ダウンスイングでの左肩甲骨の動きが左肩の外転の元になる

最終更新日:2017/08/25

スイングでもっと大事なことはインパクトの瞬間です。

その良いインパクトを迎えるために重要なのはダウンスイングになります。
上手にダウンスイングをするためには左肩甲骨を動かして、左肩を外転させる捻転が重要となります。

今回は左肩甲骨の可動域による正しいスイングのあり方を確認します。

ダウンスイングの左肩の外転は左肩甲骨にあり!

ゴルフのスイングで最も大切な瞬間は「インパクト」です。
すべての動作は、このインパクトが上手くいくようにしているものなのです。

では、上手なインパクトができるために必要なこととは何でしょうか?

それは上手な「ダウンスイング」を行うことです。

そのダウンスイングにとって、もっとも大切な役目をしているのが「左肩甲骨」です。
テークバックで肩を回すと、背中の中にある大きな骨「肩甲骨」が移動しています。
体の中心軸に対して、左肩甲骨が外転しているわけです。

ただし、肩先を回すイメージを強く持ちすぎると、左肩が下がることになります。
左肩が下がるとスイングに悪い影響を与えるので、もし下がっているのであれば修正なければいけません。

ダウンスイングで左肩甲骨を意識的に動かし外転させる

テークバックで下がった左肩は、その反動でダウンスイングのときに上がってしまいます。

これは肩が縦回転をしているからです。
もともとスイングのときの肩は、身体の軸を中心にコマのように回っているわけではありません。

外見的には左肩が外転しているように見えますが、実際の体の中ではテークバックで背骨付近にあった左肩甲骨が左方向に移動しています。
ただし、この左肩甲骨の動きは意識的に動かさないと、肩甲骨は中途半端にしか外に移動しなくて不完全なスイングになってしまします。

このような左肩甲骨の移動ができないテークバックは、一見すると左肩を回しているように見えますが、実際には肩関節を曲げているだけなのです。
無理をした姿勢で捻転し、トップの位置に手首を上げたために、上体を左側にゆがめた状態で不格好な姿勢になっています。
左サイドが下になった状態で回転するため、結果的に左肩が下になったテークバックになっているのです。

ダフリの原因はダウンスイングで左肩甲骨が外転しないから

トップまでグリップを引いたとき左肩は外転し、左肩甲骨は背骨から一番遠い位置にいます。

ところが左肩が下がった状態でテークバックをしたため、トップの位置では右肘が開き、外側に出てしまいます。
そのためダウンスイングに入ると、右脇が開いたことから右手のパワーが強いダウンスイングになるはずです。

さらに強烈なダウンブローを意識すると、上げていた右肘を急激に下して一緒に右肩が落ちるダウンスイングにつながります。
結果的にダフリやトップの原因となるわけです。

左肩を下げたテークバックをしたときは、トップの位置まで無理やりグリップを上げようとします。
結果としてグリップを強く握り、手首が固くなってしまいます。

特に右手首が硬くなると、インパクトのときにフェースがスクエアに向くことができません。
グリップエンドが先行したダウンスイングになり、フェースが開いてインパクトするとスライスボールの原因になります。
もしくはそれを防ぐために右手をかぶせてしまい、フックボールの原因となることもありますので、左肩下がりを防ぐためにも左肩甲骨を意識したスイングをするようにしましょう。

左肩の外転と左肩甲骨の移動で力強いダウンスイングになる

ドライバーなど飛距離重視のクラブを振るときには、右側の壁、左側の壁を意識しなければいけません。
テークバックやダウンスイングで上体が揺れていると スイングプレーンがゆがんでインパクトに悪い影響を与えてしまうからです。

本来はボールの後ろにクラブヘッドを置き、そこからスイングが始動します。
ドライバーの場合には、ティーアップしたボールを打つわけですが、ボールの位置は左足内側のくるぶしの延長線上にあります。

