ドライバーを構ええたときの手首の角度が正しければ、スムーズなスイングができます。
一方手首の角度が狂ってしまうと、スイング軌道が歪み正しいインパクトが迎えられません。
今回はアドレスでのアームシャフト角と、トップでのコックの角度の重要性についてまとめます。
ドライバーを構えたときの手首の角度がアームシャフト角
ドライバーを構えるとき、肩から下ろした腕と前方にあるボールに合わせたヘッドから伸びるグリップによってできた手首の角度を、アームシャフト角と言います。
アドレスの基本は、飛球線に対して平行にスタンスをとって前傾姿勢をとります。
両肩から下がる腕を左右に揺らしてから両手を合わせたところが、基本のグリップの位置と言われています。
肩から自然な形で下りてくる両手でグリップを握るため、余計な力みは生じません。
この基本の位置でグリップを握ったとき、手首は正しい角度になっています。
このときの真っ直ぐに下ろした腕と、斜め前方に出したシャフトが作る角度をアームシャフト角と言います。
このアームシャフト角には個人差はありますが、一般的には140~150度が適正です。
このドライバーの場合は上半身の傾きが浅いため、適正なアームシャフト角でグリップを握るとヘッドが体から離れますが、同じアームシャフト角でもアイアンの場合は、前傾姿勢が深くなるため、ボールとの間隔は狭くなります。
手首の角度が適正ならドライバーとボールとの間隔も適正
ドライバーを構えたとき、常に手首の角度が適正であれば、ボールとの間隔は一定になります。
練習場でのドライバーはナイスショットなのに、コースでプレーをすると荒れ球になることがありませんか。
打席枠のないゴルフコースでは、ボールとの間隔がつかみづらく、毎回違う間隔になっているから起こると考えられます。
ボールの位置が遠くなると、アームシャフト角が大きくなって腕が突き出た横振りのスイングになるため、インパクトするときにフェースが開いてスライスします。
対してボールの位置が近くなると、スイングが縦振りになるため、フックフェースでインパクトをすることになり荒れ球になるわけです。
アドレスで正しい姿勢をとり、アームシャフト角が一定であれば、このようなミスショットが起きることはありません。
そのためには肩から自然に下がる腕と、ドライバーを握るときの手首の角度が一定でなければなりません。
前傾姿勢は練習場でも作り方は同じですから、ゴルフコースでも問題はないはずです。
そのためアームシャフト角だけを注意し、ダラリと下げて握ったグリップと、体の間隔が握りこぶし1個半になるようにすれば、いつも一定にすることができます。
ドライバーをテークバックすると左手首の角度は90度になる
ドライバーを構えたときに正しい手首の角度になっていると、トップまでスムーズに引き上げることができます。
ドライバーはスタンス幅を少し広めに取っていますので、捻転とともに右足の上に回転軸となる背骨が移動します。
アドレスで5対5だった体重のバランスが、トップの位置では3対7程度に変わっていきます。
体重が右足の上に乗っているのは、肩の捻転とともに骨盤が右回転して、右腰を後ろに引いたことが原因です。
この状態がトップの形で、このとき左手は右耳の少し後ろにあるでしょう。
グリップを握る左手を見ると、アドレスでグリップの頂点にあったはずの左手親指が立っていて、左手首は親指側に90度の角度を作っています。
この左手首の形をコックと言い、トップでの正しい形を表しています。
コックができているとき、左手首の甲側はフラットな状態が理想です。
もしも甲側に折れていればオーバースイングになって、ヘッドが地面を指しているかもしれません。
そうしてトップでのオーバースイングは、ダウンスイングで振り遅れの原因となるため、左手首を甲側に折らないようにしましょう。
トップでの左手首の角度がドライバーショットにとって重要
正しい手首の角度のまま、トップからドライバーを振り下ろせるようになりましょう。
ここで大事なことは、グリップエンドの先がボールに向くように振り下ろすことです。
グリップエンドを先頭にドライバーを振り下ろすと、トップでのコックの形は維持されたままです。
もしもトップでのコックの角度が甘くなっていたら、グリップエンドを先頭にしたダウンスイングができないか、もしくはシャフトが寝た状態で振り下ろすことになります。
トップでの左手首の90度の角度は重要なのですが、そのままインパクトを迎えることはなく、ヘッドをボールの後ろ側につけるため、どこかのタイミングでアドレスのときの140~150度に戻さなければなりません。
ゆっくりと戻す方法もありますが、インパクトの直前で戻すことができるとヘッドスピードが一気に速くなります。
ハンマーで釘を打つときに、腕を振らずに手首の動きだけを使うのと同じように、インパクトのタイミングに合わせて左手首を小指側に折れば、通常のスイングスピードに加えてヘッドスピードは速くできます。
この手首の動きがリリースと呼ばれるものです。
手首とシャフトのなす角度が変わってインパクトを迎える
ここまではドライバーのアドレスからインパクトまで、手首の角度をチェックしながらスイングを検証したわけですが、大事なことはこのスイング軌道が正しいかどうかです。
アドレスからトップまでのヘッドの軌道、トップからインパクトまでのヘッドの軌道を確認してみましょう。
アドレスで140~150度のアームシャフト角を作り、トップでその角度は90度になり、さらにインパクトで元の140~150度に戻らなければならないわけです。
そうでなければ、フェースを正しく合わせることはできず、意図する方向にボールを運ぶことができません。
実際のスイングを見ると、インパクトでのアームシャフト角は160度になると言われています。
つまり10~20度開いた計算ですが、ボールの位置は変わっていませんから、グリップの位置が高くなっていることが分かります。
この状態では肩からグリップまでの腕の長さは変わらないため、肘が曲がっているか上半身が起き上がったかのどちらかが考えられるのです。
オンプレーンでドライバーを振るために手首の角度を変える
答えは、肘の曲がりでも上半身の起き上がりでもありません。
確かに上半身を起こしてスイングする人もいますし、腰の高さが変わるほど爪先立ちになる人もいます。
一昔前なら杉原輝雄プロのように、両肘を外側に張って曲げてドライバーをスイングする人もいました。
しかしながら現在は、インパクトのときにグリップが先行して、左内腿の辺りでボールをとらえるハンドファーストになっているため、大きく姿勢を変えなくても手首の角度は大きくなっていきます。
左手首の角度はアドレスのときよりも開いて、右の手のひらでグリップを押すようなスイングスタイルになってきているのです。
スイングプレーンで例えると、首元からヘッドまでのアドレスのスイングプレーンと、テークバックの軌道をスイングプレーンにしたものの中間にダウンスイングのスイングプレーンがあります。
これをオンプレーンと呼んでいて、正しい軌道とされています。
そうするとアドレスでのアームシャフト角はボールとの間隔をつかむ上では重要であっても、スイングに直接影響を与える角度は、左手首の角度ということになります。
ドライバーは常に手首の角度を変えてスイングしている
ドライバーを構えたときの手首の角度をアームシャフト角と言い、140~150度の範囲にすると正しいアドレスの姿勢をとることができます。
そしてテークバックをしているうちに、この角度は狭くなり、トップの位置では90度になっています。
その後の再現性を考えるとアドレスの角度に戻したほうが良いと考えがちですが、プラス10度のオンプレーンのスイング軌道にするのが現在の主流になっています。