ドライバーの引っ掛けはシャフトの前に確認することがある

最終更新日:2020/01/31

ドライバーで頻繁に引っ掛けが出ると思い切りの良いティーショットが打てず、リズムも悪くなりがちです。

ドライバーが安定しない場合、シャフトを疑うことをすすめられがちですが、その前に自分のスイングを確認することで解決できることがあります。

ドライバーで引っ掛けが出やすいスイング

引っ掛けやチーピンが出る根本的な原因はインパクトにあります。

インパクト時にフェースが被りすぎていることが大きいですが、なぜそのようなインパクトになってしまうか、いくつか原因を紹介します。

●スイング軌道

被ってインパクトしてしまう理由に、右に曲がるスライスを嫌ってアウトサイドインの軌道が強くなっていることが挙げられます。

ただ単にアウトサイドインの軌道が強くなると余計にスライスを誘発リスクがあり、さらにフェースを被せる癖が無意識についています。

●インパクト時の重心

ドライバーでヘッドスピードを上げようと、シャフトのしなりや体の回転を意識するあまり、重心が右に残りすぎてしまっているケースです。

右に残りすぎると、ボールまでクラブが届かないため、届かせようと右肩が前に突っ込みます。

その結果、フェースが極端に被って引っ掛けになります。

●フェースターン

フェースターンは必要ですが、過度(急な)フェースターンは引っ掛けの原因になります。

インパクト時にフェースを返そうと意識するあまり、返し過ぎてしまうからです。

そうではなくダウンスイングからフォローするにかけて、緩やかにフェースターンをするイメージが大切です。

シャフトの使い方を勘違いしている

まずは、ドライバーのミスショットはシャフトに原因があると言われますが、多くのアマチュアがシャフトの使い方を勘違いしていると言われます。

正しい使い方をしないと、いつまで経っても引っ掛けやスライスが直らないと言っても良いでしょう。

シャフトを上手くしならせて使うと聞くと、どのようなことをイメージしますか。

シャフトがしなるポイントは、大きく三つあります。

バックスイング始動時、トップから切り返し、インパクト前となります。

しなりと合わせて考える必要があるのが、シャフトの捻れです。

ゴルフクラブはシャフト軸線の外側に重心があるため、自然とシャフトに対して回転する力が加わります。

この捻りを上手く使うことで、ヘッドの加速、緩やかなフェースターンが可能になるのです。

しかし、しなりしか意識していないとシャフトの動きを2次元でしか捉えられないため、捻りを使えず、なかなかボールが捕まらないことに繋がります。

結果的にボールが捕まらず無理に右手を返すように使ってしまい引っ掛けてしまうのです。

シャフトのトルクが大きすぎると引っ掛ける?

シャフトのしなり、捻れについて簡単にお話ししました。

シャフトのしなりはフレックスである程度分かります。

そして捻れは、『トルク』という数値で表しています。

ほとんどのシャフトに記載はあります。

なくてもホームページやカタログで確認できます。

トルクは簡単に説明するとボールの捕まえ易さに関係すると考えてください。

トルクが大きい場合は捻れやすく、小さい場合は捻れにくいです。

捻れやすいとは、小さな力でも捻れを生む、捻れにくいとは捻るために大きな力が必要と考えてください。

ここでいう力は、ヘッドスピードと考えてください。

ボールの捕まえやすさに関係するのであれば、トルクが大きいものが良いと考えるかもしれません。

しかし、それは引っ掛けを生む原因に繋がる可能性があります。

シャフトはしなったり、捻れたりすると元の形に戻ろうとする力が働きます。

例えばトルクが大きいものをヘッドスピードが速いゴルファーが使ったら、どのような現象が起きるでしょうか。

大きすぎる力が加わることで、捻じれも大きくなります。

そうして捻じれたものは元に戻ろうとするため、捻れ戻りの力も大きくなります。

つまりフェースが返りすぎ、ドライバーで引っ掛ける原因となるのです。

引っ掛けるゴルファーは先調子シャフトが良いのか?

