ゴルフで苦手意識の強いバンカーをSWではなくAWで攻略する

最終更新日:2018/07/07

一般的にゴルフをしたことがあれば、バンカーではSW(サンドウェッジ)を使うのが当たり前かもしれません。

しかし距離があったり、ピンそばを狙うのであれば、AW(アプローチウェッジ)のほうが便利なこともあるようです。

そこで今回はAWを使ったバンカーショットの仕方を紹介します。

バンカーで便利なAWを使わないゴルフらしい理由とは?

ゴルフの常識としては、「バンカー=SW(サンドウェッジ)」なのかもしれません。

しかし場面によっては、PW(ピッチングウェッジ)やAW(アプローチウェッジ)を使うことがあります。

このSW以外を選択する1番の原因は、ターゲットポイントまでの距離です。

SWはガードバンカーから数ヤードのところの、ターゲットポイントを狙う時に使用します。

しかしAWを選択すれば、同じスイングでSWよりも5ヤード程度は飛距離を伸ばすことができます。

さらにAWはSWに比べて低い球筋になるので、ランの距離が増えてもっと遠くまで狙うことができるはずです。

それなのに多くのゴルファーは、バンカーショットでAWやPWを使いません。

繊細なショットが要求されるAWなどは、軟鉄素材のヘッドを使用していることが多く、インパクトで砂を噛むとフェース面の傷が心配と考えているゴルファーが多いのでしょうか。

確かにサンドウェッジのフェース面には縦線の傷があり、また溝が欠けている場合があります。

効果はあっても道具を傷つけたくないと言う思いが、スコアアップの機会をなくしているかもしれません。

砂の薄いバンカーはAWを使うのがゴルフのセオリー

バンカーでの1打は、ゴルフのスコアに大きな影響を与えます。

本来であればグリーンオンしていたはずのボールが、バンカーの中にあるだけで1打損をしていると言えるからです。

さらにバンカーからの脱出に失敗したり、バンカーショットがホームランだったりすると、2打も3打もスコアが加算されます。

グリーン周りのバンカーに入った時は脱出することが大前提です。

そのためにはボールの状況を確認して、もっとも適したクラブ選択が必要になります。

アゴが高く深いバンカーであれば、SWを選択してください。

ただ砂が薄い時はバンス角のあるSWよりも、AWのほうが確実に脱出できるはずです。

砂が薄いバンカーでバンス角のあるSWを使うと、ソールが跳ねてトップしてしまうからです。

バンスの膨らみは砂の中に潜ることで効果があり、またダフリ気味に入ってもトップしない理由となっています。

ところが砂が薄いと、潜るはずのバンスが下地にぶつかり跳ね上がってしまいます。

そこでバンス角の小さなAWでサクっと砂の上のボールを打ち出すわけです。

バンカーでAWを使ったゴルフスイングの方法とは

バンカーの砂が少ない時や砂が硬く締まっている時は、バンスのないAWのほうが打ちやすいはずです。

バンカー内のゴルフボールは砂の上に乗っているか、自重でわずかに沈んでいる状態だからです。

芝草こそ生えていませんが、ベアグランドに近いフェアウェイからのショットを想定してください。

まずバンカーのスタンダードスタンスである、オープンスタンスはとりません。

ターゲットとボール結ぶ線に対してスクエアなスタンスを取り、両腰、両肩、両目が平行になるように構えます。

次に通常のバンカーショットとは違い、スムーズなスイングを心がけます。

一般的なSWでバンカーショットをする時は、ボールの手前でバンスを打ち込み、爆発させた砂と一緒に打ち出します。

この時のスイングは、上から下に打ち込むダウンブローのはずです。

ところがAWを使う時は、ボールの真下にリーディングエッジを入れる、レベルブローのスイングです。

砂の上のボールをスパっと抜くように打ち出すことで、バックスピンのかかったアプローチショットができます。

バンカーはAWを短く握ってレベルブローでゴルフスイング

AWを使ったレベルブローのスイングができれば、砂の抵抗を意識しないでバンカーショットができます。

力強く打ち込むダウンブローとは違い、身体の捻転を生かしてティーアップしたボールを打つように、正しいスイングを心がけましょう。

距離の調節はロフト角に頼るのではなく、通常のアプローチのようにスイングの大きさに合わせて打ち出します。

バンカーショットも芝からのアプローチもまったく同じイメージで、必要な距離の分だけの振り幅でインパクトするのです。

確実な距離感を持てる反面で、ボールの手前から入るとボールとフェースの間に砂が入ってしまい、インパクトの衝撃力が足りずにバンカー内に落下する可能性があります。

そこでゴルフクラブを若干短く握ることで、確実なミートができるバンカー仕様に変更します。

両足を安定させるためにグリグリと押しつけることで、グリップの位置は低くなり、結果的に短く握ったAWの長さがピッタリと合うことになります。

あとは確実にレベルブローでスイングするだけですが、実はこのレベルブローはとんでもなく難しいショットなのです。

AWのバンカーショットはゴルフ練習場で磨きをかける

ゴルフ練習場でアイアンショットの打ち込みをする時、一般的にはレベルブローでスイングしているはずです。

ほとんど真っ直ぐ飛んでいるので問題ないと考えがちですが、多くのゴルファーは手前から入っている傾向がみられます。

ボールよりも手前でヘッドを打ち込み、人工芝の上をソールが滑ってインパクトを迎えている症状です。

まずは正しくインパクトができているかを確認してみましょう。

ティーアップしたボールをAWで打ちます。

ティーアップした分だけ短く握れば問題はありません。

スイングの最下点で、フェースのスイートスポットでボールを捉えることができれば、正しいスイングができているはずです。

繰り返し人工芝に向かってスイングして、「シュ」と音が聞こえる部分がスイングの最下点です。

その場所にティーアップして、ティーの高さの分だけ短く握るのです。

このスイングで確実にインパクトができれば、ダウンスイングで身体が左に流れていないので、レベルブローで打っていることが分かります。

あとはバンカーで「削る」ようにインパクトするだけです。

AWを使ったバンカーショットはコックを使うゴルフスイングで

バンカーショットを「削るようにインパクトする」と表現すると、斜め上からボールをつぶすように打ち込むダウンブローを思い浮かべますが、まったく違う打ち方です。

スイングを振り子に見立てた時、レベルブローはボールの真下がスイングの最下点です。

一方でダウンブローは、ボールの先端(左側)に最下点を設けるため、ダイレクトにボールを打つイメージが強くなります。

実際のスイングは上から見ても円の動きをしているので、最下点を迎える前にボールを打つと、AWのフェースは開いた状態になります。

そこでハンドファーストに構えて、フェースの開きを抑えるわけですが、これでは身体が左に流れた姿勢のインパクトに繋がります。

「削る」とはコックを使ったゴルフスイングのことです。

柔らかく動く手首で、腕の振り以上にヘッドスピードを上げて、砂の上の球を削り取るように打つのです。

こうした柔らかいショットのお陰で、AWの打球にはスピンがかかり、想定する止まるボールを打つことができるはずです。

レベルブローでのバンカーショットのコツは、砂を薄く短く削るイメージを持つことです。

正しいゴルフスイングができればバンカーはAWとSWから選択

ゴルフコースのレイアウトやコンディションによっては、SWではなくAWでバンカーショットを狙ってください。

脱出だけを考えるならSWですが、ピンそばを狙うならAWのほうが多用な条件に対応できるはずです。

そのためには、レベルブローのスイングを習得することが必須です。