適正な飛距離が打てるよう5wを使いこなせれば強い味方になる

最終更新日:2018/04/19

ドライバーとスプーンを飛距離で比較すると、ドライバーの方が飛ばないと感じることがあるものです。

そして同じように3wと5wを比較すると、3wのほうが飛ばないと感じることがあるものです。

これはクラブに合わせたスイングをしていないことが原因なのですが、少し意識を変えただけで、すぐに修正することができます。

5wのロフト角と理想的な打ち出し角が飛距離に影響している

ティーショットで、ドライバー(1w)よりもスプーン(3w)のほうが飛ぶというゴルファーは身近にいないでしょうか。

フェウェウェイウッドでも、3wよりも5wのほうが飛んでいるような気がする時もあります。

これはシャフトの長さが短いから振りやすいと考える人もいるようですが、それは違うようです。

一般的なドライバーの長さは46インチ、3wの長さは43インチ、5wの長さは42インチです。

確かに短いほうがコントロールはしやすくなりますが、1インチ短くなるとおよそ5ヤードも距離が短くなります。

つまり飛距離で比較すると長いクラブほど飛ぶクラブと言うことになります。

一般的に飛距離を決めるのはロフト角です。

ロフト角は番手で表されているので、本来は5w→3w→1wの順に飛ぶはずです。

ところがロフト角の大きなクラブのほうが飛ぶのは、飛び出し角が関係していると考えられます。

物理的な理想飛球は45度の角度の放物線ですが、ゴルフボールはバックスピンをしながら飛ぶために、理想的な飛び出し角は14度と言われています。

そして3wや5wが打ちやすいのは、スイングプレーンの違いにあります。

5wの飛距離が伸びるのはスイングミスが原因?

1wに比べて3wの飛距離が伸びていると感じるのは、スイングプレーンの違いによるものです。

通常1wはティーアップしたボールを打つため、スイングの最下点をボールよりも手前に設定します。

最下点から上を向いたフェース面がボールを捉える、アッパースイングでインパクトしなければなりません。

ところがボールの側面をインパクトすると、3wはロフト角が13~15度なので、ほぼ理想的な角度で飛び出しますが、1wのロフト角である10度前後では、理想的な14度の打ち出し角で飛び出すことはできずに失速してしまいます。

この点からフェアウェイで使う3wと5wを比較すると、ボールの側面でインパクトができていれば3wのほうが飛ぶはずです。

それなのに5wの飛距離が長いのは、スイングプレーンがダウンブローになっているからでしょう。

ボールの斜め上から打ち下ろすようにインパクトするために、ロフト角は鋭角になって打ち出し角が下がったことが原因です。

5wが3wよりも飛距離が伸びる秘密とは

アイアンのように打ち込むスイングは、ダフりを警戒してダイレクトにボールを捉えるためのものです。

フェアウェイウッドは本来のスイングができれば、広いソールが芝面を滑るので、ダフりを心配する必要はありません。

つまりダウンブローに打ち込まなくても、ボールを捉えることができるわけです。

ここで必要なスイングはレベルブローです。

ボールの真横を払い打ちするようにすれば、ロフト角に合わせてボールは飛び出していきます。

5wのロフト角は18度ですから、飛距離を生む理想的な打ち出し角からみると4度大きくなります。

その代わり高い弾道は、バックスピンが効いて着弾後のランが少なく、グリーンをダイレクトに狙っていくことができます。

ザッとした飛距離ですが、200ヤードが1つの目安になります。

ウッドの飛距離は1wが230ヤード、3wが220ヤード、4wが210ヤード、5wが200ヤードと10ヤード刻みで考えるのが普通です。

ただしフォローの風が吹いているような状況であれば、高い弾道の5wのほうが飛ぶこともあります。

5wの飛距離の秘密はフェース面が小さいこと?

5wは1wに比べてフェース面が小さいことから、打ち損じを心配するかもしれません。

確かにフェース面が大きければ空振りの心配はありませんが、そこは練習で正しい軌道のスイングができるようにしましょう。

大事なことは、インパクトの時にフェース面の小さいことが、飛距離に対して有利に働くと言うことです。

本来はフェース面が広いと、太鼓を打った時のように、スプリング効果が現れてボールは弾みます。

一方で芯に当たらなければ、このスプリング効果を得ることはできません。

いわゆるスイートスポットでインパクトすることが求められるわけです。

文字で表すと簡単なようですが、実際にミートする確率が高くなるには相当な練習量が必要になります。

ところがフェース面の小さな5wであれば、フェース面で捉えるスイングができていれば、単純にスイートスポットに近い箇所でインパクトができていると考えられます。

つまりヘッドサイズの小さな5wのほうが、1wよりも打ち損じる可能性は少ないことになります。

抵抗が大きいラフからでも5wのヘッドが抜けて飛距離を確保

インパクトでのミスが少なく、またレベルブローでスイングできることから、簡単なクラブの印象が強く、ロングアイアンよりも確実性が高いと考えるゴルファーが多いようです。

5wの飛距離に匹敵するのは3i(3番アイアン)ですから、確かに扱いやすいクラブなのかもしれません。

特にラフからのショットでは、3iは芝草による抵抗が大きく、ヘッドを抜くことができません。

一方で5wは、少し短めに握れば、ボールが多少沈んでいても振り抜くことができます。

どうしてもヘッドが抜けないと思えたら、飛距離が伸び悩む元だったダウンブローで打ち込みます。

短く持ちダウンブローに打ち込むので飛距離は落ちますが、方向性に狂いはないはずです。

またラフからのショットでは、飛距離に気をつけなければなりません。

フェースとボールの間に芝草が挟まると、本来のスピン量が失われてしまうからです。

理想的な打ち出し角+スピン量だった飛距離は、スピン量が減ることで想定した飛距離以上に飛ぶ可能性が高くなります。

特に理想的な打ち出し角14度よりもロフト角が大きな5wは、適度な角度で飛球するフライヤーになってしまう可能性が上がります。

ラフからの5wは飛距離オーバーのフライヤー対策が必要

5wでフライヤーの恐れがある場合、防ぐ手段は2つあります。

1つ目は、ヘッドスピードを落とすことです。

フライヤーになるには、フルスイングでインパクトする必要があります。

スイングの力が弱まればヘッドスピードは落ち、フライヤーになって飛ぶことはありません。

およそ7割から8割程度の力で振るとフライヤーを止めることはできますが、その時必要な飛距離が得られるのかを考慮する必要があります。

2つ目は、芯を外すショットをすることです。

芯から外れれば初速が遅くなり、結果的にヘッドスピードが遅くなったのと同じ効果を得ることができます。

ただし5wのフェース面は小さいので、芯を外すインパクトはかなりの難易度です。

そのため一般的にフライヤーを考慮する時には、短く持ってクオータースイングでインパクトすることです。

飛距離は20~30ヤード落ちるかもしれませんが、ラフから170ヤードから180ヤードの飛距離と、ターゲットへの方向性が得られるのであれば、使い勝手の良いクラブだと言えるでしょう。

3iと飛距離が同等でも5wを練習したほうが実践的

飛距離が同等でも、3iと5wの難易度を比べると、5wを練習したほうが実践的だと言えます。

またロングホールのセカンドや、ラフなどライに関係なく打てるため、迷うことなくクラブ選択ができるはずです。

今日から5wを使いこなせるように、レベルブローのスイングを練習しましょう。