パッティングの悩みを解決するのはタップ式?ストローク式?

最終更新日:2018/04/24

パッティングスタイルにはストローク式とタップ式があります。

パッティングが調子悪くなると、パターを動かす時にどちらのスタイルが良いのか、悩んでいるゴルファーは多いようです。

そこでそれぞれの良いところ悪いところを含めて、パターの打ち方について紹介します。

パッティングにはストローク式とタップ式がある

パッティングには大きく2つの打ち方があります。

ストローク式とタップ式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

ストローク式はいわゆるオーソドックスなタイプで、左肩を支点に真っ直ぐ引いてそのまま打ち出す方法です。

難しいことは考えずに、テークバックの大きさが転がる距離になります。

対してタップ式はボールをしっかりヒットするイメージで打ちます。

手首を返すことでヘッドを動かし、タッチの強さによって転がる距離を変えていきます。

特に速いグリーンでは繊細なタッチができるため、トーナメントプロもタップ式のパッティングが多くなっています。

しかしタップ式とストローク式のどちらが良いと言うことはありません。

基本的には自分に合う打ち方かを比べてみると良いでしょう。

またロングパットはストローク式、ショートパットはタップ式と使い分けすることもありだと言えます。

タップ式のパッティングが高速グリーンに合っている理由

プロゴルファーがタップ式のパッティングにしているのは、速いグリーンに対応できるからです。

まずスティンプメーターで11フィート以上あると、ボールに触れただけでも転がっていきます。

トーナメントのセッティングは日本オープンで12フィート、過去には14.5フィートと言うこともあり、鏡の上で転がすよりも速いグリーンに仕上がっていたわけです。

このような速いグリーンでは、繊細なタッチが求められるため、ヘッドの重さを利用する振り子の動きをするよりも、ヒッティングするタップ式のほうが向いています。

そんなタップ式の打ち方は、左足つま先の前にボールを置いて、ヘッドをボールの後ろにセットします。

そしてパターヘッドのトゥとヒールがターゲットラインに垂直であるかを確かめます。

手首の動きを意識してテークバックし、ボールを打つ時は、左足のつま先よりも左側にヘッドを出さないようにします。

つまりヘッドをターゲット側に送らないようにするのです。

このようにタップすれば、方向性が安定してカップに向って転がっていきます。

パッティングの技量だけではタップ式は上手くならない?

ストローク式は「当てる」感覚ですが、タップ式は「打つ」という感覚でパッティングを行います。

そのためタップ式は、正しくヒッティングすることが重要です。

軽くタッチしたりターゲットラインにヘッドを送るように押し出すと、正しいパッティングはできません。

フェース面を合わせてボールの側面をヒットすれば、転がっていきます。

現在のグリーンコンディションから考えると、タップ式のほうが良さそうに思えますが、やはりデメリットはあります。

ストレートラインのショートパットであれば、パチンと打てばカップの反対側に当たって入るはずです。

しかし下り傾斜がきついラインだと、強く打つことができないため、タッチの強弱が難しくなります。

しっかり打つことが前提のパッティングなので、数センチでもヘッドを振ってボールに当てなければいけません。

この感覚はパッティング練習だけでは身につきません。

強く打っても転がらないパターが必要になってくるのです。

タップ式パッティングの構え方と打ち方

タップ式のパッティングでは、パターはピン型やT型の形状だとしっかり打てます。

またフェース面は「削りだし」で、柔らかい打感になるものが向いています。

さらにヘッドの重量が軽いもの、例えばアルミ製など軽くてフェース表面が柔らかいと、高速グリーンで強めにタップしても安心できるはずです。

ただし軽いヘッドの場合、ロングパットでは転がりが悪く、ショートする可能性が高くなります。

そもそもタップ式はヘッドの稼動範囲が狭いために、そのままの打ち方ではロングパットに向きません。

長い距離を転がす時には、十分なテークバックをとって打たなければなりません。

ところが手首を支点にするタップ式は、両肩とグリップで三角形を作って、その姿勢を維持したままヘッドを動かすパッティング法です。

そのため十分なテークバックをとることはできません。

両腕を動かさずに手首の動きでボールを打つからこそ、正確にフェース面を合わせることができるのに、腕を動かしながら手首を返して打つと、ミスする可能性が高まってしまいます。

長い距離のパッティングにタップ式は向かない?

先程の理由から長い距離のパッティングは、タップ式よりもストローク式のほうが向いていると考えられます。

振り子の支点を肩または首に置くのがストローク式で、手首に置くのがタップ式です。

支点とヘッドの間隔が長ければ力(パワー)を必要とせずに、長い距離のパッティングをすることができます。

つまりストローク式のほうが有利なわけです。

またタップ式は両肩と両腕に緊張が続くため、ヘッドを引くタイミングを逃すとテークバックができなくなる症状が出てきます。

さらにタップする時も手前で強さを調節して弱めたり、強く打ちすぎたりとコントロールできなくなることがあります。

これはいわゆるイップスの症状です。

イップスになると改善法はストローク式に戻すことになります。

少し前までイップスの妙薬となっていた長尺パターは、このストローク式でパッティングしていました。

ただルール改正によって支点とグリップエンドを密着させてはいけないことになったために、長尺パターは使われなくなりましたが同じようなメカニズムでパッティングをしています。

タップ式とストローク式を併用するのが上手なパッティング法

タップ式を続けているからイップスになるわけではありません。

ただイップスになった時、多くのゴルファーはストローク式のパッティングに転向しています。

そして、その多くはタップ式やスライド式のパッティングからの転向だったわけです。

実質上は長尺パターを使うと、ルール違反のアンカーリングになってしまうため、左手と右手を逆に握るクロスハンドグリップや、左手だけで握り右手は添えるだけのクロー(カニの爪)グリップで、左肩を支点にしてヘッドを振り子に見立てています。

なぜイップスになった時、支点を設けての振り子式のパッティングをするのでしょう。

それは、振り子の動きが機械的で、同じリズムでヘッドが揺れるからです。

ヘッドをトップに位置まで持ち上げると、後はヘッドの重みでストロークしてくれます。

しかもヘッドの動きが方向性を決めるため、難しく考える必要がないのです。

ですからパッティングが得意ではない人はストローク式で、これから難易度の高いグリーンでプレーをするのであれば、タップ式を併用するとフィーリングを合わせることができるのではないでしょうか。

タップ式とストローク式の2つのパッティングを覚えよう

ストローク式とタップ式のどちらのパッティングスタイルが良いのかは、個々のゴルファーによって違うはずです。

しかし同じスタイルのパッティングフォームを続けているゴルファーは少ないので、いずれか変更するのであれば、最初から併用したほうが便利なのではないでしょうか。