このとき回転軸を背骨とするならば、インパクト位置はスイングプレーンの最下点よりも先(左側)にあることになります。

つまり上から下にそして下から上に動く、振り子のようなスイングプレーンの中で、最下点から少し上がったところでボールに当たるわけです。
ダウンスイングのヘッドとは、後ろから前にスライドする動きではありません。

またスイングプレーンのヘッドの動きも円を描いています。
この円は振り子と同じ縦回転ではなく、斜めに傾斜した盤のようになっています。
クラブヘッドで丸い円を描くためには、体を右側に寄せたり左側に突っ込んでいく必要はありません。

グリップは斜め後ろにテークバックし、ダウンスイングでは斜め下に振り下おろすことで円の形ができ上がります。
そしてこのテークバックで大事なことは左肩の外転をできるだけ大きくとり、左肩甲骨の可動域を広げることで、体をねじり上げたときに蓄えた強い力を解放することができるわけです。

肩の外転より左肩甲骨を意識したダウンスイングが弧を描く

ドライバーでは飛距離を求めるために、左肩甲骨を使った十分な捻転が必要となりますが、アイアンのように正確に距離と方向を求めるクラブの場合には、背骨を中心軸としたスイングが必要となります。

正確なショットをするためには、ボール(ターゲット)に対して正確にフェースを当てることです。

そんなスクエアなショットをするためには、左手甲を意識することで可能になります。
あくまでスイングプレーンの考え方はドライバーと一緒ですが、左手甲の動きを意識すると、背骨を中心軸にして自然と左肩は外転してくれます。

テークバックのときには、左手甲と左手小指に意識を集中して引くようにします。
左手小指が下を向いていることで左肘は締まり、左脇が開くこともなくなって上体が右側に傾くことも防いでくれます。

その上で、クラブヘッドが時計の時刻で3時を指す少し前に右肩を後ろに引きます。
この右肩の動きに連動して、左肩甲骨は左サイドに移動して、ドライバーのときと同じような背中の動きができるようになります。

結果して円運動によるコントロールと、理想のダウンスイングからの強いインパクトを与えることができるようになります。

左肩甲骨を意識した正しいダウンスイングを目指す

ダウンスイングで大事なことは、ボールにクラブヘッドが当たるわずかな時間に、飛距離を与える力(パワー)と、正確な方向性(コントロール)を伝えることです。

特にピンを狙うショートアイアンの場合には、わずかな違いでターゲットポイントを外すことになります。
そうならないためには、毎回一定のリズムでスイングすることが大切です。

スイングの動きに対して身体の中で動きが少ないのは中心軸となる背骨です。
反対に一番動きが大きいのは背骨から遠い手のひらです。
つまり中心軸を基点としたとき、外転する度合が高いのが腕の先ということになります。
ただグリップを握る手のひらや、それを支える腕の動きをコントロールしているのは肩です。
そこで「肩を回す」ことがスイングの良し悪しに繋がり、十分な捻転が必要だと言われているわけです。

でも実際には肩がコマの外側のようにクルクル回っているわけではなく、背中に張りつく大きな左肩甲骨が外側に移動することで、外転が起きています。
肩甲骨を動かさずに肩だけを回しても、それは捻転にはならずに手打ちのような打ち方になります。

ですから身体の中の動きを知ることで、プロゴルファーのようなスイングスタイルも可能になるかもしれません。
ただし、肩甲骨は年齢とともに可動域が狭まっていますから、十分にストレッチして常に柔らかい状態をキープしておくことが、良いスイングフォームに繋がるはずです。

正しいインパクトをするには左肩甲骨のストレッチが大切

肩の外転を意識すると左肩が沈んで、不自然なスイングフォームになります。

左肩甲骨を外側に移動するテークバック、同じく内側に移動するダウンスイング、そしてフィニッシュで背骨に重なるように移動させるとスイングは完成します。

あとはそれを可能にするためのストレッチを欠かさず行うことが大切です。