ドライバーショットでティーが後ろに飛ぶようなら問題あり?

最終更新日:2020/10/09

ドライバーショットでティーが後ろに飛ぶと、ゴルフスイングが上達したと言われることがあります。

一方でティーが後ろに飛ぶのは、ミスショットになっているという考え方もあるようです。

どちらの考え方が正解なのでしょうか?

今回はドライバーでティーが後ろに飛ぶスイングについて考えていきます。

ドライバーショットでティーが後ろに飛ぶことが気になる?

ドライバーのティーが後ろに飛ぶときは、どんなスイングをしていることになるのでしょう。

ティーの飛ぶ位置でドライバーショットの評価をすることがあります。

数年間隔で訪れる評価方法と言っても良いかもしれませんが、何年か以前とは評価の仕方が変わっているため、ネット上で溢れているすべての情報をみると混乱することもあるでしょう。

その理由は、単純にスイングの仕方が変わってきているからです。

スイングフォームが変われば、スイング軌道も変わるので、インパクト前後のヘッドの動きも違ってきます。

そうなれば、ティーの飛ぶ位置も変わってきて当然なのですが、古い評価法を鵜呑みにすると、とんでもなく酷い結果が待っていることになるので注意が必要です。

まずはゴルフの最上級者であるプロのスイングを見ると、ティーショットのあと地面に刺さっているティーを抜いています。

つまり多くのプロはティーを飛ばさずに、ボールだけをとらえていることが分かります。

ただこのインパクト方法を真似しようとすると、酷い結果が待っているのでやめたほうが良いでしょう。

プロのドライバーショットでティーが後ろに飛ぶことがない理由

プロの多くはドライバーショットでティーが地面に刺さったままですが、アマチュアがこれを再現しようとすると、良いショットをすることはできなくなります。

通常ドライバーはアッパーブローでボールをとらえるので、ティーの手前にスイングの最下点を設けて、そこを通過してフェースが上を向いたところでインパクトをするのが基本です。

ところがヘッドスピードの速いプロがアッパーブローで打つと、スピン量が増えて吹け上がってしまうため、レベルブローかもしくはダウンブローでボールをとらえます。

つまり基本から外れたスイングをすることで、自分が理想とする弾道を打ち出すことができているわけです。

ダウンブローで打ち込めば、ティーは後ろに飛ぶことはなく、真っ直ぐ刺したままのはずです。

ただアマチュアがこのダウンブローのドライバーショットをすると、理想とする14度の打ち出し角にならないため、着弾が早まって飛距離ダウンになるか、逆に吹け上がって飛距離ダウンになってしまいます。

基本のドライバーショットでティーが後ろに飛ぶことはない

アマチュアゴルファーのドライバーショットの基本は、アッパーブローのスイングです。

ドライバーのロフト角はおよそ11度、打ち出し角に必要な角度は14度ですから、ボールの側面を打つレベルブローだと、打ち出し角は3度マイナスの計算です。

そこでボールを下から打つことで、そのマイナス3度をカバーするわけです。

ティーアップしたとしてもレベルブローだと、フェースを上に向けてインパクトすることはできません。

ティーの手前にスイングの最下点を設けて、アッパーブローのスイングが必要なのはこのためです。

ボールを下から上に向けて打つということは、ボールと一緒に地面に刺さっているティーも打つことになるため、抜けて飛び出すはずです。

ただ、この場合はボールが飛び出すのと同じ方向に飛びますから、後ろに飛ぶことはありません。

一般的なティー高さは、ティーグラウンドの芝面から2センチです。

この上にボールが乗っているわけですが、ドライバーのフェースの中心でボールをとらえると、ティーごとボールを前方に打ち出すことになります。

ドライバーのティーが後ろに飛ぶのはミスショットだから!

ドライバーのスイングが基本に近ければ、ティーが後ろに飛ぶことはないのですから、仮に後ろに飛んでいるとしたらミスショットになっている可能性があります。

以前は、このティーが後ろに飛ぶことが良いスイングだったと考えられていました。

当時のドライバーは今のようなサイズではなく、もっと小さく現在のスプーンよりも小さかったかもしれません。

当時のドライバーはフェースの縦幅が狭く、アッパーブローでボールをとらえても、ティーを根こそぎ打つことはありませんでした。

ティーの先端を前方に押す程度だったことから、前に倒れたティーはボールがなくなると、その反動で反対側の後ろに飛ぶことになります。

そのため、「ティーが後ろに飛ぶと上手くなった証拠」といった評価があったとしても間違いではありませんが、現在のドライバーでこの症状になるためには、フェースの下部でボールをインパクトすることであり、それはトップと同じ当たり損ねになっているので、やはりミスショットになっていることが想像できます。

ドライバーをダウンブローで打ち込むからティーは後ろに飛ぶ

現在のドライバーのサイズで、ティーが後ろに飛ぶ理由は2つ考えられます。

1つは、トッププロと同じように、ダウンブローのスイングをしていることが考えられます。

アマチュアゴルファーは、トッププロほどのヘッドスピードではないので、ダウンブローで打ち込むと飛距離ダウンになります。

ただ「自分のドライバーは飛ばない」と思っていれば、その飛距離を不思議に思うことはありません。

それどころか、もっと強くインパクトができれば飛距離が伸びるのではないかと、ダウンブローは先鋭化していくことになるでしょう。

そもそもダウンブローの多くは、テークバックでヘッドを真っ直ぐに引くことから始まります。

本来はインサイドに引かなければならないのに、真っ直ぐに引いたということは、すでに円の軌道から外れたアウトサイドになっているということです。

するとアウトサイドインのスイング軌道になり、鋭角的に斜め上からティーを前方に倒すわけですから、その反動でティーは後ろに飛ぶことになるわけです。

ドライバーのティーが後ろに飛ぶのはレベルブローが原因

現在のドライバーのサイズでティーが後ろに飛ぶ、2つ目の理由はレベルブローのスイングです。

フェアウェイウッドやアイアンをクリーンにショットするときのスイング法がレベルブローです。

一般的にはドライバーよりも、スプーンのほうが飛ぶようであれば、レベルブローになっている可能性が高いはずです。

ドライバーだと14度の打ち出し角に満たないことから飛距離は伸びませんが、ロフト角14度のスプーンだと理想の打ち出し角と同じなので飛距離を出すことができます。

飛距離が伸びない原因がアッパーブローになっていないことを感じていると、角度をつけて打ち出そうとしてヘッドを浮かせてしまいます。

結果的にフェースの下部でボールをとらえて、一緒にティーを前方に倒し、そして反動で後ろに飛ぶことになるわけです。

ティーが後ろに飛ぶときは、アッパーブローのスイングになっていないことを知らせてくれています。

そんなときは、ティーの手前20センチにソールして、そこを目がけてダウンスイングをして、そのままフォロースルーをとれば理想的なアッパーブローにすることができるはずです。

ティーが後ろに飛ぶならドライバーのスイングの見直しが必要

ドライバーショットでティーが後ろに飛ぶと、「上手くなった証拠」と言うのは昔のことです。

現在のドライバーヘッドのサイズを考えると、ティーが後ろに飛ぶのはミスショットが起きている証拠です。

そのためアッパーブローを見直す必要はありそうです。