ゴルフのプロ、いわゆるトーナメントプレーヤーになるにはゴルフ団体であるPGAが主催するプロテストに合格しなければなりません。
しかし、レッスンプロになるには、PGA認定のティーチングプロになるか、スクールや特定の組織が運営するゴルフスクールでのみ認定されるレッスンプロになる方法があります。
当然、前者は狭き門となりますが、後者の方、特定の会社が運営する組織に所属しそこでレッスンプロになる方は比較的やさしいと言えます。
では、レッスンプロになるにはどの様な方法があるのか、それぞれのメリット、デメリットについて見ていきましょう。
従来はレッスンプロになるにはPGAの厳しいテストがあった
レッスンプロになるには、現在でもPGA主催のPGA認定ティーチングプロ(ちなみにティーチングプロというのはPGAの登録商標となっています)になる方法が王道と言え、先ずはPGA主催のB級ティーチングプロ試験に合格しなければなりません。
PGAティーチングプロB級の試験は、実技3回、そこで受かれば筆記試験が行われます。
実技3回には試験を受ける為のプレ実技という物も含まれています。
スコアは試験会場であるゴルフ場の難易度や天候にもよるのですが、プレ実技では普段80台を切る様なスコアで回れないと厳しいでしょう(もちろんバックティーです)。
最終的にB級ティーチングプロになれるのは毎年70~80名ですので、全体の試験参加人数からすると1割ない位なのではないでしょうか。
こうしてティーチングプロの資格を得るには厳しいテストがあるのですが、昨今ではゴルフレッスンを行う企業内でしか使えないレッスンプロの資格もあります。
あくまでもレッスンプロという名称です。
これはPGAのティーチングプロとは違い、その企業でのレッスンプロになるには研修を受講し、お客様であるスクール生にゴルフを教えるという物です。
あくまでも、その企業主催のレッスンプロですので、退職したりその企業が運営していない他のゴルフレッスン場ではレッスンできないという制約があります。
レッスンプロになるにはゴルフスクール主催企業に就職するのが早い
他人に対価を貰ってゴルフをレッスンするには、ティーチングプロかレッスンプロになる必要がありますが、レッスンプロになるにはゴルフスクール運営企業に就職し、その企業の研修を受ける事が近道です。
PGAのティーチングプロになるには、いつもラウンド70台で回れる様なゴルフ技術もさることながら、スムーズにいって取得までに最低でも1年位掛かります。
その点、企業のレッスンプロなら給料を貰いながら(少ないでしょうけど)研修を受ける事ができます。
つまり企業主催のレッスンプロになって、腕を磨いてからティーチングプロを目指すという方法もあります。
また、レッスンプロの間にレッスン生である顧客とのコミュニケーション力を磨く事ができるでしょうし、逆に言えばティーチングプロになったとしても、サービス業であるゴルフレッスンでコミュニケーション力がなければお客様を獲得する事は無理と言えます。
この辺りが、同じゴルフを生業とするトーナメントプロとの違いと言えます。
極端に言ってしまえば、トーナメントプロはコミュニケーション力が無くても、自分のゴルフの腕一つで生計を立てられる職業ですので、コミュニケーション力は後回しでもよいと言えます。
レッスンプロになるには、当たり前だがゴルフスコアの平均が重要
ゴルフのレッスンプロになるには、当たり前ですが平均ゴルフスコアの向上が欠かせません。
よく、たまにアンダーで回れるとは、”5回に1回は70台で回れます”といった方がおられますが、レッスンプロになるにはこのスコアの平均でいつもよいスコアを出せるようになる必要があります。
考えてみれば当たり前なのですが、レッスンを習う人が自分よりも下手なゴルファーに習いたいと思うでしょうか。
もちろんならないですよね。
ですので、たまに良いスコアが出るだけではダメなのです。
また、いつも良いスコアで回れるというゴルファーは、必然的にスイング理論についての造詣が深くなります。
そしてスコア作りににはコースマネジメントが影響する事にも気づきます。
他人にゴルフを教えるには、こういったスイングだけでなく総合的な要素が必要になってくる為、ゴルフスコアの平均を上げる事が最重要となります。
と言う事は、平均を落とさない為に日々練習や鍛錬が必要になってきます。
