プロゴルファーになる為には、日本ゴルフ協会JPGAが主催するプロテストに合格するか、日本ツアー機構JGTOが主催するQTクオリファイングトーナメントに参加し、セカンドクオリファイングトーナメントまで通過する必要があります。
セカンドQTまでいければ、成績に応じてQTランクというものが付与されます。
JGAのプロ会員となるか、QTランクが付与された時点でアマチュアとしての資格を失い、プロゴルファーとして認定されます。
ちょっとややこしいのですが、プロゴルファーになる為には2通りの道があるということです。
では、プロテストやQTについて見ていきましょう。
ゴルファーに広く門戸を開放したJGTOのQT制度
日本プロゴルフ協会JPGAと比べて、歴史の浅い日本ゴルフツアー機構JGTOですが、現在レギュラーツアーと言われるプロゴルフツアーはJGTOが主催しています。
このJGTOは1999年2月に設立された団体です。
JGTOの趣旨は、ざっくり言うと多くのゴルファーにツアー参加資格を与え、ゴルフの発展を通じて社会に貢献する、といったものです。
従前からあるPGAがプロテスト合格者や、一部のトップアマチュアだけに参加資格を与えていたのとは対照的です。
JGTOの主催するQTに参加し、ファイナルQTで上位の成績を残せれば、翌年のプロゴルフツアーに出場できます。
反対に、PGAのプロテストに合格しただけでは、レギュラーツアーに参加する事はできません。
プロテスト合格者も、QTに参加し成績を残す必要があります。
ただ、PGAのプロテスト合格者、プロ入会者はセカンドQTから出場する事ができます。
QT制度は、こうしたプロテスト合格を前提としない為、あらゆるゴルファーに参加資格を与える制度と言えます。
ただし、そのレベルはプロゴルファーが前提である以上、かなりなレベルである事は言うまでもありません。
プロテストを受けずにツアープレーヤになるプロが増えた
アマチュアゴルファーに広く門戸を開いたJGTOですが、その影響は発足当初から出ました。
記憶に新しいのが、当時アマチュア高校生だった石川遼がツアーに優勝して、いきなりツアープレーヤーになった事です。
ツアーに優勝したアマチュアゴルファーは、プロ宣言をすればプロゴルファーとして認定されます。
その後、多くの若手ゴルファーがプロテストを経ず、実力でプロツアーに出場する事が増えました。
そういった意味で、プロゴルファーを目指す人にとっては、PGAの主催するプロテストというのは価値が薄れたと言えるかもしれません。
確かに、PGAのプロに入会すれば、QTの2次予選から出場できるというメリットがありますが、そもそも実力のあるアマチュアゴルファーなら、2次QTというのは通過点でしかありません。
PGAのプロゴルファーであっても、2次QTを通過できない様な実力では、ゴルフで生計を立てる事は難しいでしょう。
プロゴルファーと言っても、その内実は完全な実力の世界です。
プロテストでもQTランクでも、ゴルフだけで生計を立てる事はかなり難しいと言えます。
ゴルフではQT制度によって、様々な人がゴルフを目指せる様になった
JGTOのQT制度によって、ゴルフでプロ資格を目指す方が増えました。
例えば、プロサッカー選手なんかはそうですね。
サッカーというのは、平均選手寿命が短いスポーツでもあります。
プロになっても20代前半で選手生命を終えるというプロもざらです。
20代と言えば、まだまだ体力にも自信がある年齢ではないでしょうか。
そうしたプロがプロテストではなく、QTにチャレンジしてプロゴルファーを目指す事も見かける様になりました。
元々どの様なスポーツでも、プロになった、なれる様な選手は運動センスが抜群に良く、ゴルフを始めても短い時間の中で、そのセンスを如何なく発揮する人が多いのも事実です。
しかし、やはり餅は餅屋とは良く言ったもので、その後ゴルフで成功したプロOBというのは聞いた事がありません。
