ゴルフで重要なコックと右肘を下向きにして作るヒンジの役割

最終更新日:2018/11/03

ゴルフスイングで重要なのはインパクトの瞬間ですが、それを確実にするのはトップの形です。

正しいトップが正しいインパクトに繋がりますが、そのトップを形成するのが 右肘を下向きして作るヒンジです。

ここからは、正しいスイングをするために必要なコックとヒンジの役割について紹介します。

正しいゴルフのフォームを作るために右肘は下向きにする

正しいゴルフスイングをするためには、正しいアドレスとトップの位置、そして正しいスイング軌道が必要です。

正しいアドレスとは、スタンスを肩幅に開いて、前傾した上半身から下がる手でグリップを、強すぎず弱すぎずに握ることです。

使用するゴルフクラブや打ち出す距離や球筋によってアドレスの仕方は変わりますが、基本の形は1つです。

正しいトップの位置とは、右耳よりも後方の少し上にグリップを引き上げて、そのグリップを握る左手はコックを形成し、右手は出前持ちのように右肘を下向きにして右手首でヒンジを作ります。

正しいスイング軌道は、軸となる背骨を中心に円の動きでゴルフクラブを振り、首からボールまでのスイングプレーンの内側でスイングをすることです。

これらの動きを正しくできれば、打ち出すボールはターゲットに向かっていきますが、どれか1つでも足りないとスライスやフック、またトップやダフリの症状が現われてしまうのです。

ゴルフスイングのトップの位置では右肘を下向きにする

ゴルフスイングでもっとも重要なのはインパクトの瞬間です。

フェース面でボールをとらえるのは一瞬のできごとですが、少しでもターゲットラインからずれると打ち出す方向が違っていたり、ボールを擦ってスライスやフックの球筋になったりと、ミスショットに繋がってしまいます。

しかしダウンスイング中に「失敗した!」と思っても修正することは不可能です。

トップからインパクトまでの時間はわずか0.3秒程度ですから、この間に失敗と感じたとしても行動に移す前にインパクトは終わっています。

そこで大事になるのがトップでの形です。

正しいトップの形が作れれば、一瞬でボールに到達するダウンスイングは失敗することさえできないはずです。

では正しいトップについて詳しく見てみましょう。

グリップを握る左右の手の形と、その手を支える右腕の形です。

最初に右腕の形について確認すると、全体的なスイングの形が見えてくるはずです。

トップでは右手首から右肘まで地面と垂直になるようにして、右肘を下向きにします。

ゴルフスイングで右肘が下向きにしなければならない理由

トップの位置で右腕を立てて右肘を下向きにするのは、右脇を開かないようにするためです。

ゴルフスイングについて掲載されている雑誌などを読むと、右脇が開いて右肘が浮くと、「右手主導のスイングになるからダメ」 と書かれているものが多いです。

この右手主導は間違ってはいないかもしれませんが、右脇が開くことのマイナス部分はそこではありません。

トップの位置で左手はコックを形成しています。

コックとはゴルフクラブを左手だけで握って、身体の前にその左腕を突き出し、シャフトを立てたときにできる親指の90度の角度のことです。

アドレスでは左手の親指はほぼまっすぐの状態ですが、トップの位置では90度の角度でグリップの重さをその親指で支えています。

このとき右手は甲側に折れるヒンジを形成しています。

ヒンジとはドアを開閉するときの蝶番(ちょうつがい)のことで、その動きと右手首の動きが同じことからつけられたものです。

右手が甲側に折れる形を作るためには、右肘が下向きになっていなければなりません。

つまりヒンジを形成するために、右脇が開いてはいけないと言うわけなのです。

右肘を下向きにするとゴルフスイングが加速する!

トップで右肘を下向きにするのはヒンジを形成するためですが、そのヒンジは正しいコックを形成するためのものです。

つまりトップでもっとも重要なのは、正しいコックが形成されているかと言うことです。

コックを形成することで、ゆったりしたゴルフスイングでもヘッドスピードを加速することができます。

しかも腕の振りを気にせずに、正しいインパクトを心がけてスイングすることができるようになります。

トップで形成されたコックは、インパクトの前にアドレスのときと同じ形に戻しますが、なるべくギリギリまでコックの形を維持することが、飛距離アップに繋がります。

コックしている左手を振り下ろしてくると、左腿のあたりでシャフトは飛球線と平行になります。

このときグリップエンドはターゲットの方を向いていますが、それを瞬時に自分の方に向けるとどうなるでしょう。

この切り返しと同時にコックをほどいて、右手親指をアドレスと同じ形にすると、ヘッドは急加速しているのです。

右肘を下向きして固めたコックはゴルフにとって諸刃の剣

トップで右肘を下向きにしたお陰で、正しいコックの形が作られ、ゆったりしたゴルフスイングでもヘッドスピードは加速することができます。

そのタイミングは形成されたコックをリリースするときです。

アドレスしたときの握り方に戻すことで、それまで飛球線と平行だったシャフトは垂直になって、90度左回転するわけです。

腕をまったく動かさない状態でも、コックをリリースしただけで、ボールを打つことができます。

このパワーが、ゆったりしたスイングでも加速する理由となります。

ただしダウンスイングの時間は0.3秒で、しかも右腿でコックをリリースするのですから、タイミングがずれるとトラブルショットになる可能性が高くなるのは当然と言えば当然です。

少し遅れればスライス、かなり遅れればシャンク、少し早ければフック、かなり遅れればチーピンになります。

成功すれば飛距離が得られますが、失敗するとトラブルショットになる、まさに諸刃の剣がコックの使い方なのです。

右肘を下向きにして作ったヒンジを使う究極のゴルフスイング

「諸刃の剣」と表現すると、リスクを回避したいと考える場合もあるかもしれません。

プロゴルファーの中にも、コックのコントロールが上手くいかずに、ノーコックでプレーをしていることがあります。

しかしながらノーコックは一時的な対処法であって、恒久的に身につけるスイングフォームではありません。

何も考えずに自然にゴルフスイングをすれば、必ずコックは形成されているからです。

ですからダウンスイングでも、自然にリリースされているのですが、これでは「加速」が手に入りません。

ギリギリまでコックの形を残して、インパクトの直前で一気にリリースすることで「加速」は手に入ります。

ダウンスイングの開始から徐々にコックのリリースをしても「加速」をもたらすことはないので、右肘を下向きにして作った右手のヒンジを使ってギリギリでもタイミング良くリリースができるようにします。

右腿の手前にグリップが下りてきたら、一気にヒンジを戻して右手の甲を返します。

これだけでコックはリリースでき、しかも右手の返しでさらに加速することができるはずです。

右肘を下向きしたヒンジとコックでゴルフの飛距離アップ!

ゴルフスイングで重要なトップの形は、左手のコックと右肘を下向きにして固めたヒンジで作られます。

コックを利用することでスイングスピードは加速し、ヒンジを使うことでさらに加速し、飛距離アップが期待できます。