ゴルフクラブをトップまで引き上げた時のコックって何?

最終更新日:2018/08/12

ゴルフクラブをテークバックして、トップの位置まで引き上げた際、「コックを固める」と聞いたことありませんか。

そこでここでは、スイングにとって大変重要なコックの使い方や、コックを使う打ち方について、またコックの意味や役割りについて紹介していきます。

トップで作られるゴルフ用語のコックの意味

ティーグラウンドか、もしくはスルー・ザ・グリーンでスタンスをとり、ゴルフクラブをボールの後ろにセットしたらアドレスです。

ここからスイングが始まるわけですが、一般的にスイングは、3つに分割してチェックします。

アドレスの構え方、テークバックからトップまで、トップからインパクトまでのダウンスイングの3つです。

この3分割はヘッドの軌道やスイングプレーン、もしくはスイングフォームそのものを知るためと言う考え方もあるでしょう。

しかしゴルフスイングで3分割する本当の理由は、コックの使い方をチェックするのに便利だからです。

いかにコックを固めて、そのコックをどのタイミングほどくかが、スムーズなゴルフスイングへと繋がります。

そのためにはコックの役割をしっかり認識しておく必要があるかもしれません。

そもそもコックとは、左手親指の角度で測るものです。

腕を真っ直ぐに突き出して、真上に親指を立てた時、直角を作る手首の角度をコックと言います。

トップでコックが固まるとゴルフスイングはどうなる?

テークバックでグリップをトップの位置まで引き上げると、ゴルフクラブは左手親指で支えられています。

この時、左手親指は90度の角度を作っていて、これを一般的には「コックが固まる」と言います。

コックは、アドレスからテークバックの間で徐々に形成され、トップで固まるのが通常の流れです。

しかし複数の動作を同時にしようとすると、迷いが生じたりミスをしたりで、トップでのコックが上手く固まらないことがあります。

トップなのにシャフトが地面に垂直に立っていたり、それよりも右側(飛球線の後方)に傾いていたりと、トップの形としては不完全な場合があるものです。

この状態でダウンスイングに入ると、ヘッドスピードが上がらないことから飛距離ダウンの可能性が出てきます。

しかもフェース面がスクエアにならずに開いてスライスカットする場合もあるでしょう。

トップの位置でコックが完全でないとインパクトでの飛距離や球筋に影響を与えるため、スイングにとっては大事なポイントになるわけです。

トップでのコック形がゴルフスイングでもっとも重要?

トップからダウンスイングに入っても、コックはそのままの状態です。

コックは徐々に形成しましたが、コックをほどく時はインパクトゾーンに近い位置にするのが理想です。

これはゆったりとしたテークバックと、速いダウンスイングのスピードの違いが関係します。

コックを固めたままでゴルフクラブを振り下ろすと、シャフトは立った状態になっています。

グリップが右腿の少し手前に来たタイミングで、立っているシャフトを下に向けるためにコックをほどきます。

同時に飛球線と平行だったシャフトを垂直にすることで、フェースはインパクトで正しい面を向けることができます。

このように文字で表すと時間があるように思えますが、実際にはトップからインパクトまでの1秒にも満たない動作の中の、さらに後半の極わずかな時間で行います。

コックをほどき、左手甲をターゲットに向ける一瞬のタイミングが合えば、ヘッドスピードは一気に加速するはずです。

スイングの中でもっとも大切なインパクトの直前の動作のために、トップでコックを固める必要があったわけです。

ゴルフスイングで大事なコックがトップで固まらないなら

トップにおけるコックは、ゴルフスイングにとって大事なものですが、中にはしっかり固めることができずにグラつくことがあります。

よほど親指の関節が柔らかくなければ、直角までしか角度をつけることはできませんが、中には左手の握りを緩めてしまって、必要以上にコックの角度をつけてしまうことがあります。

またトップでグリップが左手甲側に折れる現象も同じで、どちらもオーバースイングの原因とされているものです。

一般的にトップでのグリップの高さは、右耳の少し上が良いとされています。

この時、シャフトは斜めの状態で、コックの角度からして地面と平行にはなっていません。

ところがオーバースイングになると、ヘッドが地面を指すようにシャフトは斜め下を向きます。

その原因は、トップでグリップが緩んで左の手のひらが開いているか、左手が甲側に折れているかのどちらかです。

このオーバースイングの状態で、ダウンスイングを始動するとヘッドが遅れて、インパクトゾーンでコックをほどいてもヘッドを返すことができません。

このような症状があるなら、グリップを短めに握って、コンパクトなスイングに徹するようにしましょう。

トップでコックを固めるのがシンプルなゴルフ

トップでコックを固めてもオーバースイングになれば、コックをほどく時にヘッドが遅れてしまいます。

オーバースイングに限らず複雑なゴルフスイングをすればするほど、インパクトのタイミングが合わなくなるので、「シンプルなゴルフ」を目標にしてスイングフォームを作るようにしましょう。

また方向性が安定しないことが原因で、ノーコックのスイングをする場合があります。

あえてコックを作らずに、アドレスの時の手首の角度をそのままに、トップまで引き上げるスイング方法です。

身体の回転を重視し、左腕と親指の角度を崩さずに、注意深くテークバックしてトップの位置まで引き上げます。

見た目にはゆっくりしたスピードですが、コックができないように慎重に引き上げていきます。

まったく手首の形が変わらなければ、あとはアドレスと同じフォームでインパクトをすれば方向性は安定するはずです。

球筋が荒れる時、プロゴルファーでも使う打法ですが、飛距離が落ちるデメリットがあります。

あくまでも対処療法なので、いずれは元のスイングに戻すことになるので、毎週試合のないアマチュアであるからこそ正しい修正をしたほうが良いと考えられます。

トップでコックが固まるとゆったりしたゴルフスイングになる

毎週試合はないとしても、毎日ゴルフの練習ができないのもアマチュアです。

ノーコックはコツさえつかめばプレー中でもすぐに打てますし、バンカーショットやチップショットなどで極力コックを使わないスイングはすでに経験があるはずので、微調整だけで使えるはずです。

一方でコックを使うスイングでは、タイミングが合わないと方向性が定まりません。

コックをほどくタイミングのズレは、トップでのコックの形やほどくポイントが原因となります。

コックの形がブレる場合は、アドレスでコックを固めるアーリーコックでテークバックをすれば大丈夫です。

それからほどくポイントがずれる場合は、右腿よりも少し早めにコックをほどき、グリップエンドが自分の身体を指していることを確認しながらインパクトを迎えることで修正できます。

練習時間は必要ですが、1日もあれば十分に修正できるはずです。

正しいコックの使い方を覚えれば、ゆったりしたスイングでビッグドライブが可能になるでしょう。

効率の良いゴルフはトップでコックをほどくタイミングを測る

効率の良いゴルフスイングをする上で、コックの使い方は重要です。

トップの位置で固めて、ヘッドを切り返すタイミングでほどくことができれば、スイングスピードをはるかに超えるヘッドスピードが生まれるからです。

タイミングを合わせるコツは、グリップエンドで自分を指すことです。