ゴルフをしている人には、必ずと言って良いくらい1~2人はお気に入りのプロゴルファーがいるのではないでしょうか。
もちろんお気に入りの理由は、容姿であったり、スイングスタイルであったりと様々です。
スイングスタイルが好きであれば、当然お手本にしようとするでしょう。
これは良いことなのですが、お手本にする選手によっては自分のゴルフ上達の妨げになってしまう場合もあります。
プロゴルファーのスイングをお手本にするためのアレコレをお教えします!
スイングのお手本に男子プロゴルファーはNG
男子プロゴルファーのスイングはパワフルでとても格好良いですよね。
その気持ち、よく理解できます。
しかし男子プロゴルファーをスイングのお手本とするのは、あまり賛成できません。
理由は、「全てにおいてレベルが違う」からです。
例えば、松山英樹選手やアダム・スコット選手であれば、ゴルフを知らない人でも分かるくらいの知名度です。
ゴルフをしている人であれば、知らないなんてことはないでしょうし、ツアートーナメントを見ていれば、スイングを目にする機会も多いでしょう。
あんな300ヤード超えのドライバーショットに憧れる気持ちは分かります。
しかし「スイングを真似たら自分も!?」なんて思うのは大きな間違いです。
彼らはゴルフに関して、天才的な上に、血の滲むような努力を幼い頃からしています。
そしてなんと言っても、ゴルフのための体作りで出来上がった身体能力が、アマチュアとは全く違うのです。
骨格、筋肉、柔軟性など様々な要素の上に作り上げられたスイングをお手本にすることは、無謀と言っても過言ではないのです。
女子プロゴルファーのスイングはアマチュアのお手本
男子プロゴルファーと違って、日本の女子プロゴルファーのスイングはアマチュアにとって良いお手本となります。
だからと言って、女子プロゴルファーが男子プロゴルファーに劣るということではありません。
男性と女性を比較すると、どうしても女性の方が体力や筋肉量では男性に勝ることは難しいからです。
当然女性アスリートになると、一般男性をはるかに超える人もいます。
しかし日本の女子プロゴルファーは小柄で細身の人が多いです。
女子プロゴルファーのスイングは、腕力で飛距離を出す選手よりも、基本に忠実で、身体とクラブをバランス良く振ることで、クラブの性能を最大限に発揮させ効率良くスイングする選手が多いのです。
ですから、ヘッドスピードは一般の男性アマチュアゴルファーと差はありません。
しかし、飛距離は確実に女子プロゴルファーの方が飛ぶでしょう。
例えば、160cmと平均的な身長で、体型も平均的と言ってよい上田桃子選手は、ドライバーの平均飛距離は254ヤードです。
そして彼女の最大飛距離は、270ヤード前後です。
小さな身体とクラブを使って男性に遜色ない飛距離を出している女子プロゴルファーのスイングをお手本にすることが、いかに有効なのかが分かるでしょう。
お手本にするのは女子プロゴルファーのスイングだけじゃない!
女子プロゴルファーをお手本とするのはスイングに限りません。
女子プロゴルファーは、難しいクラブを使っていません。
そういう点で言うと、彼女たちのクラブセッティングはアマチュアゴルファーにとって非常に参考になるはずです。
男子プロゴルファーのようにロングアイアンを入れている選手は意外と少ないです。
実際女子プロゴルファーは難しいロングアイアンの代わりに、ショートウッドやユーティリティを上手く使い、無理なく簡単に飛距離を出しています。
現在アメリカツアーでがんばっている上原彩子選手。
彼女はアイアンを7番以下しか入れないこともあります。
その代わりにフェアウェイウッドを2本、ユーティリティーを3本というセッティングをします。
ゴルフとはロングアイアンを打てるかどうかを競うスポーツではありません。
男性ゴルファーに多いですが、変なこだわりを持って、3番アイアンを入れるよりも、ショートウッドを入れたほうが自分のためになるでしょう。
アマチュアゴルファーにとって、正しいスイングを身に付けることはもちろん、自分に合ったクラブセッティングをすることもスコアアップにとても重要です。
お手本になることはどんどん取り入れていきましょう!