つまりレッスンプロになるにはこうした意識も必要になります。
レッスンプロになるにはがんばればなれるが、生計を立てるのは別問題
レッスンプロになるには努力すればなれます。
もちろんPGAのティーチングプロにも努力すればなれると思います。
しかし、ティーチングプロやレッスンプロというのは医者や弁護士などの業務独占資格と異なり、なっただけで職がある訳ではありません。
そうです、自分で仕事を作らなければならないのです。
企業のサラリーマンとしてのレッスンプロなら、その企業が公告宣伝を行ってくれる為お客様からやってきてくれるでしょうが、レッスンプロはその企業内に競合が沢山いるでしょうから、自分を選んでもらう仕掛けが必要になります。
教え方が下手だったり、コミュニケーションに問題のあるレッスンプロならすぐに飽きられてしまうでしょうね。
ティーチングプロはもっと過酷で、こちらは職人の世界です。
自分が教えるプロとして、会社の看板もなく個人の力で仕事を作っていかなければなりません。
よくトッププロを教えるティーチングプロがクローズアップされますが、そんな人は全体の一千分の数パーセントでしかありません。
その他大多数は自分の力でお客さんを獲得しなければ食べていけないのです。
レッスンプロにはトーナメントプロでもなれる
ティーチングプロや、レッスンプロになるには別の道もあります。
それは、PGA主催の認定プロという物です。
従来、プロのトーナメントに出場するにはPGA主催の資格認定試験(いわゆるプロテスト)を受け、合格する必要がありました。
資格認定試験は受験するゴルファーのステータスによりスタートラインが異なるのですが、一番初めが1次予選を受ける為のプレ予選を通る必要があります。
プレ、1次、2次、3次試験を通ると、ここでトーナメントプレーヤーとして認定されます。
PGAのトーナメントプレーヤー、いわゆるプロゴルファーになると、そうです、他人に有償でゴルフレッスンができる様になります。
ツアーに出る為には、ここからさらに過酷なQTを通っていかなければならないのですが、ティーチングプロやレッスンプロはここでトーナメントプロとの競合が発生します。
プロゴルファーになってもツアーで賞金を稼げなければ生計を立てられない為、ゴルフ場や練習場に所属してレッスンで生計を立てる必要があります。
レッスンはPGA試験の3次を通った人でも可能となる為、ここでも競合が発生するのです。
レッスンプロになるには日本だけでなく、東南アジアを見据えた方がよい
ティーチングプロやレッスンプロになるには、日本のゴルフ人口の減少を考えた上で、日本国内だけでなく東南アジアを見据えた方が良いかもしれません。
団塊世代の大量退職により、企業のみならず個人でもゴルフをする人が減ってしまい、国内では現在10年前と比べると200万人近くゴルフ人口が減少したと言われています。
ゴルフプレーヤーという母数が減る事により、この先ゴルフ場や練習場も減ってくると予想され、日本国内だけを見てレッスンを考えるとかなり厳しくなってくる事は間違いありません。
しかし、アジアに目を向けて見ると、特に東南アジアは人口が増えており、所得の増加によりゴルフ人口も増えている為、インドネシアやフィリピンを筆頭に有望な市場と見る事ができます。
この先、日本のゴルフ市場が縮小を余儀なくされる中、東南アジアに目を向けてレッスンプロとしての展望を描く事ができれば、魅力的な仕事になるのではないでしょうか。
何といっても東南アジアにはEUを超える6億人もの人口があります。
ビジネス、プライベート両方で将来ゴルファーが増える事は間違いありません。
ゴルフが好き、でもレッスンプロになるには覚悟が必要
レッスンプロとして生計を立てていく方法はいくつかお話ししましたが、ゴルフが好き、レッスンで生計を立てていこう、と思うならそれ相応の覚悟が必要です。
ゴルフに限らず、日本国内では様々なスポーツで顧客の奪い合いが起きています。
人口が減っているのだから仕方無い事ですが、ただ、人気のあるレッスンプロに顧客が偏っているという現実があります。
他人に教えるという、ただゴルフが上手いだけではダメな要素が必要なレッスンプロという事です。
ゴルフが好きでレッスンプロになるには方法がいくつかありますが、なってからの具体的なプランが重要になるでしょう。