アプローチをする際にコックは入れるべき?それとも不要?

最終更新日:2018/01/27

皆さんは、アプローチをする際、どのようなことに気をつけて打っていますか?

シチュエーションに応じた技や、距離感、落とし所などを気にしてクラブ選択をし、アプローチを放つと思いますが、コックについて考えたことはありますか?

そもそも自分の打ち方はコックが入っているのか?
もしくは、ノーコックなのか?

意外と皆さん自然と打っている人が多いので、一度考えてみましょう。

今回6つのテーマで学習し、最終的にコックはどうするべきなのか、自分自身の回答を出してください。

コックを理解する

まず、コックとは正式にはコッキングと言い、手首の動きのことを言います。

スイング中に手首を曲げて、軌道をオンプレーンに正しく導いたり、体の回転に沿ったスイングを作る役割をしています。

さらに、コックを入れることにより、タメが生まれるので、コックをリリースした際にクラブのシャフトがしなり、飛距離をアップさせる効果も生まれます。

そして、基本的には、腕とシャフトが90度の関係になることでフルコック、つまり最大限にコックしたという形が理想です。

またコックにはもう1つの役割があります。
クラブをダウンブローに入れやすくする役割です。

コックをすることにより、クラブを鋭角的に下ろしてくることができるので、地面にあるボールを打つには適しています。

そんなコックはアプローチではどういう役割があるのかを次は見ていきましょう。

アプローチの際のコックを入れるメリット

アプローチをする際に、コックを入れるメリットはボールに高さを出すことができるというのが一番大きなメリットでしょう。

前述でお伝えした通り、コックを入れるとクラブを鋭角的に下ろしやすくなります。
そのため、ボールがフェース面に乗る時間が長くなるため、ボールの打ち出し角度が高くなるのです。
さらに、ボールがフェースに乗る時間が長いということは、バックスピン量も増えるということになるので、グリーンでボールがピタッと止まりやすくなります。

総評すると、ロブショットやチップショットの際に、コックを入れた方が良いということになるでしょう。

そこからランニングショットやピッチショットの際は、転がして寄せる技のため、無理にコックをする必要がないということが分かります。

もう1つのメリットはダフリにくくなるということです。
クラブが鋭角的に入る分、ボールより手前の芝を打つ確率が低くなるからです。

ダフリやすいゴルファーはコックを入れて打つことをオススメします。

アプローチの際のコックを入れるデメリット

アプローチの際にコックを入れるデメリットは、距離のコントロールが難しくなるということです。

飛距離のコントロールは、リズム、テンポ、振り幅で行うのですが、コックを入れてしまうと再現性が難しくなり、飛距離にバラつきが出やすくなります。

例えば、コック量を毎回一定にするのがどれだけ難しいのかを考えてみましょう。
毎回15度に下りましょうと言われても調整が非常に難しいですよね。

切りのよい90度なら感覚でも分かりやすいですが、それ以下の中途半端な角度に毎回同じ角度で折れるようになるには相当な練習量が必要になりますし、日によって体の感覚も多少違うので難しいのです。

さらにコックをすると、どうしてもダウンスイングでリリースしなければいけません。
するとリリースする際にスピードが加速しやすくなってしまいます。
基本的に距離感を安定させるには、一定のリズム、テンポが必要不可欠なため、加速は致命的になります。

こちらも毎回加速スピードを時速10kmで安定させましょうと言われても、かなりの難題になってしまいます。

常にバックスイングのスピードに合わせてスイングするためには、コックを入れると難しくなってしまうのです。

小さいスイングでコックを入れると手打ちになる

小さいスイング、即ち腰の高さ以下でのスイングをする際、どうしても小さく振ろうとして手打ちになりがちです。
さらに、コックを入れてしまうと、手元しか動かないということも良く多発し、フォローで詰まり、ミスしてしまうということも多々あるものです。

アプローチでは基本的に体の正面でスイングするということが大事になるので、常に手元と一緒にお腹、腰は右、左と回転させなければいけません。

どんなに小さいスイングでもそれが体との同調の動きになるので、再現性を高めるために必要になります。
ややハンドファーストで構えた手首の角度をキープした状態でスイングをすれば、自然とクラブがやや鋭角的に入り、ダフリも防止できます。
さらに、体と一緒に動かすことにより、常にクラブが同じ動きをするので、ミスヒットが格段に減ります。

実際、パターでも手首を使ってストロークをしないので、感覚としてはパターを打つ感覚に類似しています。
手首の感じがつかめない際は、パターだと思って打ってみるとイメージが沸きやすいでしょう。

ノーコックでできるアプローチのスイング幅の限界

コックをしない方が距離感が安定するということで、実践される際に注意点があります。
それは、大きなスイングでは適用しないということです。
ノーコックで打てるスイング幅の限界は、クラブヘッドが胸の高さに来る位置までです。
良く表現される方法としては9時~3時の振り幅と指します。
これ以上大きいスイングでコックを用いようとすると、体が浮きやすくなったり、前傾が起きやすくなったりします。

上下の動きが入ると左右の動きが鈍くなり、回転に支障をきたします。
9時~3時の幅以下でのアプローチの際に適用する打ち方という認識にしましょう。

距離の目安としては、男性では50ヤード以下、女性では30ヤード以下が妥当です。
それよりも大きいスイングではむしろコックを使わないと、ダフり、トップのミスが出やすくなります。

こちらもパターで考えてもらうと分かりやすいですが、パターを大きくスイングしたらミスヒットしやすくなります。
確実に捉えるためのスイング幅で打つのがパターです。
コックを用いればそれだけミスヒットする確率が高くなるのです。

全てのアプローチでコックを入れているゴルファーもいる

実際、トッププロゴルファーでも小さいスイング幅でのアプローチでコックを入れている人はたくさんいます。
この人たちの特徴としては、通常のスイングでもややアーリーコック気味でスイングをしている人が多いです。

通常のスイングと同じ軌道を描き、振り幅を小さくしているだけなので、彼らの場合は、小さいアプローチでもコックを入れているのです。

もちろん前述通り、一般的には飛距離がばらつきやすくなるのでオススメしませんが、普段からアーリーコック気味でスイングしているゴルファーは試してみるのも良いでしょう。
普段と同じ打ち方で打てるということでリラックスして打てるかもしれません。

例としてジョーダンスピース選手のアプローチを見てみると良いです。
綺麗にコックして20ヤードを寄せるシーンを多々見られます。

自分の打ちやすい打ち方を決めたら、とことん練習してください。

コックあり無しをはっきり決めよう

最後に、ここまで読んでコックへの意識は変わりましたか。
基本的には入れないほうが安定するのは分かったでしょう。

しかし、ゴルフスイングでは、1つの理論ではなく何十通りの理論が混在しているので、どの理論が自分に当てはまっているかを見極めるのが難しいです。

オススメは、基本的な打ち方をやってみて、違和感を感じたら自分に似ているスイングの人を真似ると言う方法をとってみてください。
そうすると、感覚が掴みやすいはずです。

そして、それがコック入れている打ち方であれば、ご自身にとってはコックはメリットの方が強いということになります。

是非色々試して上達していきましょう。