ゴルフに没頭してなんとか70台のレベルでラウンドができるようになると、憧れのシングルは目前です。
今回はイメージするシングルゴルファーと、実際のシングルとしての役割や心構えなどのギャップについて、紹介します。
70台のレベルでゴルフをすることがシングルの条件?
「憧れの存在」と言うと少し大袈裟かもしれませんが、「シングル」がゴルフ上手だということは、ゴルファーでなくても知られていることです。
一応シングルの用語を簡単に説明すると、ハンディキャップが9までのゴルファーのことです。
通常(レギュラーティ)のラウンドでは、70台でプレーができるレベルの技量を持っています。
一般的にゴルフコースはパー72で設定されているので、ハンデ9であれば81打ではないかと思われますが、コースには難易度を計測したコースレートが設定されていて、レギュラーティの多くは70程度となっています。
つまりコースレート上からみると、パー72のコースはパー70と同じレベルと考えて、ハンディキャップを査定する時に、「72−70=2」の2打分をスコアから差し引きます。
そうすると79打でラウンドできれば、ハンディキャップ9に相当するスコアになるわけです。
プライベートゴルフでラウンドする時は、70台でプレーすることがシングルの条件のようなものなので、周囲からの期待に対するプレッシャーを感じながらゴルフを楽しむことになります。
70台のレベルでゴルフをしてもシングルになれない?
ハンディキャップシステムの導入によって、提出されたスコアを入力してハンディキャップを算出しています。
ただし、その計算内容をそのまま認定するか、若干の修正をして付与するかは、ゴルフクラブのハンディキャップ委員会は決めることができます。
ハンディキャップの計算方法は、改良を重ねていますが完全ではありません。
3年以内のスコアを対象に、ラウンド数が1回でもハンディキャップを付与することができます。
仮に6回のラウンド数があると、上位3回分でハンディキャップ計算を行います。
上位3回が85打、残り3回は110打であれば、クラス分けをするクラブコンペではAクラスで出場することになるかもしれません。
プライベートゴルフの6回分で、いきなりクラブコンペはバックティでプレーすることになるわけです。
このような場合は、1度Bクラスのレベルで認定して、次回で再査定を行って引き上げる委員会もあるようです。
実はシングルの認定も同じで、クラブの代表として対外試合に出て行く可能性があることから、単に70台でプレーができたからという理由だけでは、付与していない委員会もあるようです。
最近は70台のゴルフレベルに見合ったハンデが付与される
多くの地域では、「シングル研修会」のような研鑽の場を設けています。
シングルになると各ゴルフクラブの選手会に入り、そこの推薦を受けて主に県単位で行われている研修会に参加します。
この辺が70台のスコアと80台のスコアとの、大きな違いと言えるかもしれません。
レベルの高い人達との競技会では、プレーの技術だけでなく、マナーやエチケットなどゴルファーとして基礎的な部分を、初歩から学ぶことができる良い機会になります。
それだけにマナー違反やゴルフルール違反があれば、選手会を通してクラブにクレームが入ることもあります。
つまりクラブを代表する競技者としては不向きだと、地域のシングルたちが通知するわけです。
それだけに認定するクラブの委員会も、スコアだけで簡単に「シングルおめでとう!」と言うわけにはいかない場合があるようです。
特に歴史のあるゴルフクラブであれば、認定には厳しい目が向けられることになります。
もっとも従来はシングルになれば入会できたシングル研修会の多くは、ハンディキャップ7以下にするなど、いわゆるポッと出のシングルは参加できないように対策をしているところが多くなっていますので、システムが算出したシングルを即認定するところが増えてきていると思われます。
古き良き時代のゴルフ界は70台のレベルでなくてもシングル
日本でゴルフが大衆化されてまだ日は浅く、シングルに特別な感慨を抱くゴルファーやクラブは多くあります。
またシングルと認定されゴルファーも、それをステイタスと感じて、今まで以上に競技ゴルフに打ち込んでいくことが多いようです。
以前はシングルになると、勲章授与の披露宴同様にパーティーを催したものです。
それだけにシングルは「終身」の扱いだったので、70台がマークできなくなっても、終生シングルの称号を与えられていました。
現在のハンディキャップは、ハンディキャップ競技のための数値として捉えることが多いので、前月はシングルだったけれど、今月はハンデ12なんてことは良くあることです。
頻繁にハンディキャップ計算が行われるため、もはやステイタスと言う概念は薄れています。
まして90台後半のレベルのゴルファーが、シングルのハンディキャップを提示するようなことがあれば、「古き良き時代のゴルファー」になってしまうことになります。
現在は常に70台のレベルを維持できている人だけが、シングルになってきています。
ゴルフの腕が70台でも片手シングルはレベルが違う!
シングルの「今と昔」を対比してきましたが、実はシングルの中でも2つに分かれています。
通常70台でプレーをするようになれば「シングルクラス」と言われて、上手なゴルファーと認知されるはずです。
しかし、それとは違って別格の扱いになるのが「片手」です。
ハンディキャップ5以下を片手と称し、中には「プロ並み」などと言われることもあります。
いわゆる片手になると、レギュラーティでは70台の前半でラウンドできるレベルで、パープレーも珍しくありません。
すでにハンディキャップ競技は卒業していて、選手間が対等に競うスクラッチ競技に移行していることが多いようです。
両手のシングルも目指す方向は一緒ですが、片手のゴルファーの多くは、平日に自由な時間があって、経済的も恵まれていてラウンド日以外も練習場に通う余裕があるような人です。
つまりアマチュアでゴルフを極めるためには、相応の経済力と自由な時間を得られることが必要になると言うことです。
ここを埋められる人が、片手のシングルになれる人なのかもしれません。
ゴルフの腕が70台だからこそ目指す高みのレベルとは
一生懸命にゴルフをやって、70台レベルのスコアが連発するようになれば、目指すのはクラブチャンピオンの栄誉ではないでしょうか。
もちろんゴルフクラブのメンバーにならないと、クラブ選手権には出場できません。
また多くのゴルフ場ではAクラスまたはシングルでないと、出場資格を与えていないので、ハンディキャップ取得が必須です。
歴史を遡れば、クラブチャンピオンになるとメンバーから栄誉が与えられ、そのクラブのルールを制定することができた時代があったそうです。
つまりその頃のチャンピオンはクラブそのものだったわけで、ルールだけではなくマナーやエチケットなどについても提案することができ、その提案に反対の意を唱えることはなかったようです。
時代は移りましたが、チャンピオンに対する敬意は今も変わらずに、クラブのメンバーにとっては特別な存在です。
それだけにスコアだけでなく立ち居振る舞いも含めて、クラブを利用するすべてのゴルファーの見本となるべく、ゴルフと向き合う姿勢が必要となります。
挑戦するチャンスが訪れたら、迷わずチャレンジして、いつかは栄誉を受けるゴルファーになることができたら、究極のシングルになれるでしょう。
アマチュアは70台のレベルを維持するゴルフ環境が大事
ゴルフを続けているだけでは、コンスタントに70台のレベルでプレーを継続していくことはできません。
日頃の練習と競技を主体としたゴルフを重ねて技量を磨き、チャンスがあればいつでも
・どこでもゴルフに行くくらいの時間と経済的余裕が必要なので、誰でも簡単にというわけにはいかないかもしれませんね。