アプローチでは右手主導のスイングが良い理由と練習方法

最終更新日:2018/06/29

スイングはどちらの手を主導にすべきかといった論争は定期的に起こります。

スイング自体は両手で行うものですが、アプローチに限っては右手主導が良いとされているようです。

その理由と打ち方、そして習得するための練習方法などを紹介していきます。

アプローチショットで主導するのは右手?それとも左手?

一般的にゴルフスイングは左手主導と言われています。

なぜなら左手主導にすると方向性が良くなり、ミスショットも減るというのがその根拠です。

一方で、右手主導のほうがパワーを与えることができ、そもそも右利きなのだからコントロールしやすいという考え方もあります。

しかし答えとしてはどちらも間違いで、ゴルフスイングとは両手でするものです。

左手には左手の役目があり、右手には右手の役目があります。

どちらか一方が主導してのスイングはアンバランスになるので、オススメはできません。

ただしアプローチとパッティングについては別です。

距離感や方向性にもっとも敏感なタッチが要求されるアプローチやパッティングは、スイングをコントロールする能力が必要になります。

そのためには、両手でスイングするよりも、どちらか一方が主導するほうがより正確に打てると考えられているからです。

自由度が高いパッティングについては、スタイルによって主導する手も変わってきますが、アプローチはスイングの延長線であることから、主導する手はおのずと決まってくることになります。

アプローチショットに限っては右手主導と考えるべき

アプローチショットは右手主導のほうが良いスイングができます。

最初に紹介したようにスイングは両手でするものですから、片手だけで良い結果を得られるわけではありません。

しかし、主導するのであれば右手しかないと考えられます。

そもそもスイングにおける左手の役割は、方向性を高めてミスショットを抑えることです。

つまり操舵性が左手の役割とするならば、動かすエンジンは右手の役割と言うことになります。

左手が方向を示し右手で動かすと考えれば、主導するのは右手と言うことになります。

もちろん役割が違うので、方向性を示す左手が重要と考えても間違いではありません。

ただスイングは、ボールにパワーを与えることが第1の目的なので、ここでは右手主導で話を進めていきます。

右手主導とはいってもアドレスからフィニッシュまで、すべて右手が動かす役目をしているわけではなく、テークバックは主に左手が担当しています。

またトップの位置では右肘が折れていることから、クラブを振り下ろす力はありません。

つまり右手が役目を果たすのは、時計の針で想定すると3時から9時の間をスイングしている時です。

アプローチでは左手が方向性で右手が動力のイメージ

アプローチの一般的な定義は「100ヤード以内からピンに近づけるショット」とされていますが、多くの場合にはグリーン周りなどのショートゲームをアプローチと言います。

ショートアプローチはスイングアークが狭くなり、ハーフスイングなどで距離を調整することが多くなります。

つまりアプローチに限ってみると、右手が活躍する3時から9時の間でスイングすることが多いわけです。

そこで3時から9時の右手の動きを注目します。

インパクトゾーンでは、右手がスイングに力を与える役目と考えると、まさにアプローチはそのゾーンの中でスイングをしています。

そこで実際のスイングを確かめてみましょう。

まずはスイングのイメージです。

左肩からぶら下がった左手がグリップを握り、ブラブラしている状態をイメージします。

この左手を動かすのが右手の役割で、左手を右方向から左方向へと動かします。

この動かす力によって飛距離が決まるわけです。

実際のスイングでは捻転によって、インサイドに引いたグリップをターゲットラインに戻して、インパクト後にはさらにターゲット方向に押し出してフォロースルーをとるのです。

アプローチでもっとも重要なことは右手の肘にある!

アプローチショットで重要なことは、ボールを打った後もフェースの面をターゲットに向けることです。

左手主導だと左肘をたたんでしまい、フェースは左サイドに逃げるか、上を向いてしまいます。

ところが右手主導になれば、右肘を伸ばすことでターゲットに向けることができ、正しいインパクトができるわけです。

特にショートアプローチでは、この右手のフォロースルーが距離感やボールの転がりに影響を与えてくれます。

フルショットでは、ヘッドの重みで感じることができない右手主導の動力ですが、振り幅が狭くなるほど重要度は増してくるはずです。

もしも左手でインパクトしようとすると、強く打ち込んでダフリになったりトップしたりと、左手主導のメリットだったミスショットを防ぐ部分が逆転してしまうことになります。

さらに左手主導になると捻転が浅くなり、スイングが手打ちになりやすいため、アウトサイドインのスイングになりやすいと言われています。

アウトサイドインになると、インパクトで左肘が外側に逃げてしまい、カット打ちに繋がるので、正しいショットができなくなっていきます。

アプローチでの右手の使い方とスイング法

アプローチで右手主導にする時、身体の軸は中央よりも右側にあります。

右股関節の上に身体が乗った状態が右軸ですが、7割程度は右軸をイメージしてテークバックをします。

テークバックでは、右肩を後ろに引くようにすると自然に左肩が回ります。

無理に左肩を外転しないことから、左肩が沈むこともなく、両肩が地面と平行になるイメージで回転するはずです。

またこの時、自分のズボンのポケットにしっかりとシワがよるようにすると、右腰が引けて左右の腰骨も回るようになります。

ここまでの基本の動きが理解できたら、右手主導の練習をします。

そもそもスイング全体を右手主導にすると、ミスの原因が右手になってしまいます。

右手を使うのはダウンスイングの3時から9時までの間です。

そこで右手主導の練習をする時には、左手で右手の二の腕に手をかけます。

つまり右手1本でボール打ちをするのです。

右手主導のアプローチショットの練習法

左手で右手を押さえてテークバックすると、身体を回転させるしかスイングの方法はありません。

右手を右側に回そうとすると、左肩が回ってくるので自然に捻転ができます。

そして常に顔と胸が同じ方向を向いているため、正面を向いている意識が強くなり、インパクトではボールと正対していることが実感できます。

また極端な上半身の傾きがなくなり、軸がしっかりしてくるはずです。

スイングに合わせて顔の向きの変わることから、「顔を上げない」という縛りからも抜け出すことができて、綺麗なスイングを身につけることができるでしょう。

右手と身体が一体になることでスイングが完成される、つまり右手主導よってスイングできることになるのです。

この片腕スイング練習法は、右手だけではなく左手でも同じようにやってみてください。

最初に紹介したように、スイングは両手でするものです。

左手の役割も理解できるようになれば、さらに良いアプローチショットが打てるはずです。

右手と左手と身体が一体になるアプローチが重要

アプローチを右手主導でイメージすると、手打ちではなく捻転によってスイングができるようになります。

短い距離だからこそ、身体全体を使ってしっかり打つことが、アプローチ成功のカギとなるはずです。

そのためには、右手と左手と身体が「一体で打つ」ことを体現しておくことが重要になります。