ゴルフのスイングがどうもギクシャクしていて、リズムが合わずに違和感があれば、4拍子のリズムを取り入れてみてはいかがでしょう。
2拍子、3拍子、4拍子とそれぞれのリズムのメリット・デメリットと、日本人ゴルファーにとって心地良いリズムの取り方を紹介します。
ゴルフスイングは2拍子・3拍子・4拍子のどれが良い?
リズムを意識するとスムーズにゴルフのスイングができます。
スイングの動作は大きく2つ、テークバックとダウンスイングに分けることができます。
インパクトを目的にすると、リズムは「1・2」の2拍子になりますが、フォロースルーを含めると「1・2・3」の3拍子でリズムをとることができます。
2拍子はマーチのリズムと言われていて、「イチ・ニ、イチ・ニ」と行進するとき、つまり左右を均等に動かすときに便利なリズムですが、リズムの速度を保つことが難しいとされています。
そのため2拍子だとテークバックが早くなり、トップからの切り返しが遅れてフェースが開き、スライスする可能性があります。
そして3拍子の軽快なワルツは、「イチ・ニ・サン、ニー・ニッサン」とリズムを刻みますが、3拍子目がフォロースルーなので、テークバックとダウンスイングのリズムは2拍子と変わりません。
結果としてスイングのテンポが早くなる傾向が強くなります。
そこで日本古来の掛け声である「イチ、ニ、の、サン」の4拍子を使います。
ゴルフスイングで4拍子が心地良い理由とは?
ゴルフのスイングでもっとも重要なのは、インパクトの瞬間です。
正しいインパクトをするためには、フェース面をターゲットに向けるスクエアな軌道が必要になります。
ゴルフ用語で良く使われる「スクエア」ですが、本来は四角形を意味する言葉です。
四角形の上辺と下辺から「平行」、右辺と左辺をから「垂直」を連想して、2つの意味として使われています。
つまり「スクエアなスイング」であれば、飛球線に対して平行な、もしくは飛球線にそったスイングという意味です。
また「スクエアなフェース」は、飛球線に対してフェース面が垂直(直角)にという意味になります。
リズムの良いスイングをすると、このスクエアなスイングになり、スクエアなフェースになると考えられているのです。
ただし、その根拠になるものは実証されていないので、あくまで「身体の動きやすさ」という感覚からのものです。
アドレスで「イチ」、テークバックで「ニ」、トップのタメで「の」、ダウンスイングで「サン」と4拍子のリズムを刻むと、ポイントごとにスムーズな動きができると言うことです。
ゴルフスイングの4拍子って3連符と1拍なの?
リズムの刻みを良くみると、「の」と言う休符が入ることで、スイングにタメが生まれてスムーズな動きができるようになります。
一方でスイングの4拍子は、「タン・タン・タン・タン」と均一にリズムを刻むのではなく、3連符と1拍の2拍子という考えまたもあるようです。
テークバックは「タ・タ・タ」で、ダウンスイングは「タン」と言うリズムになります。
3連符の基本は最初の「タ」を強調して、「タッタタ」と続けるものですが、ゴルフのスイングでは最初の「タ」を強調しても意味はありません。
ここはジャズのビートを取り入れて、最後の「タ」を強調します。
こうすると、トップからの切り返しのときのタメのリズムに合って、動きが良くなるはずです。
ただしジャズのリズムは前傾姿勢になりやすく、ツービート同様にスイングのリズムが早くなる可能性があるので気をつけなければなりません。
実際に「タタタッ・タン」と口に出してみると、2拍子にはなりますが、やはりどこか落ちつかないのは、一定のリズムでないことが原因かもしれません。
4拍子のゴルフスイングを時間で刻むと意外なことが分かる
違和感なく4拍子のゴルフスイングにするためには、同じリズムで刻むことが大切です。
しかしスイングを時間でみたとき、テークバックが始動してからフィニッシュまでは、1秒もかからずに完了してしまいます。
仮にスイングに1秒かかるとしたとき、4拍子のリズムであれば1拍は0.25秒です。
しかもトップからインパクトまでの時間は0.3秒と言われていますから、これを1拍の基準とするなら、フォロースルーが0.3秒、そこからフィニッシュまでが0.3秒、そしてテークバックも同じ0.3秒で刻めば、スイングは1.2秒と言うことになります。
この0.3秒刻みが早いか遅いかは、個々で感じ方は違うかもしれませんが、指揮者のように腕を差し出してV字に動かしてみましょう。
0.5秒で下げて0.5秒で上げると1秒間です。
この0.5秒に到達する前にテークバックを終わらして、最下点から跳ね上げたところでインパクト、そしてフォロースルーからフィニッシュという流れです。
ダウンスイングを1拍の基準にすると、かなり窮屈な動きになることが分かると思います。
ゴルフスイングのリズムを4拍子の心拍数で刻む
正確にリズムを刻むために、メトロノームを置いて練習をしているプロがいます。
1拍を70前後刻みます。
1分間に70回をカウントするこの速度は、一般的な心拍数なので心地良いはずです。
1拍は0.8秒程度の間隔なので、ゆったりしたゴルフスイングができるはずです。
テークバックで1拍、ダウンスイングで1拍、フォロースルーで1拍、フィニシュで1拍なので合計は4拍、時間にすると3秒程度です。
ただし、かなりスローなスイングになるので、身体が泳がないように下半身を安定させる必要があります。
そして問題のダウンスイングのスピードが解決できていません。
トップから0.3秒でインパクトを迎えるのですから、意識的にゆっくり振っても0.8秒までかかることはないはずです。
つまりアドレスからフィニッシュまでを4拍子で刻むことは、ダウンスイングの0.3秒があるので難しいと言うことになります。
ゴルフスイングでは4拍子の3拍目の休符がミソ
リズムを刻むポイントを変えると、4拍子はとてもスムーズなスイングになります。
最初に紹介した日本的なカウントの仕方である「イチ、ニ、の、サン」です。
「イチ」でアドレスからの始動、「ニ」でテークバック、「の」でトップのタメ、「サン」でダウンスイングと、ここまでをリズムで刻みます。
スイング全体を刻むまでもなく、ダウンスイングに入ると、あとは流れの中で身体が動くので、自分の意思でリズムを変えることはできません。
つまりダウンスイングに入ったら、例えリズムを刻んだとしても、それに合わせることはできないと言うことです。
ゴルフスイングの動きをみると、テークバックを開始する直前に「イチ」を唱えると、始動がしやすくなり、動きが止まることはありません。
「ニ」は息を吐きながらのテークバックなので、より深く捻転ができるはずです。
トップまで引き上げたところで、1度タメを作る合図が「の」で、そのあとダウンスイングの「サン」でリズムをとるのは終了です。
大事なことは、1つ1つの動作をチェックするのではなく、全体の流れをスムーズにすることで、早くもなく遅くもない丁度良いリズムを取り入れることです。
日本人らしい4拍子のゴルフスイング
ゴルフのスイングに4拍子のリズムを入れると、スムーズに身体を動かすことができます。
英国生まれのゴルフですが、日本人にとって心地良いリズムは、意外にも「イチ、ニ、の、サン」と純和風のカウントの仕方だったようです。