憧れのスイングを見せてくれるプロゴルファーですが、自分で真似をしてもなかなか同じようなスタイルにはならないようです。
プロの試合や練習などからゴルフに対する考え方と、自分自身が上達するために参考とする秘訣を探っていきたいと思います。
ゴルフトーナメント会場で観るとプロのスイングに圧倒される
ゴルフの試合を観ると「プロのようなスイングがしたい」との想いが強くなってくるものです。
テレビ観戦して「自分も同じスイングをしたい」と感じて練習場に行くと、放送後には打席が埋まっているなんて経験はないでしょうか?
テレビ中継は解説などがついていますし、いろいろな角度で観ることができるので、現場で見ているよりも楽しめる場合があります。
一方で実際トーナメント会場に足を運んだ場合では、生で見るプロのスイングに驚き、その迫力と歓声に惹きこまれることがあります
特にプロのショットを見ると、その高い弾道に驚くと思います。
ドライバーのティーショットは想定する高さをはるかに超えていて、「空の中に消えていく」ように飛び出していきます。
慣れないとボールの行方を見失うので、打つ前に自分のボールが飛翔する高さよりもかなり上を見定めて、そこにボールが現れてきたボールを追うと最後まで見届けることができるはずです。
そんな憧れるプロのスイングですが、アマチュアでも近づけることはできるのでしょうか?
現在は道具が進化しているので、飛距離を近づけることは可能です。
また方向性も近づけることはできますし、バックスピンだって多くのアマチュアゴルファーが実践しています。
自分に合った道具に巡り合えば、プロと遜色のないスイングをすることができると思います。
ゴルフトーナメントでプロのスイングを支えるキャディの役割
プロがトーナメントに出場しているときと、プライベートでのゴルフに違いはあります。
その1つはキャディの存在です。
ツアープロの試合では、帯同キャディもしくはハウスキャディを個別につけています。
1人のプレイヤーに1人のキャディ、試合中のプレイヤーに助言できる唯一の人なのです。
トーナメントプロにつく彼らの仕事はバッグを運ぶだけではなく、コースに対するデーター提示や攻略法、ショットの前にはスイングのチェックも行う重要な役目を担っています。
そのためプロにとっては心強い味方ですが、それだけにちょっとしたタイミングの違いや読みの違いがあると、トーナメント期間中でも専属キャディを交代することは珍しいことではありません。
信頼関係があるからこそ、アドバイスを聞くことができるわけで、ときにはキャディのアドバイスを信じてスイングを修正することもあります。
ただしすべてのプロが帯同キャディを連れているわけではありません。
プロキャディを雇用するには、日当はもちろんのこと移動や滞在などの経費が必要となります。
経費に見合う収入がなければ、帯同キャディを雇うことはできません。
そんなときは、プロは自身が自己チェックで修正することになります。
でも勝利が見えてくるとプロであってもプレッシャーを感じることになります。
プレッシャーを感じてのミスの場合には、1人で修正するのは難しいかもしれません。
特に距離感のないパッティングのときには、普段からパターのストロークを見ていないとアドバイスが難しいと言われています。
プロゴルファーの素晴らしいスイングには、見えないところでお金がかかっているということかもしれませんね。
プロゴルフ観戦ではスイングに支障がないようマナーを守る
プロに限らずプレイヤーはアドレスに入ると、音や光または人の動きに敏感になるものです。
そのためトーナメント会場では観客に『Quiet』『お静かに』とボードを掲げて、プロのスイングに支障がないように促します。
アドレスに入っていなければ大丈夫と勝手に判断して、動いたり声援したりする人がいますが、ルーティーンに入ったら静かにするのがマナーであり、競技を観戦するときには必ず守らなければならないことです。
現在では写真を撮ることを禁じていることが多く、例え音がならない動画であっても映すことはできません。
一方で声援については仕方のないことですが、もともとゴルフはサッカーや野球とは違って声に出して応援するスポーツではありません。
米国の会場ではドライビングショットに「You are the man」と叫んでいたり、ショートホールで「Get in the hole」と大声を上げていますが、あれは選手のために叫んでいるのではなく、最初に声を上げることに価値を見出しているだけです。
我先に叫ぼうとインパクト前にフライングすることもあり、正直みっともない行為だと思います。
一方で選手も過敏になりすぎているところもあります。
あるとき有名プロがグリーン上でパッティングをしていて、ボールに当たる直前に観客がクシャミをしたそうです。
その音に腹を立てて、本人のところまで行き「邪魔しないで」と注意したところ、あとからプロ仲間が「君はゴロツキか? 生理現象をワザとやるわけがないだろう」と注意をしたそうです。
