ミシェルウィーのパタースタイルは独特な事が画像で分かります。
周りからは格好悪いと言われているパターのアドレスですが、本人は打ちやすく入りやすいと言っているので、形としては成功していると言えるのではないでしょうか。
ただ、腰を90度位曲げてパターストロークするので、腰痛にならないか心配です。
ミシェルウィーは長身でパターの際ボールと目の距離が遠いと感じるのでこのスタイルにしたそうなのですが、ちょっと極端に思えます。
では、ミシェルウィーのパターについて見ていきましょう。
ミシェルウィーのパタースタイルは誰でも真似できるものではない
ボールと目の距離を近くする為、ミシェルウィーは腰を90度曲げてパターを行うそうです。
一見すると単に腰を深く曲げてストロークしているだけの様に画像から見えます。
しかし、腰の角度を深くする、いわゆる前傾角度を深く取りすぎると距離感を合わせるのが難しくなります。
実際にパッティングしてみると分かるのですが、カップまで遠い場合、上から見た方がラインと距離感は合わせやすいのではないでしょうか。
逆に前傾角度を深くしてかがんでストロークしようとすると、距離感が非常につかみにくくなります。
これは人間が普段生活する中で距離感というのを無意識に感じており、代表的な例で言うと車の運転なんかは前の車との距離感を自然と保っていますよね。
両目で見て、相手との距離感を感じ取っているのですが、ミシェルウィーの様な構えは不自然な分、距離感という感覚をつかむのが難しくなると言えます。
ですので、いかに平均パット数が良くなったからといって素人がミシェルウィーのパタースタイルを真似れば、入る様になるかというと、恐らくほとんどの方が逆効果になると予想されます。
独特なスタイルは練習量が伴って初めて自分のものにできると言えるでしょう。
ミシェルウィーの様に長身な人はパターのスタイルを変えてみるのも良い
ミシェルウィーの様に長身な人、身長が180cm以上ある様なゴルファーは、パターをミシェルウィー程ではないにせよ、前傾角度を深くしてみる効果はありそうです。
ロングパットは距離感を出したい為にあまり前傾角度を深くしない方が良いのですが、ショートパットはラインを出す為パターヘッドに正確にボールをヒットさせたいですよね。そこで、パターの芯を外さない様に打つ方法として、前傾角度を深くする事があります。
これは頭とパターヘッドが近づく事により、ブレが少なくなる為なのですが、パターはゴルフスイングの中で最も振り幅が小さく、ブレないイメージがありますが、実は結構パターの芯を外します。
パターは芯を外して打つと、芝目やラインにボールを持っていかれる幅が大きくなる為、ショートパットでは致命的になります。
しかし、前傾角度を深くする事によってこのミスヒットを減らす事ができるのですね。
ミシェルウィーも画像で見るとかなりの前傾角度でストロークしている事が分かりますが、こうした効果を狙ってのスタイルだと思われます。
画像で見るミシェルウィーのパタースタイル。背中が真っ直ぐな事が凄い!