プロゴルファーは、アマチュアが無し得ない技とテクニックを、極限の緊張感の中で発揮できるからこそプロなのですね。
運動神経が良いというだけでは、プロゴルフで生計を立てる事は限りなく難しいのです。
メンタルがすぐショットに現れるのがゴルフというスポーツ
練習では死ぬ程ボールを打つ、試合経験を積んで極限に近い状態でラウンド経験をする。
プロゴルファーを目指すゴルファーなら、当たり前に経験する事です。
しかし、これだけの練習、経験をしてもプロテスト、QTファイナルというのは別物なのです。
普段なら絶対にミスしない様なショットも、失敗してしまうのです。
メンタル面で弱さが露呈すると、ゴルフショット、パターというのはうまくいかないことなのです。
この差は本当にほんの少しの差なのですが、このわずかコンマ何ミリのタイミングのズレが大きく結果に現れるのがゴルフなのです。
プロのツアーでも、最終日、最終組、トップの位置にいるプロゴルファーが、このホールをパーであがれば優勝、といった場面で辛酸をなめる光景を見かけます。
あと1ホールで優勝、この気持ちがショットを狂わせます。
そういった意味で考えると、ゴルフも仕事も守りに入ったら負けなのかもしれません。
プロテストに合格するにも結構お金がかかる
合格しただけではツアーに出る事ができないプロテストですが、その内実、プレ予選から最終プロテストに合格するまでに、結構お金が必要となります。
毎試合、受験するのに必要なお金は20万円程必要です。
最終予選を通過し、プロゴルファーとして入会するまでに延べ100万円程必要となります。
受験料の他にプレーフィ、キャディフィ、交通費、宿泊費が別に必要となるのは言うまでもありません。
ゴルフの賞金額から見ると、大した金額ではないといえるのですが、実際、毎年50名程がプロテストに合格し、その後プロゴルファーとして活躍できている割合を見ると、決して安い金額ではないでしょう。
そういった意味から考えると、ジュニア世代からゴルフを沢山させてもらって、多くの試合に出させてもらっているジュニアゴルファーは有利と言えるかもしれません。
親のお金でゴルフができるので、本人達にリスクはないからです。
こうした心情は、その後のゴルフ人生に大きく影響してきます。
昨今、QT制度や道具の進化も相まって、ジュニアゴルファーが活躍できているという側面もある様な気がします。
QTやプロテストを受けるゴルファーにアドバイス
プロは、なってもならなくても地獄。
これは、とあるプロが発した言葉です。
プロは、アマチュアがやらない、やれない様な練習と経験を積む事ができるので、プロでいられるのです。
そう、プロは1日でもさぼれないのです。
実際、あのプロゴルファーはセンスがあるから何試合も勝てるといった論調を見かけますが、センスだけで勝てる様なそんな甘い世界ではありません。
アマチュアゴルファーが寝ている時間、遊んでいる時間にも練習をしているのがプロなのです。
こうした日々絶え間ない練習と鍛錬を重ねる事によって、ショットが磨かれ、ギャラリーを魅了するショットが打てるのです。
努力を惜しんでショートカットする様な方法はプロゴルファーにはありません。
QTを含めて失敗や挫折しても、それでもあきらめずに練習し続けられるのがプロゴルファーの資質です。
プロテストやQTに合格した後、更に大変なのがプロゴルファーの宿命と言えます。
QTランキングを目指し練習する事でもプロになれるのが現在
プロテストを経ずとも、プロゴルファーになれるのが現代のゴルフです。
その方法は、QTランクを取得する事です。
QTランクを取得する為に出場する試合には様々な条件がありますが、必死に練習を行い、結果を出せれば、プロゴルファーになる事も可能です。
現在は、ゴルファーに広く開かれているQTトーナメントですので、本当にプロゴルファーになりたいならチャレンジしてみるのもありかもしれません。