ちなみにそのアドバスした選手は、そのあと「お大事にくらい伝えときなさい」と教えたそうですから、誰しも音については敏感なのかもしれませんね。
荒天のゴルフ場の方がプロのスイングと攻略法が勉強になる
プロのスイングでもっとも凄いと思えるのは悪天候の中でのショットです。
天候のよいときは、アマチュアでもプロ並みの飛距離を持っている人もいれば小技が上手い人もいるでしょう。
でもコースコンディションが悪くなると、自慢の飛距離や小技が使えずに苦労することがあります。
もちろんプロも同じ人間ですから、コースが荒れていたり天候が悪ければプレーに支障をきたすこともありますが、それをカバーする技を知っています。
基本的なところでは、ゴルフ規則で定められたプリファードライは、面倒がらずになるべく使って条件の良い場所から打つようにします。
雨の中ではグリップが滑らないように、なるべく手を濡らさないようにしますが、スイングに邪魔なレインウェアの着用は極力抑えているようです。
また視力が弱くてメガネが必要でも、曇ることを想定してコンタクトを着用しています。もちろんスペアのグローブやソックスも携帯しています。
このようにプロの場合には、いつ天候が荒れてもよいように準備をしています。
実際に天候が崩れてくると、晴天のときの攻略法と変わってきます。
雨が芝に染み込むとラフは重くなるので、フェアウェイキープが必須になります。
ドライバーが不安であれば、スプーンやドライビングアイアンなどを多用して真ん中から打つことを選択します。
またバンカーは砂が硬くなって締っているので、ダイレクトに入ると目玉になることが多くなるので、バンカー越えギリギリのイチかバチかのショットは挑戦しません。
さらにコースマネジメントを考えたショットをしています。
濡れた芝の抵抗を考慮してソールの厚いユーティリティを使い、バンスを利用しやすいウェッジが使える場面を増やす攻め方をします。
憧れのプロと同じスイングを目指すならゴルフ理論を理解する
憧れのプロと同じスイングをしたいと思うことが多いかもしれません。
世界で活躍する松山英樹選手などを参考に、自分のスイングに取り入れたいと考えるのがファンの心理であるのだと思います。
でも残念ながらプロのスイングを簡単に真似することはできません。
松山英樹選手と言えば世界でも5本の指に収まる選手です。
野球でいえば大リーグの4番打者のような存在で、身体能力の高さがあるからこそ、あのスイングができるわけです。
筋肉や関節の柔らかさも違いますし、寸分たがわぬスイングの正確さも明らかに違うはずです。
形だけが似てもかえってボールコントロールができない、飛距離が出ないといったことになるかもしれません。
ちなみにプロの場合には、基本のスイングを習得した後で、自分なりに長所を伸ばし短所をカバーできるようなスイングに改造しています。
そのため特定のプロを参考にボディーターンや軸を移動する打ち方を取り入れる場合には、しっかりゴルフ理論を理解してから取り組まないと、スイングが崩れて収拾がつかないことになる可能性があります。
プロのスイングを身につける3つの条件とは
プロと言っても人間ですからミスをすることもあります。
テレビ中継であまり見ることはありませんが、ティーショットやセカンドショットでチョロしたりザックリだったり、またとんでもないところまで曲がって行って隣のコースから打つこともあります。
ただそんな荒れたボールやスイングであっても、上がってみるとパーだったりバーディーだったりと、スコアとプレーがかけ離れていることがあります。
一方でさすがはプロと言えるショットを打っていてもボギーになったりダブルボギーを叩くこともあります。
プレーの質とスコアとの違いは、リカバリーの経験値ではないかと思います。
少なくともプロゴルファーは、一般のアマチュアゴルファーよりも多くのボールを打っています。
しかもプロになる前もたくさんのボールを打ち、ラウンドを重ねてことでライセンスを取得しているわけです。
そんな彼らも最初は下手だったはずです。
ただ練習量が多くしかも効果的な練習法を取り入れたことで、飛躍的に上達してプロへの階段を上って行ったわけです。
ゴルフを上手くなるなら練習をすること、ラウンドの機会を増やすこと、そしてミート率を上げること、この3つが可能になれば、もしかするとプロのようなスイングが可能になるかもしれません。
ゴルフの真髄は「簡単にスイングするからプロ」
プロは簡単にスイングをしているので、誰でも同じスイングができるように思えるものです。
ただ実際には腹筋バキバキ、肩が180度回転といった身体能力を持ち合わせていて、その能力の中から、ショットを行っているわけです。
簡単に見えるからこそプロであって、難しそうに打つようであれば、まだ何かが欠けているのかもしれません。