スライス防止には恒久的な解消法と緊急的な対処法がある

最終更新日:2018/07/26

日頃からスライス系の球筋になって悩んでいる場合と、ラウンド中に突然スライスボールを連発してゴルフにならない場合があります。

理由はそれぞれに違いますが、とりあえず意図しない球筋を抑える解消法があるので、悩んでいる方のためにその打ち方を紹介します。

スライスの解消法は基本の姿勢を確認するところから始める

スライスが止まらず、悩んでいるゴルファーが多いようです。

ゴルフ雑誌やレッスンDVDなどでは、圧倒的にスライスの解消法が掲載されているところをみると、悩みの尽きない問題なのかもしれません。

たくさんの解消法が紹介されていますが、実は簡単にスライスを直すことができます。

難しく考えずに普通にスイングをすれば、1日でスライスを防ぐことができるはずです。

「スライスを直す」、この1点に絞った解消法なので、都合が悪ければ一度習得してから、改良するようにしてください。

途中で止めるとスイングがバラバラになってしまうので、ボールが真っ直ぐに飛んでから、次のステップに進むのが上達の秘訣です。

最初に基本姿勢だけは覚えなくてはいけません。

いままでのスイングをすべて忘れてもらい、改めてアドレスの姿勢から覚えてください。

使用するクラブはドライバーで、練習場の打席を想定しています。

まずボールの後方線上に立ち、ターゲットを定めて、ターゲットとボールを結ぶ飛球線を確認します。

一般的にはティーの後ろに白線が引かれている人工芝が多いことでしょう。

この線と両足のつま先が平行になるように立ちます。

白線がなければ、人工芝の境目を目安にしてください。

最初に取り組むスライス解消法はスタンスとボールの位置

スライスの解消法の1番目は、飛球線に対して平行に立つことです。

立った時の状態は、両足を揃えて身体の中心にボールがあります。

左足を靴1足分外側(左側)に開き、次に肩幅の広さになるように右足を開きます。

これで左足内側のくるぶしの延長線上にボールがあるはずです。

ドライバーを構えて、ティーアップしたボールの後ろでヘッドをソールします。

この時、ボールとの間隔が合っているのかを確認します。

確認方法は実際のアドレスで探すことができます。

上半身をわずかに前傾して、肩から真っ直ぐに下ろした手が、身体から握りこぶし2個分空いたところでグリップします。

この時、腕が地面と垂直であれば正しい前傾ができているので、グリップ位置を定めると、あとはシャフトの長さで間隔は変わってくるだけです。

ボールとの間隔が決まったら、左足のつま先からボールまでの距離を、ドライバーを当てて計測して、いつも同じ間隔で立てるようにしてください。

スライスの解消法は軟らかい手首がポイントになる!

正しいアドレスができれば、スライス解消法の半分は終わったようなものです。

あとは正しいスイングを身につければ、スライスを心配しないでショットすることができます。

この正しいスイングも、アドレス同様に簡単に習得することができます。

まず手首を軟らかくしましょう。

そのためにはグリップを必要以上に強く握らないことです。

スイングした時にスッポ抜けない程度に軽く握り、ヘッドを揺らした(ワッグル)重みを手首で吸収できるくらいの軟らかさです。

手首が柔らかくなったらアーリーコックにします。

アーリーコックとは、テークバックで腕を動かす前にコックを固めることです。

そのコックとは、左腕を真っ直ぐに伸ばして親指を立てた時の90度の角度のことです。

アーリーコックにするためには、構えた状態でターゲット側に向いている左手甲を飛球線と平行にします。

腕の位置を動かさずにコックを固めると、シャフトは飛球線と平行になるでしょう。

そのままの状態でコックをほどくと、最初に構えた箇所にヘッドは戻るはずです。

まずは、このコックの動きを練習してください。

アウトサイドインのスイング修正こそスライス解消法

アーリーコックでヘッドを上げて、コックをほどいてヘッドを戻します。

腕を振る時、この動きが鈍いとインパクトでヘッドの先端が遅れてフェースが開きスライスします。

つまり解消法は柔らかい手首を使うことなのです。

ぎっちり握ったハンドファーストでグリップをアウトサイドに上げると、このコックを使うことができません。

ノーコックでフェースをスクエアに合わせるためには、インパクトで左肘を曲げて上げるしかありません。

つまりパッティングでの振り子の動作と同じ動きをするしかありません。

これをスイングらしく見せるためには右肩を前方に出して左肩を引く、つまり身体を開くスイングをするしかないわけです。

インパクトの時、フェース面はヒール側(根元)から入ってトゥ側(先端)が遅れるために、ボールに横回転がかかることになります。

これがアウトサイドインと呼ばれるスイングなのですが、手首を使ったスイングでヘッドの軌道をわずかに修正すればスライスは修正できます。

究極のスライス解消法はノーコック打法?

スライスを解消法するためのコックを使った練習を繰り返すと、ヘッドが走るようになり飛距離がアップするはずです。

女子プロゴルファーがゆったりスイングしているのに、250ヤードの飛距離を出せるのはこのコックの使い方が上手いからです。

スライス解消法として、再確認したコックの使い方ですが、タイミングが合わないとヘッドが遅れてスライスしたり、ヘッドが返りすぎてフックの原因にもなったりします。

ドライバーの場合には飛距離重視なので、コックを使ったスイングが基本になりますが、アイアンの場合には距離感と方向性が重視されるので、ノーコックでショットすることもあります。

ただしノーコックは飛距離が出ないので、スライスを意識することは少ないかもしれません。

ショートアプローチや、林の中から脱出するリカバリーショットなどで使うと思いますが、一般的にはハーフスイングなどで使われることが多いようです。

ただ最近はノーコックでドライバーショットするゴルファーが増えてきている事実もあります。

ノーコックのスライス解消法は飛距離ダウンになる?

スライスの解消法はコックを使うことなのですが、女子プロを中心にノーコック打法が増えてきています。

そんなノーコックを推奨している大御所が坂田塾を主宰した坂田プロで、その門下生の多くはノーコック打法です。

下半身は安定させて方向性を担保し、そのかわり上半身は十分に捻転させることで飛距離を出せるショットをしています。

何千個、何万個というボールを打ってきたからこそ、ノーコックでもボールを飛ばすことができますが、一般ゴルファーがノーコックでスイングする時は、飛距離よりも方向性が主体になるでしょう。

「スライスは消えたけれどボールが飛ばない」では意味がありません。

坂田塾のように毎日ボールを打てるのであればノーコックも可能ですが、一般ゴルファーは手首を柔らかく使うスタンダードなスイングで、スライスに対応したほうが良いのではないでしょうか。

なおプロ並みの捻転はできないけれど、それでもノーコック打法を選択するのであれば、インサイドアウトの軌道でスイングすればドロー系のボールになるので、スライス防止と飛距離アップの2つの効果を得ることがでるはずです。

最良のスライス解消法はコックとノーコックの2つの打法がある

スライスを防ぐには、手首を使う基本のスイングを身につけることが最良の解消法です。

しかしラウンド中に突然スライスが出た時は、応急手当が必要になります。

そんな時は手首を使わないスイングこそが最良の解消法となります。

日頃からコックとノーコックを分けて練習しておくと対処できるでしょう。