ゴルフスイングが乱れてきたらアーリーコックを取り入れよう

最終更新日:2018/07/14

ゴルフスイングが安定しないと、打ち出すボールが荒れてしまうのは当然です。

そのため大幅なスイング改造に取り組む前に、アーリーコックを試してみてはいかがでしょう。

テークバックを指導する前にコックを固めるだけでスイングが簡単になり、荒れた球筋を抑えることができる可能性があるからです。

今回はアーリーコックのプラス・マイナス要素と、スイングの仕方を紹介します。

アーリーコックからのゴルフスイングとは?

ゴルフスイングの乱れによって球筋が安定しない場合、アーリーコックを試してみてはいかがでしょう。

イメージしている球筋と違うショットとは、ストレートボールを打とうとしているのに、実際に打ち出したボールはスライスするような場合です。

このケースを分析してみると、インパクトでフェースが斜めになってボールをこすっていると考えられます。

横回転のかかったボールは、初速の影響が強い間は飛球線に沿って飛んでいますが、ボールが下降し始める頃から横回転の影響で右側に曲がっていきます。

インパクトでのフェースの歪みは、グリップエンドの方向に左右されています。

インパクトの瞬間で理想的な形とは、グリップエンドが自分の身体を指すようにすることです。

グリップエンドが自分を指しているとすれば、シャフトは飛球線に対して垂直になっていて、フェース面はターゲットに向いているはずです。

このように、タイミング良くインパクトの瞬間にグリップエンドが自分に向くようにするためには、アーリーコックからテークバックを始めると良いと言われています。

そもそもアーリーコックのゴルフスイングとは何?

では、そのアーリーコックについて確認してみましょう。

まずゴルフ用語としてのアーリーコックですが、アーリーは「早く」で、コックは「(手首を)曲げる」と言う意味になります。

ゴルフでは手首を早めに曲げればアーリーコックと言いますが、この手首を曲げるというのは正しい表現ではないかもしれません。

グーを握った腕を真っ直ぐに突き出して、親指を上に立てた時にできる直角を「コックと固める」と言います。

ゴルフクラブを構えて左手甲を飛球線と平行にしコックを固めると、シャフトは地面と平行になっているはずです。

最初にこのポジションをとってから、テークバックを始めることをアーリーコックと呼ぶのです。

本来のコックは、トップの位置で形作られるものですが、あえて早めに作ることで、スイングの安定を図ることができます。

一般的なコックの形成は、テークバックの中で徐々に形作られていくもので、トップでようやくコックは固まることになります。

このレイト(遅い)コックには、プラス面とマイナス面があり、マイナス面をカバーするためには、やはりアーリーコックが必要になります。

安定しないゴルフスイングを修正できるのがアーリーコック

レイトコックのプラス面は、テークバックで十分に捻転ができることです。

身体を捻転させてグリップをトップの位置まで引き上げる時に、手首を曲げなければ捻転度合いが自覚できます。

しっかり身体を捻ったあとでも、コックを形成することはできるので、多くのゴルファーはこの方法を実践しています。

一方でレイトコックのマナイス面をみると、ノーコックで過度な捻転をすると、軸や上半身がブレてしまい、ゴルフスイングが安定しないことが挙げられます。

インパクトでスライスボールがでるのは、身体の軸や上半身のブレによるものなので、レイトコックの弊害と言えるかもしれません。

つまりレイトコックが原因で球筋が安定しないのであれば、アーリーコックでテークバックに入るのが常套です。

レイトコックの球筋が安定しない理由は、選択するクラブやスイングによってトップの位置が変わるからです。

極端な例ですが、フルスイングとハーフスイングではテークバックの幅が違うため、ハーフスイングの短い時間でコックを固めるのには無理があります。

そこで最初にコックを固めてしまえば、自由に振り幅を変えることができると言うわけです。

アーリーコックによるゴルフスイングの改善

アーリーコックからテークバックに入る場合、最初に左手甲を飛球線と平行にして、シャフトを地面とも平行にします。

この状態からテークバックをするのですから、「ヘッドを後ろに引く」という悪癖からは逃れることができます。

クラブヘッドを飛球線上で引いていくと、インパクトの前でも同じようにヘッドが直進してきそうな気がするのだと思います。

いわゆる再現性を狙ったものですが、実際のスイングはフェースが開閉してる中間点で、インパクトを迎えます。

基本のゴルフスイングはインサイドインの軌道ですから、身体の右から前に向かってヘッドが円を描いて下りてきます。

ダウンスイングを開始した時のフェース面は開いた状態で、インパクトの直前まで徐々に閉じてきますが、フェースのトゥ側は開いた状態です。

インパクトの瞬間にターゲットとボールを結ぶ線に対して、フェース面は垂直になりターゲットに向けてボールを打ち出します。

そしてインパクト後、フェース面は徐々に閉じていき、ヘッドは身体の左に向かって抜けていきます。

アーリーコックはゴルフスイングでコックをほどくためのもの

インサイドインの正しいゴルフスイングができたとしたら、インパクトの前後でフェースの返しが行われます。

ゴルフスイングとしては、非常に複雑な動きをしています。

ヘッドが上から下に移動する振り下ろすスイングと、身体の後ろから前にでる円のスイングを一緒に行い、さらにアドレスの時点で固めたアーリーコックを徐々にほどいていきながらフェースの返しを行っているからです。

このすべてのタイミングが合うと、スクエアなフェースでボールをインパクトできます。

コックをほどくとは、直角に折れている左手親指を、アドレスで構えた時のように元の形に戻すことです。

腕と親指がほぼフラットな状態になるようにするわけですが、実はこのコックをほどくためにこそ、アーリーコックを行ったのです。

レイトコックで固めることができなければ、不完全なコックで戻してもインパクトの威力が半減するでしょう。

コックをほどくことで、シャフトは飛球線に対して垂直に向きを変えます。

この反転によってヘッドスピードを上げ、強いインパクトを与えることが可能になります。

アーリーコックのゴルフスイングで大事なアーリーリリース

ゴルフスイングでまったくコックを使わない、ノーコックでスイングをすると、飛距離はガクっと落ちるはずです。

コックによるヘッドの返しのお陰で、飛距離と方向性が保たれることが理解できるでしょう。

ただし、ここで大切なことは、アーリーコックでテークバックする時は、アーリーリリースが基本と言うことです。

トップの位置までに徐々にコックを固めていくレイトコックなら、ダウンスイングでも徐々にほどいていくこともできます。

しかしアーリーコックの場合は、ダウンスイングが始まったらすぐにコックをほどき、左右の腕をローテーションしながら、ヘッドが遅れないようにカバーしてインパクト~フォロースルーへと向かいます。

アーリーリリースの時は、左手甲でボールを打つイメージを持つと、安定したインパクトができるはずです。

正しいゴルフスイングのためにアーリーコックを実践しよう

球筋が安定しない原因がゴルフスイングにあれば、構えた時点でコックを固めるアーリーコックを実践してみましょう。

身体の軸を中心とした捻転ができるようになり、インサイドインの正しいゴルフスイングになるはずです。