アプローチでシャンクするのにはそれなりの原因があるものです。
グリーンを目前に、突然右側にシュッと曲がっていくと、運が悪いと感じるかもしれませんが、そのままにしていると大変なことになります。
そこでシャンクの原因とその修正法について紹介します。
ホーゼルに当たるとアプローチでシャンクする?
アプローチでシャンクすることほど悲しいものはありません。
心はグリーンの上に行っているのに、アプローチショットしたボールはシャンクして右横に転がっていくからです。
しかも普通のミスショットとは違って、「次もまたシャンクに……」と頭の中をよぎると、次のアプローチではインパクトの直前でスイングが緩み、力のないミスショットになることもあります。
いつ襲ってくるのか分からないそんな恐怖のシャンクですが、まずは原因を確認してみましょう。
シャンクにはたくさんの原因はありますが、昔から言われているのは「上手くなってきた証拠」です。
知らない人が聞くと馬鹿にされているように感じますが、実際に上手くならないとシャンクは出ません。
シャンクと言われるのは、ボールがアイアンの根元(ホーゼル)に当たることです。
フェースではなくシャフトで打つように、ボールが当たるために、横に向かって飛び出していくわけです。
ここで、上手くならないとホーゼルで打つことができないのか、という疑問があると思います。
これにはアイアンのクラブの特性が関係してくるのです。
真芯で当てようとすることがアプローチでシャンクする原因
アプローチでシャンクするのは、ホーゼルで打つことが原因です。
ではなぜホーゼルで打つのかと言えば、そこがフェースの打撃ポイントの横だからです。
一般的にアイアンのフェース面を見ると、上から下まで等間隔に横溝(スコアライン)が掘られていて、そこの部分はつや消しになっているはずです。
このつや消しの部分をフェースと呼び、つや消しの外側(バーチカルラインより外)は打撃をする箇所とは考えていません。
ただしフェースの内側でも打つ箇所は決まっています。
スイートスポットと呼ばれる真芯の部分でボールを捉えるのが、理想的なショットです。
一方でウェッジのヘッドの長さは約50ミリ、ボールのサイズは約42ミリですから、ウェッジの中心で打つとホーゼルまで約4ミリしか余裕がない計算になります。
しかもスイートスポットは、フェースのセンターよりもホーゼルに近いところにあります。
つまりスイートスポットで打とうとしたことが、ミスショットの可能性を作っていると言えるのです。
もちろん身体が反応しているので、意識的にスイートスポットに照準を合わせてクラブを振り下ろしているわけではありません。
インサイドインのスイングがアプローチでシャンクする原因
アプローチでシャンクするのは、スイートスポットで打とうとした結果、ホーゼルに当たったことが原因です。
しかし下手でも当たるかもしれない箇所なのに、なぜ上手にならないシャンクにならないのでしょうか。
それはスイングをしているからです。
初心者はヘッドを後方に引いて、そのままストロークするパッティングのようなスイングをしがちです。
これはこれで問題はありますが、とりあえず上手になるとテークバックでは身体の右サイドにクラブを引くようになります。
これは正しいテークバックですが、アプローチではフルスイングをすることが少ないために、ヒンジを戻さずにインパクトゾーンに入ることがあります。
ヒンジとはテークバックでできる右手首の角度のことです。
最初に構えた時には、右手の親指から腕まではわずかな角度です。
テークバックすると親指と腕はおよそ90度の角度ができます。
これがヒンジなのですが、インパクトでは元の形に戻っているはずなのに、そのままの状態で振り切ってしまうと、ホーゼルが先頭になっているはずです。
スクエアにインパクトしているつもりが、実はタイミングが悪くて振り遅れていることがシャンクを作り出していると言えるのです。
アウトサイドインはアプローチでシャンクするとは限らない
ゴルフが上達するとアプローチでシャンクするとお伝えしましたが、ホーゼル先行でインパクトするとシャンクが出るのであれば、アウトサイドインのスイングでもシャンクが出るのではないでしょうか。
しかし余程のことがないと、アウトサイドインのスイングではシャンクになりません。
このアウトサイドインとは、クラブヘッドを真っ直ぐ後方に引くことで起きるものです。
本来はインサイドでトップを形成するはずが、アウトサイドからヘッドが出てしまい、カット打ちになってしまいます。
アウトサイドインのヘッドの軌道をボールの上から見ると、ボールに対して右奥から左手前に向けて移動します。
もしもこの状態でホーゼルに当たれば、飛球線の右側に飛び出すことはなく、自分の身体側に飛び出すはずです。
シャンクになる時は、飛球線の後ろからホーゼルでボールを打つことで起きる現象なので、飛球線の右側からボールを打つと左方向に飛んでいくことになります。
実際にはそんなことは起きないので、仮にミスショットになるとしたら、バーチカルラインの外側、つまりトゥの先に当たり、シャンクのような球筋になることはあるかもしれません。
そんな球筋が出た場合、トゥシャンクと表現されることもあります。
アプローチでシャンクする時はオープンスタンスで!
アプローチでシャンクする大元を説明しましたが、実際のスイングで気をつける箇所はどこでしょうか。
ダウンスイングに入る時、右肘を身体の右側に密着させないことです。
コンパクトなスイングを心がけるアプローチでは、スイングが小さくなるため、右肘を身体に付けたままでテークバックすることがあります。
この状態でダウンスイングを開始すると、右肩が沈み左腰は浮き上がります。
上半身が右側に傾いた状態になることから、インパクト前に左肘を外側に逃がしたスイングになってしまいます。
そのように左肘が逃げることで、ヘッドはスクエアに合わせることができずに、ヒール側(ホーゼル)が先行したスイングになるわけです。
その修正法は、左足を1足分後ろに引いたオープンスタンスにします。
スイングは今まで通り右肘をつけたままでテークバックして、インサイドアウトで振ります。
後、振り出す時は飛球線を意識して、ヘッドをターゲットに向けてフォロースルーをとるとシャンクを防ぐことができるはずです。
アプローチでシャンクするのを止める究極の打法とは
オープンスタンスにしてもアプローチでシャンクするという場合には、体重を移動しているかもしれません。
アプローチでは飛距離を必要としないので、テークバックで体重の移動はしなくても良いはずです。
ところがスイングの癖が身体に染み込んでいて、グリップを動かすと同時に右足の上に体重が乗ってしまうことがあります。
いわゆる上半身が揺れている状態で、テークバックで右に揺れたら、ダウンスイングでは必ず左にも揺れます。
この時、身体だけが先に左側に行ってしまい、グリップはまだ動いていません。
遅れてくるグリップは、最後までグリップエンド先行のスイングになり、結果的にフェースを返すことができずホーゼルから当たってしまうと言うことです。
どうしようもない状態の時は打ち方を変えます。
踵を付けてつま先を開き、両足を揃えましょう。
その姿勢でスイングすれば体重移動はなく、シャンクすることはないはずです。
ただし飛距離が落ちるので、事前に練習をして飛距離チェックが必要です。
アプローチでシャンクすると楽しくなくなる?
1度でもシャンクが出ると、それまでの楽しいラウンドが台無しになるものです。
もちろんシャンクをしない打ち方を覚えることが最良ですが、プレー中に突然シャンクしたら、両足を揃えたアプローチで切り抜けるのが一番確実な方法だと思ってください。