ゴルフスイングはコックをしないほうがスコアアップする

最終更新日:2018/09/17

ゴルフスイングではコックを使うことが半ば常識となっていますが、コックをしないゴルファーが徐々に増えてきています。

コックの功罪と、コックをしないことでのメリット・デメリットを踏まえて、一般のゴルファーにとってどちらが良いのかを確認していきたいと思います。

ゴルフスイングでコックしないとダメなの?

ゴルフスイングは、理に適ったスイングであれば、どんなスイングであろうと問題はありません。

最初は丸めた羽をボール代わりしていたので、ボールを壊さないような柔らかいスイングが主流でした。

しかしゴムボールが開発されると、ゴルフクラブが壊れないようにとスチールシャフトが導入され、強くて勢いのあるスイングが主流となります。

そしてチタン製ヘッドにカーボンシャフトが登場してからは、縦振り、横振り、ボディーターンとその年々で流行のスイングは変わっていきます。

道具が進化したことで、個性的なスイングをしても結果が伴えばまったく問題はなくなりました。

ところがスイング理論は、いまだにスチールシャフトのころのものが珍重されています。

スタンスは肩幅、アドレスはハンドファースト、トップではコックを固める…。

もちろんいまでも通用するスイング理論ではありますが、新しい理論が出てきたとしても、それが理に適っていればまったく問題はありません。

そこで最近流行のコックをしない、つまりノーコックのスイングが理に適っているのかを検証していきます。

コックしないゴルフスイングが理に適っている?

最初の従来からの、コックするスイングを確認します。

コックとは左手親指と腕が作り出す角度のことです。

使用するゴルフクラブによって違いはありますが、アドレスではノーコックの状態といっても180度ではありません。

通常ドライバーを構えたときに、150度くらいの角度がついています。

テークバックで徐々にコックするわけですが、トップの位置では左手親指が直角を作り、その親指の上にグリップ(シャフト)が乗っています。

次にコックしないスイングを確認してみましょう。

コックしないと言うことは、アドレスでグリップを握った150度のままでテークバックをしていき、トップでも手首の形を変えずにシャフトを真っ直ぐに立てたままで、握っている形です。

従来からのコックするスイングを知っていると、とても不便なスイングワークですし、インパクト直前でのリリース(コックをほどく)がなくなることで、飛距離ダウンが想像できるはずです。

しかしよく考えるとコックしないスイングは、とても理に適っていることが分かります。

コックしないとゴルフスイングが安定する

まずはコックしないスイングをしたら、テークバックでのコックするタイミングを気にする必要がありません。

さらにダウンスイングでもっとも難しくミスショットになりやすい、コックをリリースするタイミングを計る必要もなくなります。

つまりコックしないことで、ミスのないスイングが可能になるのです。

特にアマチュアゴルファーの多くは、全ホールでバーティーを狙っていくようなマネジメントを選択しません。

ミスなくパーやボギーのゴルフをすることで、自らのベストスコアを目指しているはずです。

もしもミスショットもなくなれば、無理をしたバーディー狙いも必要なくなりますし、スコアの出入りが少ないと、平常心でプレーができて安定したゴルフの可能性が高まります。

またメンタル面だけではなく、トップからの切り返しの必要がなくなるので、ヘッドの遅れの心配もなくなります。

コックによって親指に乗ったグリップを、立ててからスイングする手間がなくなるわけですから、ダウンスイングにはスムーズに入ることができます。

コックしないことでゴルフコースの真ん中から打てる

コックしないゴルフスイングによって、手首の動きがなくなるので、確かに飛距離は落ちますがその分フェアウェイの真ん中からセカンドショットを打つことができるでしょう。

コックしないスイングの代表例はパッティングです。

ボールに回転をかけずに、ストレートに打ち出すことに徹したのがパッティングです。

そのパッティングと同じように、手首の形を変えずにショットするわけですから、曲がる確率は非常に少なくなります。

なによりもインパクトゾーンでのコックのリリースがなくなるのですから、身体一杯のスイングをしても安心できるはずです。

さらにスライスの原因にもなっている、ハンドファーストで構えの必要がなくなります。

もともとハンドファーストは、スライス防止のための構えです。

インパクトのときのグリップの位置を想定して、アドレスの時点でハンドファーストに構えるわけですが、ヘッドスピード38メートル毎秒程度のアベレージゴルファーの場合は、グリップが先行せずにインパクトを迎えます。

そのため本能的に左肘を逃がして、しゃくり上げるスイングになるため、多くのゴルファーはハンドファーストがスライスの原因となってしますのです。

コックしないゴルフスイングに理があると考える根拠

ゴルフスイングでコックしないと、メリットを感じるのは一般のアマチュアゴルファーです。

飛距離を重視して10ヤード先に行っても、パーオン率は変わらないものです。

もちろんプロのショットは短いほど精度は高まりますが、アマチュアの場合は20~30ヤードでもミスショットは付き物です。

あえてリスクを冒してまでコックにこだわる必要性はないと考えて良いのではないでしょうか。

実はコックしないゴルフスイングのほうが、「理がある」と考える根拠はスイング解析によるものです。

多くのゴルファーはテークバックとダウンスイングの軌道が違っていて、これはスイングプレーンの解析でも実証されています。

アドレスからコックを形成し、そのままインパクトを迎えるとフックするといわれています。

しかし多くのゴルファーはストレートかスライスの球筋になっているはずです。

本来はテークバックでコックして、そのままダウンスイングに移行し、インパクトを迎える前にコックをリリースしますが、このときの手首の角度であるアームシャフト角は開いた状態になっているのです。

結果的にコックしないゴルフスイングをやってる?

コックを形成してもインパクトでは、アドレスのときよりも5度以上コックを開いた状態になります。

つまり140度の角度でアドレスをしていたのに、インパクトでは145度の形になっているわけです。

ちなみに世界のトッププロの中には20度を超える場合もあり、140度が160度にもなるので、もはや腕を真っ直ぐに伸ばしているのと変わらないフォームでスイングをしています。

つまりインパクトの形をアドレスで取っていると言えるので、これはハンドファーストで構える考え方と変わらないことになります。

ただしハンドファーストでもヘッドスピードの速さによってはマイナスになることがあるのと同じように、コックしないスイングにもマナイス要因はあります。

ゴルフ場では風や天候によって、必ずストレートの球筋でショットをするとは限りません。

コックしないスイングの弱点は、画一的なストレートボールにしか対応できないことです。

もちろんフェースの向きを変えればドローもフェードも打てますが、それはスイングとは違うものなので、ここでは状況に応じたボールコントロールできないことが挙げられることになります。

それ以外はアマチュアゴルファーだからこその「ノーコックのすすめ」だと思います。

コックしないゴルフスイングのメリット・デメリットの比較

ゴルフスイングでコックをしないことが、ゴルファーにとってメリットかデメリットかを判断するのは難しいところです。

しかしアマチュアゴルファーに限ってみると、ミスショットの減るノーコックのほうが、メリットは高まるのではないでしょうか。