女子プロゴルファーのお手本スイング【イ・ボミプロ】
スイングのお手本となる女子プロゴルファーと言えば、2015、2016年と日本女子ツアーで連続賞金女王に輝いたイ・ボミ選手です。
彼女のスイングは、癖がなく、とてもオーソドックスです。
最大の特徴は、身体と腕が同調していること。
両脇が締まっているので、身体の回転につられて腕が勝手に動いている感じです。
ですから、トップが大きくならず、インパクトでヘッドが戻ってくるのです。
スイングプレーンもとてもキレイですよね。
シャフトのねじれが少なくなり、方向性もアップします。
このスイングをするには、アドレス時の上体の前傾角度をフォローまでキープすることです。
アマチュアゴルファーの場合、とくにトップとインパクトで上体が伸びてしまうので注意が必要です。
お手本の中でもちょっと高度な部分を見ると、切り返しから手の位置が下がり、クラブが寝て横から下りてきます。
ダウンスイングで身体が沈み、ボールをインサイドインからつかむことで、飛距離と正確性を高めているのです。
女子プロゴルファーのお手本スイング【森田理香子プロ】
全盛期を過ぎ、最近は不調ばかりが目立っている森田理香子選手。
それでもやっぱりプロゴルファー、彼女のスイングはお手本にすべき美しいものです。
ツアーの中でも飛距離を魅力としている彼女のスイングは、手首をとても上手に使い、ゆったりとしなやかです。
それなのにあれほどの飛距離が出せるのは、パワーの溜め方が上手いことと、体幹が強いからです。
体重移動を大きく使うというよりも、背骨を中心とした左右対称の回転運動でフィニッシュ直前までしっかりと頭を残し、クラブを体に巻きつけるようにシンプルに振っています。
彼女スイングで一番注目するポイントは、トップからの切り返しの下半身リードです。
下半身の動きだけでなく、トップでできた腕とクラブの角度にも注目して欲しいです。
ダウンスイングで手元が腰の位置にきたときにも、角度がキープできています。
アマチュアの多くは、下半身リードを意識して振り遅れてしまいます。
ダウンスイングでは力んでしまい、手とクラブの角度は崩れ、下半身リードをしているつもりでも振り遅れてしまっているのです。
女子プロゴルファーのお手本スイング【原江里菜プロ】
まるで力強さを感じないけど、実際は安定した飛距離を出してくる原江里菜選手です。
彼女は、アマチュアゴルファーにぜひお手本にして欲しい女子プロゴルファーの1人です。
スイング中に頭を動かしてはいけないと勘違いしているゴルファーが結構います。
あまりにも動かさないことを意識し過ぎて、トップでの体の重心位置が左側に乗ってしまうのです。
このスイングだと飛距離は望めません。
原江里菜選手は、首の付け根の位置はほとんど動きませんが、バイザーのツバが右斜め後ろの方向に大きく回転しています。
また彼女右膝にも注目してください。
トップまで右膝の角度がキープされています。
右膝の角度をキープし、状態の捻転に合わせて頭を回転させることで大きな捻転が生まれ、飛距離に必要な力が溜まるのです。
彼女のスイングで一番お手本にして欲しいのは、「正しい軸回転」です。
アドレス時の右膝の角度を保つことと顔を少し右に向けるくらいの感覚で上半身を捻転することが、正しい軸回転をするための重要なポイントになるでしょう。
何度も見て試して確認すること
女子プロゴルファーのスイングがお手本になるとお話しました。
現在はネットで簡単にスイング動画を見つけることができます。
イメトレやお手本として何度も見ると良いでしょう。
そしてそれらを意識して実際にスイングしてください。
その自分のスイングを動画撮影して、上手くできているか、どこがダメなのかを客観的に見ることが一番大切です。
時間はかかるかもしれませんが、がんばってください!