが実際のスイングが縦振りになるのは、インサイドインのスイングができていないからなのです。
テークバックで右サイドに引いて、湾曲の軌道でダウンスイングし、そのままインサイドでフィニッシュするスイングが必要です。
ところが、この頭上から見ると円のスイングは、非常に難しくしかも身体能力を必要としているのです。
横振りのゴルフスイングは、コマのように回転軸を固定するのではなく、右足の上から左足の上まで移動しながらの回転をしなければならず、インパクトのタイミングを合わせるのは難易度が高いと考えられます。
それに引き換え、逆Cの縦振りのスイングは軸移動が少なく、捻転よりも高いトップとフィニッシュで、強烈なV字スイングを目指すことになります。
文字で表すと難しそうですが、掲げたグリップを思い切り振り下ろすコツを覚えれば、スイングの大半は完成している至って簡単なスイングなのです。
縦振りのゴルフスイングは左側にターゲットを置くのがコツ
ゴルフでは縦振りのスイングのほうが簡単で、しかも確実なミートができると考えられています。
ドライバーショットをイメージすると、横振りは腰に負担がかからず、フェードやドローの球筋を打ち分けられる横振りは魅力的です。
しかしパッティングをイメージすると縦振りは、捻転せずにヘッドを振り子のように動かす正確なストロークが浮かびます。
プロレベルのゴルファーなら、技量に合わせた球筋の打ち分けを選択し、アベレージゴルファーであれば正確なインパクトを選択してミスショットの機会をなくすはずです。
さらに縦振りのショットはスタンスをスクエアにする必要はないので、オープン・スタンスにすればフェード、クローズド・スタンスすればドローを簡単に打つことができます。
ただしストレートボールは若干スライス回転がかかるので、ターゲットよりも左側にポイントを置くのがコツと言えるかもしれません。
ゴルフの技量によって縦振りの良いところを引き出すコツ
ゴルフの技量によって縦振りと横振りを選択すると、それぞれの良い部分を引き出してスイングのコツもつかめるかもしれません。
単純にスコアで区分するとしたら、100打を切るまではとりあえず縦振りのスイングにして、90打を切ろうと考えたころから横振りのスイングを練習し始めるといった、段階的なスイング法が良いと思います。
もちろん縦振りを続けていても問題はありません。
プロゴルファー並みに1週5~6ラウンドするのであれば腰痛防止も考えられますが、1週で1回程度のラウンドであれば腰への負担はないと思ったほうが良いのではないでしょうか。
アドレスの再現性が高く、振り子のストロークと同様に確実なミートができ、しかも安心感のあるダウンブローのスイングができるのが縦振りのスイングです。
もしもスコアに伸び悩みがあったり、ラウンドで何度かトラブルショットが起きたりするのであれば、縦振りでスイングを見直してみてはいかがでしょう。
コツさえ覚えれば縦振りは簡単なゴルフスイング
ゴルフスイングで縦振りにすると、スライスが気になるところです。
確かにストレートを狙うと横回転はかかりますが、それを持ち球にすれば問題はありません。
ダフリやトップが消え、極端な曲がりも消えることを考えれば、難しいコツが必要な横振りから縦振りに換えたほうがスコアメイクができるはずです。