ゴルフ場で9ホールが終わると、ハーフの待ち時間が設定されているのが普通です。
事前に告知されていることはなく、ハーフを上がった段階で後半のスタート時間を知らされるのです。
軽食を済ましてすぐに出たいところですが、イライラしながらスタート時間を待つことはないでしょうか。
なぜハーフで待つことになるのか、その理由について紹介します。
残り9ホールの待ち時間にゴルフ場は新たな組をスタート?
本来ゴルフにおいて、ラウンドする時は18ホールを通してプレーをするものです。
日没や悪天候で中断しない限り、1番ホールからスタートしたら、18番ホールをホールアウトするまでプレーをし続けます。
しかし日本のゴルフ場では北海道と沖縄を除いて、9番ホールが終わった時にハーフ休憩をとって、残りの9ホールをプレーします。
日本以外の国ではハーフで休憩することはないと思いますが、このシステムが全国的に定着したのにはいくつかの要因があったようです。
国内最初のゴルフコースが神戸の六甲の山の上に作られたことから、「良いコース」として山岳コースがたくさん造成されました。
プレーヤーとしては、慣れない山歩きに疲れることから、ハーフで食事をしてパワーを蓄えたのでしょう。
一方で、ゴルフ場としてもハーフで休憩を入れると、そこに改めてスタート時間を組み込むことができます。
10時頃のスタート時間を、アウトとインの合計で10組程作れることも、日本の生活習慣に合っていたのかもしれません。
残り9ホールでゴルフのスタート時間の遅れは先行組が原因
ハーフの待ち時間があまりにも長いと、残りの9ホールをプレーするのが面倒になってくることがあります。
これは先行組のスタートが遅れたことで、途中で挟まってスタートするはずの組が待機していたからです。
仮にゴルフ場のスタートが7分間隔だとします。
先頭が7時でスタートすると18組目は8時59分のスタートです。
先頭組が順調にプレーをすると、9時には9ホール目をホールアウトします。
ここで5組挟めば、先頭組は約30分間休憩することができます。
ところが先頭組は順調でも、後続組のスタートが徐々に遅れるのは良くあることです。
一般的には30分遅れも珍しくなく、仮にそうであれば最終の18組目のスタート時間は9時30分になります。
そのあと30分間に5組が挟まるため、先頭組は1時間待ちのハーフ休憩と言う計算になってしまいます。
これが通常の遅れだとすると、イヤになるほど待たされるのは、先行組のプレーの速度の遅れが原因となっていると考えられるのです。
ゴルフ場が定める9ホールの設定時間には余裕があるはず
プレーの速度が遅いことが、全体の進行を遅らせています。
ゴルフ場が設定する9ホールの目安は2時間です。
これは「ゴルフ場が」と言うよりも、18ホールスルーでプレー時間を考えた時、残り9ホールの折り返し時点で最終組の後ろに着くのには、2時間でなければならないからです。
例えハーフ休憩があっても、プレーの速度は同じように2時間で到達するように努力しなくてはいけません。
ただし、4人組みと3人組では進行のスピードは違って当然ですし、同伴競技者のレベルによってプレー時間に違いはあるものです。
多くのゴルフ場では「2時間30分を目安に」と、30分間の余裕をとっています。
例え山岳コースであっても、1ホールあたり16分程度でプレーをすると、この設定時間でハーフラウンドを終了することができます。
4人組のプレー時間でみると、ティーショットからカップインまで1人あたり4分です。
仮に400ヤードのミドルホールをパープレーだとすると、1打当たりは1分です。
もしもダブルボギーなら1打あたり40秒しかない計算になるので、セカンドショット時点までは走らなくてはいけません。
ゴルフ場が定めた9ホールの時間をプレーヤーの視点でみる
ゴルフのプレー時間を9ホールで2時間30分とした時、1打あたりの時間に1分かけられるのは72打でラウンドできるプレーヤーだけです。
しかも、これにはホール間のインターバルの移動時間を入れていないので、実際には72打のプレーヤーでも1打あたり40秒程度が望ましいと考えられます。
1打の時間でみると、かなり難しいような気がするかもしれませんが、歩測換算してみるとゆったりしたプレー時間が可能です。
仮に6000ヤードのコースをラウンドするとします。
計算上のプロと同じ歩幅の1ヤードにした時、6000ヤードのコースでは最短6000歩が必要です。
もちろんコースレイアウト通りにボールが飛ぶことはありえませんし、インターバルの距離も必要なので、最低でも1ラウンドで10000歩はかかるはずです。
9ホール単位で換算すると5000歩なので、2時間30分を1歩あたりで計算すると1.8秒もあります。
スイング時間を入れても、1歩あたりおよそ2秒ですから、決して難しい数値ではないはずです。
ゴルフプレーの速度を上げて9ホールの時間を2時間30分に!
ゴルフ場の9ホールの適正時間が2時間30分であるとして、それ以上に時間がかかるのはトラブルショットに原因があるかもしれません。
常にフェアウェイ付近でショットしていればクラブの選択に時間をとられず、良いライから打てるのでミスショットの可能性も少なくなります。
一方で両サイドの樹木の中にボールが入ると、探すだけでも時間がかかり、クラブ選択でも同じように時間がかかります。
しかも、リカバリーショットなので、次のショットが本当の意味でのピンに向けてのショットになり、ロスタイムが大きくなります。
同じようなことは、池に入った時の二アレスト・ポイントの決定とドロップの処置や、OBの打ち戻りなどが考えられます。
またロストボールの探索で5分間をかけると明らかにスピードダウンに繋がります。
このロスタイムは同伴プレーヤーのショットを遅らせることになり、組全体のプレー速度が落ちることになります。
ここで遅れた時間を取り戻せれば良いのですが、そのためのスピードアップした進行ができていないことが問題です。
この1つのプレーの遅延が、後続組の遅れの連鎖になっていることに、気がつかなければいけません。
9ホールのプレー時間の短縮がゴルフ界全体の想い
個々のプレー時間の遅れがゴルフ場全体の遅れに繋がり、9ホールでの待機時間へと波及していきます。
多くのゴルフ場のスタート間隔は6分間でしたが、現在は7分間隔や8分間隔が主流となっています。
それでも遅れるなら10分間隔にすれば良いのに、と言う意見もあるかもしれません。
しかし6分間隔では先行組は40組、7分間隔で36組、8分間隔だと32組しか予約を取ることができません。
もしも10分間隔にした場合26組なので、プレーフィを20~30%の値上げをしなくてはいけなくなります。
もしも6分間隔が分岐点だとすると、30~40%の値上げが必要になるわけです。
ですからゴルフ場としては遅れを予想していても、予約表通りに埋めていき、進行の遅れはプレーの速度にあるとしています。
またこの見解をゴルフ規則が支持し、2019年度のゴルフ規則の改定では、「レディゴルフ」のもとプレーの迅速化が図れるよう、さまざまな見直しがされています。
今後はスコアアップを目指すこととプレーの速度を上げることに、同じくらいの価値を見出す時代がやってくるかもしれませんね。
1打のゴルフプレーを意識すれば9ホールの時間短縮ができる
ゴルフ場で9ホールを終えて、残りのスタート時間まで待たされるとしたら、それは自分たちのプレー速度が遅かったという考え方ができます。
正確には自分たちと反対側のハーフのプレーヤーですが、果たして自分のショットは40秒毎に行われていたのかを振り返って考えてみる必要があるかもしれません。