ゴルフ独特の言い回しがバンカーで強く握るグリップの原因

最終更新日:2018/07/08

ゴルフ用語やゴルフ独特の言い回しが、かえって分かりにくくしてると思うことがあります。

「バンカーではソールを打ちつける」と言った表現方法を誤解して、グリップを強く握りすぎることで苦手意識を持ってしまうゴルファーが多いようです。

そこでゴルフの表現法と実際のスイングを比較しながら、正しい打ち方と考え方を紹介します。

グリップの握りを覚えたてのゴルフ初心者のバンカーショット

グリップの握りも不完全な初心者のころに、バンカーショットの仕方を教えてもらう時、「思い切ってヘッドを振り抜け」とか「ソールを打ちつけろ!」と聞いたことがありませんか。

しかしバンカーショットで、ヘッドを振り抜くことと打ちつけることが同義語であると知るのはずっと後のことだったのではないでしょうか。

ゴルフの指導者によって表現方法が違うために、同じコトを言っていても受け手側は別な意味で理解することがあるものです。

「バンカーの手前でダフる」と素直に受け取ってスイングすると、本当にダフっただけでボールに砂が絡まって飛び出すことはありません。

芝でのショットならリーディングエッジから入り、ボールの最下点とスイングの最下点を一致させるはずです。

エクスプロージョンショットは、サンドウェッジのソール部分から接地し、ヘッドを砂にめり込ませてフェース面でボールを捉えます。

ここで役に立つのがソールの底の膨らみ「バンス」です。

バンスによってヘッドは砂の中に沈むことなく、振り抜くことができるわけです。

この一連の流れが「思い切ってヘッドを振り抜け」「ソールを打ちつけろ!」「バンカーの手前でダフる」と表現しているのですが、果たして初心者の段階でこの意味を理解できた人はどれだけいたのでしょうか。

ゴルフのグリップを強く握らないとバンカーから掻き出せない

「バンカーの砂と一緒に打ち出す」と聞いたゴルファーの多くは、ボールと下の砂を掻き出すように打とうとします。

初めて聞いた時は、素直に砂を打ち出すショットを練習することになります。

砂を掻き出すためにはヘッドを深く潜らせる必要があり、砂の抵抗に負けないグリップの強さが必要になります。

砂の中に潜ったヘッドが進むためには大変なパワーが必要です。

腕力も必要ですが、ヘッドが埋まってグリップだけが先行しないように手首も固めなくてはいけません。

そのためには、グリップを強く握り手首の動きを封じて、ノーコックのゴルフスイングをすることになります。

しかし少し経験を積むと、インパクト後にヘッドがグリップを追い越さないスイングがダメだと気がつくことでしょう。

ノーコックでグリップが先行するバンカーショットでは単なるダフリになり、エクスプロージョンショットはできないことを、身をもって体験することになったはずです。

正しいバンカーショットは、柔らかい手首を使って、砂の上でヘッドを走らせるものです。

グリップを軽く握りゴルフのヘッドをバンカーの上で走らせる

「砂の上でヘッドを走らせる」のが、バンカーでのスイングイメージになります。

砂の中にヘッドをめり込ませるため、必要以上にグリップを強く握って抵抗を排除しながらバンカーショットしても、上手くボールをコントロールすることができないことは、大半のゴルファーが体現したはずです。

サンドウェッジを使ったバンカーショットは、砂を掻き出すのではなくボールを打ちます。

ボールとフェースの間に砂が挟まるかもしれませんが、あくまでもボールを打つことが大切です。

フェースでボールを捉えるのがバンカーショットであるならば、なぜ「砂と一緒に打ち出す」と表現したのでしょう?

それはバンカーの砂に沈むボールの状況から、ボールだけを打つことが困難だったからです。

砂に沈むボールを打つために、手前の砂も一緒に打ち出すしかないというのが答えです。

決してボールの底の砂と一緒に打ち出すためではありません。

ゴルフスイングの最下点はボールの真下に置いて、ヘッドを砂の上で滑らせるイメージを持てばボールと手前の砂は一緒に打ち出すことになります。

強く握りすぎるグリップがバンカーのミスに繋がる

バンカーの中にあるゴルフボールは砂に沈んでいるため、フェースを合わせてヘッドを動かすと最初は砂に当たります。

次にボールをインパクトするわけですが、もしも薄い肉厚のヘッドであれば、そのまま砂の中にめり込んでしまいます。

それを防ぐためにサンドウェッジのソールにはバンスがあります。

このバンスの力を信じてボールの真下を最下点にスイングすると、ヘッドは沈むことなく砂の上を走りボールを捉えます。

一瞬の出来事なのでエクスプロージョン、つまり砂が爆発したように見えるだけで、ヘッドの軌道は通常のスイングと同じです。

スイングが同じで、しかもヘッドが砂に潜らないわけですから、グリップを強く握り手首を固める必要はありません。

バンカーでは手首の稼動を良くするために、通常よりもグリップを短く握りましょう。

インパクトで、グリップエンドが自分を指していれば、柔らかい手首を使ったスイングができているはずです。

バンカーではグリップを自分に向けるゴルフスイングが重要

ゴルフ用語はわざと面倒な用語を使って、分かりにくい表現をしているように感じられます。

そのため用語の意味を理解する前に諦めてしまうゴルファーも多いのではないでしょうか。

バンカーでは、いつもよりサンドウェッジを短く握り手首を柔らかくしましょう。

インパクトでグリップエンドが自分を指すようなスイングができれば、打ち出すボールはフワッと上がるはずです。

これをゴルフ用語で解説すると、インパクトでグリップエンドが自分を指しているのは、右手首のヒンジが効果的に作用しているからです。

ヒンジとは、コックが固まった時の右手の角度を指します。

これをなんとなく理解はできても、いったい何をすれば良いのか分かりにくいはずです。

左手を突き出して親指を上に立てた時の直角がコック、その形を維持してトップまでグリップ引き上げた時の右手首の角度がヒンジです。

直角の左手親指を真っ直ぐ戻すには、右手首を元に戻せば良いだけだと言っているわけです。

意識的に右手を動かすことができれば、手首の柔らかさを出すことができます。

バンカーでのゴルフのコツはグリップがヘッドを追い越さない

バンカーショットでヘッドの抜けを良くするためには、右手を上手に使うことが必要です。

左体重でアドレスをとり鋭角的に振り下ろして、クラブヘッドを砂に叩きつけても、ボールはフワリと打ち出すことができません。

力みを抜いて、ボールの真下がスイングの最下点になるように、柔らかくスイングすれば思い通りのバンカーショットができます。

気をつけるポイントは、インパクトの時にグリップがヘッドを追い越さないこと、グリップエンドが自分を指していることの2点です。

補足すれば、いつもより少しだけグリップ位置を低くして構えるハンドダウンにすると、さらに簡単に柔らかいスイングができるようになるはずです。

ゴルフ独特の表現方法がどこから来たのか、誰が最初に言ったのかは不明ですが、ボール以外のものを打つスイングが正しいはずはありません。

まして「ダフらせて打つ」なんてミスショットが正しいスイングのような表現方法は、かえって混乱することになるかもしれません。

こうした表現方法に惑わされることなく、サンドウェッジで普通にスイングをすれば、誰でもエクスプロージョンショットになるはずです。

バンカーはグリップを柔らく握って手首を使うゴルフスイング

ゴルフ用語や表現方法に惑わされることなく、バンカーでも通常通りにボールを打つことが大切です。

グリップを柔らく握って手首を使う普通スイングをすれば、サンドウェッジのバンスが助けてくれて、フワっとしたボールを打ち出してくれるはずです。