もう少しドライバーのシャフトについて掘り下げてみます。

ドライバーで引っ掛けが多い人の中で、上手くボールを上げられないことが原因ではないかと考えているとしましょう。

ボールの上がりやすさに関係してくる要素の一つは、キックポイントです。

キックポイントは先調子、中調子、元調子と大きく分かれ、先調子が特にボールを上げやすく、初級・中級者に向いていると言われています。

なぜ先調子がすすめられるかというと、先調子はヘッドの重さによってインパクトでのしなり戻りが生まれやすいため、上向きの力が働きボールが上がりやすいと言われるからです。

それでは、ボールが上手く上がらないからと言って、安易に先調子を選んでも良いのでしょうか。

キックポイントを選ぶポイントとして、自分のスイングでシャフトをしならせることができるかどうかが重要です。

自分でシャフトをしならせることができるにもかかわらず先調子を使っていると、過度なしなりを生み引っ掛ける原因を増やしてしまうことがあります。

特にヘッドスピードが速いゴルファーはその傾向が強くなります。

中調子、元調子辺りのシャフトを使うほうが実際は良い方向に向かうことがあります。

先調子を選ぶのなら、ワンフレックス硬めでも良いかもしれません。

ドライバーの引っ掛けは右手のグリップに原因がある

ドライバーの引っ掛けは、ここまで説明したようにシャフトに原因があるように思われがちです。

しかし道具に原因を求める場合、アドレス、スイングに大きな問題がないことが前提となります。

引っ掛けが多い(左方向へのミスショット全般)人はグリップを見直してみてください。

まずグリップは左手が注目されがちですが、右手のグリップについて確認をしましょう。

左手に対して右手は意外に疎かになりがちです。

昔から左手は舵取り、右手はエンジンと言われますが、そのパワーの方向が正しくなければ方向は定まりません。

引っ掛けが多い人は、右手をグリップの下に巻き込むように持ちすぎている人が多いです。

心理的にフェースをスクエアにインパクトしたいと思うと、右手は掌をターゲット方向に押し出すように使います。

しかし、下に巻き込みすぎている右手の掌をターゲット方向に向けるとどうでしょうか。

フェースが極端に被ってしまうのが良く分かります。

つまり、インパクトの瞬間にフェースが被りすぎるグリップを打つ前からしているということになるのです。

右手の親指がグリップのセンターより極端に右に行かないようにしましょう。

左手でドライバーが支えられないと引っ掛けが出る

最後に左手のグリップについて話をします。

前項のように右手は盲点になりがちですが、左手も実際は正しくグリップできていない人が多いです。

グリップは主にスクエア、ウィーク、フックと種類があります。

どのようにして、その基準を決めていますか。

左手の親指の位置やこぶしの見える数が合っているかどうかが判断基準にすることが多いです。

それは多くのネット記事や本にもそのように記載がされているからです。

しかし、人それぞれ適正なグリップは違います。

左手一本で軽くスイングしてみてください。

ヘッドが手元を追い越した瞬間、ヘッドの重みで手首が簡単に返ってしまいませんか。

ヘッドが走っているように感じるかもしれませんが、単純に左手首が早い段階で背屈しているだけで、実はフェースが被りすぎる原因となります。

被りすぎると引っ掛けの原因になることは既にお伝えした通りです。

このようなグリップをしていると、ドライバーに限らず全てのクラブでシャフトのしなりや捻じれを上手く作り出すことができず、かつフリップ(しゃくる)することに繋がります。

大丈夫だと思っている左手のグリップですが、スイング前にしっかりとクラブを支えられているか今一度確認するようにしましょう。

引っ掛けはグリップで直る

実際のところ、シャフトが原因であることもありますが、多くのアマチュアはグリップに問題があるようです。

まずシャフトを変える前に、グリップの握りが正しくできているかチェックするようにしましょう。

その上でシャフトを吟味すると、よりイメージした弾道へと近づけられるはずです。