ゴルファーが宣言をすればプロテストを免除できるって本当?

最終更新日:2018/09/27

プロゴルファーへの道は険しいと良く言われます。

何年もプロテストを受け続けてもまだプロゴルファーになれていないゴルファーも数多くいるからです。

その中でプロゴルファーになることを諦めた人もいるでしょう。

逆にプロテストを免除されてプロゴルファーになった人もいます。

そんなプロゴルファーになるための方法について説明します。

プロゴルファーの資格とは

「プロゴルファー」で皆さんがすぐに頭に浮かぶのは、テレビで良く目にするトーナメントに出場しているゴルファーではないでしょうか。

しかしプロゴルファーの資格には2種類あります。

皆さんが思い浮かべたゴルファーが「トーナメントプレーヤー」で、もう1つが「ティーチングプロ」となります。

後者はゴルフの技術指導や知識を有している人で、主にレッスンプロとして活動します。

プロテストは年に1度実施され、受験資格は前者が16歳以上、後者が20歳以上となっています。

このプロテストに合格して晴れて「プロゴルファー」となるのです。

ここで勘違いする人が多いのですが、トーナメントプレーヤーのプロテストに合格したからと言って、トーナメントに出場できるわけではありません。

その後QT(クォリファイングトーナメント)に出場し、好成績を収めた選手がツアーメンバーとして認められ、トーナメントへ出場する機会を与えられます。

トーナメントは出場する機会を与えられた時にアマチュア資格を放棄することで「プロ宣言」となり、実質的にプロゴルファーとして活動することができます。

これだけ大変な道のりを免除されるにはいったいどうすれば良いのでしょうか。

プロテストを免除されてプロゴルファーになるには

プロテストを免除されてプロゴルファーになる方法はありますが、プロテストを合格するのと同じ、いやそれ以上に難しいことかもしれません。

しかし実際にプロテストを免除されてプロゴルファーになった選手はいます。

その方法とは、トーナメントに優勝することです。

トーナメントに優勝すると翌々年度までのツアー出場権が与えられます。

アマチュアゴルファーのままだとその権利はいづれ失効してしまいます。

しかしそこでプロ宣言をすればプロゴルファーとしてのシード権を得ることができるのです。

アマチュア選手がプロの大会で優勝をするとプロテストやQTを受験する必要はありません。

このようなプロテスト免除なんて魅力的な話のように見えます。

しかしそこに出場するだけでも1500人以上の参加者の中から勝ち抜かなければなりません。

出場権を争う相手の中にはすでにプロゴルファーになっている選手もいるのです。

出場権を得られるアマチュアゴルファーと言うだけで、既にそれなりの技術を持ち合わせているゴルファーだと言うことです。

プロテストの1次と2次が免除されるには

プロテストはプレ予選から始まり、1次、2次、そして最終プロテストと段階があります。

それぞれのテストの上位者が次に進み、最終的に上位50位がプロゴルファーになることができます。

女子プロゴルファーの場合だと上位20位までと更に狭き門となっています。

プレ予選と1次は36ホール、2次は54ホール、最終プロテストは72ホールとなっています。

36ホールや54ホールで結果を出すのは技術だけでなくメンタルも重要になります。

しかし1次と2次が免除される方法があります。

それは「日本女子オープン」や「日本オープン」でローアマを獲得することです。

その資格の有効期限は5年間とされています。

先に紹介したトーナメントでの優勝よりは少しばかりハードルは下がります。

その分プロテスト免除ではなく1次と2次免除となっているのでしょう。

この件に関してある問題が浮上しました。

それが資格年齢です。

プロテストの受験資格を18歳以上としていることもあり、若い世代が活躍する近年、年齢が達さないことで免除を受けられない選手が出てきたのです。

そこで2019年度より「17歳以上」と変更される予定となっています。

実際にプロテストを免除されたプロゴルファーは

ではアマチュア時代にゴルフトーナメントツアーで優勝を飾り、プロテストを免除されてプロゴルファーになった選手は誰でしょう。

アマチュア選手としてツアー競技にし、ツアープロに転向して選手は以下の4人が該当します。

・宮里藍プロ
・石川遼プロ
・松山英樹プロ
・畑岡奈紗プロ

実は勝みなみプロも15歳のときにツアー優勝したのですが、高校生活を過ごしたいと言う理由で権利を行使せず、高校卒業後にプロテストに合格してからツアープロに転向しました。

この4人のメンバーを見て気づいた方も多いでしょう。

プロテストを合格するよも難関と思われるアマチュアゴルファーとしてのツアー優勝。

それを実現させた4人の選手はプロゴルファーになってからの活躍も大きいです。

優勝実績も十分あり、その上アメリカツアーでの活躍まで見せています。

それだけの実力があるからこそ、アマチュアゴルファー時代から頭角を現すことができたのでしょう。

ですから彼らも勝みなみプロのように、権利を行使せずともプロテストに難なく合格することができただろうことは言うまでもありません。

プロテストを免除されることで金銭的にも助かる

テレビに出てくるプロゴルファーを見ていると、優勝賞金や年間獲得賞金が大きく夢の職業のように思う人もいるでしょう。

しかしそこにいくまで難関とされるプロテストへの合格だけでなく、金銭的にもかなり負担は大きいのを知ると驚くことでしょう。

プロテストを受験するのも無料ではありません。

受験料が発生します。

女子の場合受験料が、1次が3万2400円、2次が8万6400円、ファイナルとなると10万8000円となります。

男子の場合受験料が、プレ予選が5万9400円、1次が11万3400円、2次が16万7400円、ファイナルが22万1400円となります。

それに加えプロテストでプレーするプレー代をゴルフ場へ支払わなければなりません。

さらに受験当日だけでなく前日の指定練習日のプレー代も必要です。

当然自宅付近にそのゴルフ場があるとも限らないので、現地までの移動費、そして宿泊費も必要になります。

プロテストを免除されることでそれだけの費用を支払う必要が無くなるのです。

日本女子オープンや日本オープンでローアマを獲得して、1次と2次が免除されるだけでも大きな費用削減になります。

ティーチングプロにはプロテスト免除はない

ティーチングプロに関しても少し触れておきましょう。

ティーチングプロになるためには、日本プロゴルフ協会の研修を受け、実技や筆記を含めたプロテストを合格して資格を得ることができます。

残念ながらこの試験にトーナメントプロのプロテストのような免除の規定はありません。

ただ最初の段階での書類審査とプレ実技審査は、推薦や特別に認められた人は免除されることがあります。

しかしその後、実技審査、筆記試験、面接審査が行われます。

そこに合格したら、約1か月の講習を受け、資格を得ることができるのです。

ティーチングプロの資格にはA級とB級があり、A級は更に厳しい講習を受けなければなりません。

ティーチングプロの資格もプロの資格なので、トーナメントプロ同様容易に取得できるわけではないのです。

このティーチングプロの資格を取得すると、ゴルフ場やゴルフ練習場などに所属し、指導を行うことができます。

中にはツアープロの指導を行う人もいます。

また知名度が上がるとレッスン本やDVDを出すティーチングプロもいます。

プロテストの難しさを知ると更に盛り上がる

プロテストなんて自分には関係ないからと思う人もいるでしょう。

確かにプロゴルファーを目指さないのであれば関係はないのかもしれません。

しかしプロテストの難しさを知ることでプロゴルファーがどのくらい凄いのかを理解することができます。

そう考えて見ると、更に熱い気持ちで好きな選手を応援できるのではないでしょうか。