ゴルファーの皆さん、ラウンドで6番アイアンを使う機会はどれだけあるでしょうか?
6番より前後の5、7番のほうが使用率高くありませんか。
この5番・7番など無意識に奇数番手を選択するのは、ドライバーの飛距離に関係があるようです。
そこで今回は、6番アイアン・ユーティリティ、そして現在は作られていない6番ウッドについて考えていきます。
ユーティリティ6番で11番ウッドと同じ飛距離が可能に!
最近多くのゴルファーは、トップやダフリの心配がないフェアウェイウッドや、アイアンとフェアウェイウッドの中間クラブとなるユーティリティを使っているようです。
その反動はアイアンにきているようです。
フェアウェイウッドの平均飛距離を見ると、3番220ヤード、5番200ヤード、7番190ヤード、9番ウッドが180ヤードですから、アイアンで比較すると5番ウッドが2番アイアン、7番ウッドが3番アイアン、9番ウッドが4番アイアンです。
そのため必然的にウッドの5番、7番、9番を入れたら、ロングアイアンは必要なくなります。
しかもユーティリティを加えると、5番(5UT)170ヤード、6番(6UT)160ヤードなので、5番アイアンと6番アイアンも必要なくなるかもしれません。
そこでキャディバッグの中を確認すると、ウッドが1・3・5・7、ユーティリティが5・6、アイアンが7・8・9、ウェッジがPW・AW・SW、そしてパターで13本です。
規定本数14本までですから、そこにロブウェッジを入れることもできますし、3番ウッドを抜けばアプローチウェッジを増やすこともできます。
このようにアイアンセットで揃える時代ではなくなってきたようです。
6番ユーティリティがウッドの飛距離をカバーする
6番よりも上のアイアンを外す傾向が強まっているのは、ミスショットを減らすことが前提になっているからなようです。
アイアンのミスショットは、トップかダフリもしくはシャンクくらいのものですが、その原因の多くはスイングによるものです。
以前なら練習を繰り返して、アイアンのスイングフォームを修正したはずですが、今ではスイングを修正しなくてもクラブを変えれば防ぐことができるようになっています。
その典型的なのがユーティリティです。
アイアンタイプのユーティリティでもソールが広くなっているので、ダフリ気味に入っても芝の上を滑ってインパクトできます。
ダフらないのであれば、無理にダウンブローで振り下ろす必要がなくなり、トップも防ぐことができるわけです。
またショートウッドも同じことが言えます。
ウッドは飛距離をカバーするために使われていましたが、バックスピンが効くことで誰でも止まる球を打てるようになりました。
結果的に安定した距離感を得ることができる道具となったわけです。
飛距離をカバーするウッドが6番アイアン以上を駆逐する?
ひと昔前のウッドは、1番・4番・5番で揃えるゴルファーが多かったのですが、今では4番ウッドが消えて、6番ユーティリティを入れている人が多いようです。
4番ウッドが消えたのは3番ウッドと同じことで、ドライバーの飛距離が伸びたために、使用する機会が減ったことが理由だと言われています。
しかし実際には番手間の飛距離もその要因だったようで、6番ウッドが作られなかったことと同じ理由とも考えられています。
フェアウェイウッドは3番・4番・5番・7番とありますが、なぜだか6番ウッドは作られていません。
その理由は飛距離にあります。
5番ウッドの飛距離は200ヤードで、7番ウッドは190ヤードで、その間隔は10ヤードです。
そのため仮に6番を作っても195ヤードの飛距離を設定することになるわけです。
一般的なフェアウェイウッドのロフト角は2番手で3度違います。
3度を飛距離に換算するとおよそ10ヤードなので、3番15度、5番18度、7番21度が使い勝手の良い間隔となるのです。
つまり、そこに4番や6番が入る余地はなくなったということになります。
飛距離の必要性から6番ウッドが誕生するかも?
ウッド系のクラブは5・7・9が主流になってきていますが、実は「むかし」と「いま」ではロフト角が変わっていて、以前のものと比べるとロフト角が立ってきています。
これは対象とするゴルファーが変わってきたことが原因のようです。
昔はフェアウェイウッドを多く入れているのは、飛距離のない非力なシニアゴルファーかレディースと偏見がありましたが、片山晋呉プロがショートウッドを使い始めてから、急速に普及していきます。
多くの男性ゴルファーも使うことになり、安定した方向性と距離感からキャディバッグの占有率が高くなってきたわけです。
そうなるとドライバー同様「飛ぶ」クラブが着目され、同じ番手でも2度から3度程度ロフト角が立ったものが使われるようになってきました。
以前は9番であったものが7番になり、女子プロの中には9番ウッドを2本持っていて飛ばないほうを11番と自ら名づけている人もいるほどです。
そう考えると、すでに消えた4番や作られていない6番なども、今後は復活したり誕生してくるかもしれません。
6番アイアンでスイングを作りウッドの飛距離をアップする
飛距離のためのウッドはドライバーのみで、あとのクラブはすべて正確な距離感が大事になってきています。
ドライバーがそのホールの半分を飛ばす時代なので、スコアメイクでは残りの距離をいかに攻略するかがポイントになります。
そのためにはアイアンなら6番以下のクラブを使いこなすこと、ウェッジのバリエーションを厚めにすることです。
アイアンに自信がなければ、カバーしてくれるウッドやユーティリティを使い、確実な距離を刻めることが大切です。
ただしアイアンにはアイアンの特性がありますし、他のクラブとは違った球筋になるので、すべてをウッドやユーティリティに変えると、プレーの幅が狭くなる可能性があります。
ライの良くない場面、ラフなどからのショットはアイアンならもっとも確実にリカバリーできます。
さらに距離が短くなるほど、アイアンのほうが使い勝手が良くなるので、最終的にはアイアンショットを練習しなくてはいけなくなります。
練習方法は基本通りのショットから始めるべきです。
昔は7番アイアンでスイングを作っていましたが、現在はハンドファーストで構えることが多いことから6番アイアンでスイングを固めたほうが上達度は早くなるはずです。
6番アイアンで正確に打てればウッドの飛距離も伸びる
身体の中央にボールがあると想定して、6番アイアンを左腿のまで構えてシャフトを前方に傾斜させてください。
このアドレスの時のグリップの形が、インパクトの形とイメージします。
ボールを側面から払うように振り、人工芝の上を「シュッ」と音が出るように擦ります。
擦った箇所が最下点なので、そこにボールを置くとレベルブローでスイングすることができます。
このボールの位置が身体の中心よりも右側であれば、体重が右足にかかりすぎていますし、左側にあれば左足体重になりすぎています。
スイング練習をしていると、自然な形で直っていきますので、無理に修正することは無いようにしましょう。
このスイングができるようになれば、アイアンはもちろんのこと、フェアウェイウッドやユーティリティも綺麗にインパクトすることができるようになります。
あとはクラブの特性を活かすことができれば、正確な方向と飛距離を得ることができるようになるでしょう。
飛距離に合せて番手を刻み6番ウッドを作ってみては?
これだけ色々なクラブがあるのに、6番ウッドだけがないことに、なんだか不思議に気がしてきました。
195ヤードという飛距離の必要性とは別に、1番から順に並んだほうが分かりやすいと思います。
2019年には歴史的なルールの大改正も行われることですし、誰にでも分かりやすい番手を表示してもらうと良いのではないでしょうか。