ミシェルウィーの90度曲がったパタースタイル、画像でその背中を見ると真っ直ぐな事に驚きます。
人間の骨格の特徴からあれだけ曲げた前傾角度で背中を真っ直ぐに保ち続けるには腹筋と背筋の力が必要になります。
ミシェルウィーは深い前傾角度からパターを吊るす様にストロークするので、背中の上の方が多少丸みを帯びても良いと思うのですが、アドレスからストローク中も真っ直ぐです。
これには筋力が必要になると共に、普段練習中も真っ直ぐな状態を保っているという事ですので、筋力トレーニングも欠かさず行っていると思われます。
独特なパタースタイルですが、その独特さ故にツアーで戦っていく為のものとするには並外れた鍛錬が必要です。
腰を90度に曲げ、背中が真っ直ぐなパタースタイルは彼女が編み出した方法なのですが、こうしたセオリーにない方法を自分の形とする為に様々な試行錯誤があったことでしょう。
他人の言葉に影響されない、それがプロとしての強さと言えるのではないでしょうか。
画像で見ると昔は多かった、ミシェルウィーの様にパターをかがんで打つプロ
歴史を見ると、形は多少違えどミシェルウィーの様にかがみ気味にパターをするプロが結構いました。
今でも画像が残っているのでその様を見る事ができるのですが、かの帝王ジャックニクラウスもかがんだパタースタイルでした。
ただ、ミシェルウィーと違い、背中を丸めてスタイルを小さくしながら打つプロが多かった様です。
これは、今とは道具が違い、当時のパターは棒の先に平べったいヘッドが付いているだけのパターしか無かった為、スイートエリアの狭いパターヘッドに正確に当てる為にこの様にかがんだスタイルになったものと思われます。
今の様に肩の動きで打つショルダーパッティングが浸透するのはこの時代よりももう少し後になってからです。
その後、パターヘッドの形状も今では当たり前のピンタイプの登場により、スイートエリアが広くなり、転がりを一定にする為に手首を固定しメカニカルな打ち方が主流となりました。
ミシェルウィーのパタースタイルはこのショルダーパッティングの延長と言う事ができます。
事実、彼女のストロークはかなり固定された動きとなっています。
ミシェルウィーのパタースタイルは、目線がパッティングラインの上
テーブルトップと言われる背中が真っ直ぐ、腰を90度に曲げたミシェルウィーのパタースタイルは、パッティングラインの前方又は後方から撮影された画像を見ると目がちょうどボールの上に来ている事が分かります。
これ、何を意味するのかと言うと、パッティングはラインにボールを乗せる事が必要なのは皆さんご存じだと思いますが、ミシェルウィーの様に目の真下にボールがあるとストロークでボールをラインに乗せやすくなるという効果が得られるからなのです。
なぜかと言うと、ボールの真上に目があると言う事は、パターヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す事が簡単にできます。
しかも、目がライン上にある為、特にラインに乗せる事を意識しなくてもストロークするだけでボールはラインに勝手に乗ってくれるのですね。
試しに、ボールを目の位置よりも外側、内側に置いてストロークしてみてください。
内側に置いた場合はまだ真っ直ぐストロークできると思いますが、外側に置いた場合ヘッドを真っ直ぐストロークするのが難しくなるのではないでしょうか。
この為、プロや上級者はボールを目の真下に置くようにアドレスするのです。
男性の様なスイング画像、ミシェルウィーの課題はショートゲーム
女性のメジャートーナメントも勝った事のあるミシェルウィーですが、彼女のスイング画像を見ると、男性の様なスイングです。
長身を生かした大きなスイングアークで、強烈なダウンスイングのタメを作って飛ばします。
体は細いのですが、バネの力がある為スイングスピードはかなり速いと言えます。
飛距離については他の女子プロよりも飛ぶ事はもちろん、あまり飛ばない男性プロをもオーバードライブする程の力を持っています。
当然、セカンド以降使用するクラブが短くなり、その分有利とも言えるのですが、当初期待された程結果が出ていません。
ミシェルウィーが勝つ条件としては、やはりショートゲームのレベルアップでしょう。
これだけの飛距離とセンスを持ちながら、ここぞという時に勝てないのは、パターを含めたショートゲームが上手くいかないからです。
一時期パターに悩み、その解決方法が今のパタースタイルになったのですが、更に今後は100ヤード以内の精度を磨く事により、もっと勝てる選手に成長すると思います。
パターは結果入ればよい。個人の感性に重きがあるパタースタイル
ミシェルウィーのパタースタイルは一見すると個性的で、入る様には見えにくいと言えます。
背中が真っ直ぐ伸び、天板みたいに見える事からテーブルトップと言われるパタースタイルですが、パターが入らなくて悩んだ末の打開方法が今のパタースタイルになったと言われております。
事実、ミシェルウィーは今のパタースタイルにしてから平均パット数が良くなっています。
パターとアプローチの上達が更に彼女に勝利をもたらすことと思います。
結局の所、パターに定石なしという事でしょうか。