ゴルフスイングでは右手だけこねることはできない?

最終更新日:2018/08/15

ゴルフ中・上級者になってチーピンがではじまると、右手をこねるようにインパクトをしていると言われています。

この「こねる」と言う曖昧な表現について、原因と対処方法、さらにスイングのメカニズムからの手首の使い方についてお話します。

ゴルフスイングでこねる時は右手と左手を両方使う?

右手をこねるゴルフスイングをした経験はあるでしょうか?

インパクトの直前に右手の甲が飛球線と平行になった状態を「こねる」と言います。

こうしたこねるスイングで悩むようであれば、すでにそこそこのキャリアを積んで、技量も中級以上になっているかもしれません。

初心者の頃はフェース面を合わせることに精一杯なので、インパクトでより強い衝撃を与えようと、直前にフェース操作をすることはできません。

スイングのタイミングやヘッドの軌道が安定してきて、より遠くに飛ばしたいと言う気持ちの現れが、右手でこねることになったのだと考えられます。

「インパクトでこねるのは右手主導だから」と聞くことがあるかもしれませんが、これは間違いです。

右手が強いからこねるのではなく、インパクトの時のグリップの使い方が間違っているだけです。

「こねる」とはその場面だけを表す言葉ですが、スイング全体でみるとグリップを握る両手がローリングしています。

つまり、右手だけでこねるのではなく、両手を使ってこねているわけです。

ゴルフクラブを握る左手のコックが右手のこねる原因?

右手が上になるので、右手がこねるみたいに見えますが、ゴルフクラブは両手で握っているので、下になる左手も連動した動きを取っています。

腕相撲のように双方が戦って、右手が勝ったというものではありません。

ですから、こねるスイングを止めるために右手の動きを封印しても、思うような効果は現れないと言うことになります。

こねる動きはローリングの中での一部ですから、ローリングを止めることができれば、インパクトの直前のこねる動きも封印できます。

このローリングを止めるためには、右手ではなく左手の動きを注意しなくてはなりません。

基本的にダウンスイングは「左手主導」で行うと言われています。

これはスイング軌道やパワーの問題ではなく、左手のコックをほどくタイミングが、ヘッドスピードの速さに影響を与えるからです。

「コックをほどく」とは、立っていた親指をアドレスと同じようにフラットにすることですが、この左手親指の動きが強いと、左手甲は下を向こうとしてローリングが始まることになります。

右手のヒンジが原因でゴルフクラブのグリップをこねる

右手でゴルフクラブをこねるように見えますが、実際にはコックをほどく勢いが強いことに原因があります。

コックをほどくために左手親指を伸ばすと、立っていたシャフトは一気に斜め下に角度を変えることになり、このヘッドの勢いが勝っていると考えられます。

同時にフェース面を合わせるために、グリップエンドを自分のほうに向けるようにします。

この2つの動きを同時に、しかも一瞬で行うことから、スイングスピードと切り返しのヘッドの勢いに押されて左手甲は下を向くことになるわけです。

つまりこのこねるスイングができるのは、コックを使えるゴルファーと言うことになります。

しかもコックを使うことでヘッドスピードを加速しようとしているわけですから、上昇傾向のゴルファーが1度は通る悩みとも言えます。

コックを適正にほどくためには、もう一方の右手の力が必要になります。

直角のコックをほどくのと同時に、右手のヒンジもほどくことになるからです。

このヒンジとは、トップでコックが固まった時の右手首の角度を言います。

甲側に折れているヒンジを、フラットに戻してインパクトを迎えるわけです。

ゴルフスイングでこねる原因はトップでお盆を掲げる右手の形

トップの形を表現する時に、右手で「出前のお盆を担ぐ」と言うことがあります。

これは手のひらを上に向ける形を表していますが、この時右手は甲側に折れています。

この手首の角度をヒンジと呼びますが、当然インパクトの時には、アドレス時と同じ右腕と右手甲が一直線になっています。

コックが形成されている間はヒンジも形成されているので、コックをほどくタイミングが重要になります。

コックをほどくタイミング遅いほどヘッドスピードが速くなるので、なるべくインパクトの直前までキープしたいわけです。

ところがギリギリになるほど、右手首の折れを戻す強さがきつくなるため、ダウンスイングの勢いと相まって返しが強くなりすぎることがあります。

中には左手首が甲側に折れるほどプッシュすることになるのですが、これを回避するには「かわす」しかないわけです。

右手の圧力を左手がかわすためには、ローリングするしかありません。

これがゴルフスイングでこねる根本原因となります。

右手でこねるローリングはゴルフスイングに不可欠?

左手のコックはヘッドスピード上げるために、とても重要なことです。

一方、トップでコックを固めると必然的に右手にヒンジができるため、その解放をしなければなりません。

コックはなるべく遅くほどくことでヘッドスピードが速くなり、ヒンジの解放が遅くなるほど左手にプレッシャーをかけることになります。

グリップを握る右手と左手は一体で、どちらかを優先することはできないわけです。

その回避をするために、「右手でこねる」と言われるローリングをすることになります。

ところがアームローリングはそのままフェースローリングに直結するので、フェース面は下を向いたり左を向いたりして、フックやチーピンを打ち出すことになってしまいます。

ゴルフスイングでもっとも重要なポイントはインパクトです。

どんなにヘッドスピードが速くても、フェース面が正対しなければ意味がありません。

そこでローリングしないために、ヒンジによる右手のプレッシャーをかわすスイング方法を覚える必要が出てきます。

右手をこねるスイング修正はプロのゴルフスイングから学ぶ

右手でこねるアームローリングをかわすためには、プロのゴルフスイングを参考にしましょう。

トッププロの多くはインパクトの瞬間に、身体が伸び上がったような、少しつま先立ちしたような姿勢をとっています。

鋭いダウンスイングでボールを引っ叩いていますが、この時の右手に注目すると、ヒンジはすべて解放していません。

左手はコックをほどき、左手甲と左腕は一直線になっていますが、右手のヒンジはまだ残った状態でインパクトを迎えているのです。

しかもこの状態だと、右の手のひらでターゲット側に押しているような動きをしています。

方向性を安定させるためには、かなり上級者的な技量を必要としますが、右手のヒンジを残したままインパクトを迎えると、アームローリングしなくてもゴルフクラブを振り切ることができます。

またコックを使ったインパクトソーンの加速に、さらに右手の押し込みが加わるので、それまで以上の飛距離も期待できるはずです。

これで右手をこねることなく、さらに飛距離を伸ばすことができるゴルフスイングが習得できる方法を知ることができたはずです。

あとは練習あるのみ、タイミングさえ掴めば早く習得できるかもしれません。

右手をこねることのないスムーズなゴルフスイング

ゴルフスイングで右手をこねるのは、上手くなった証拠でもありながら、悪癖になっていて球筋が安定しません。

それどころか、自分のスイングに不安があり、フルスイングすることさえためらう事態が来ているかもしれません。

原因となるコックとヒンジの特性を活かしながら、自分に合ったリリースを探すようにしましょう。