社会人が本気でゴルフ競技をしようと思っても、その競技の参加資格は「社会人」ではありません。
世の中には社会人という言葉はあふれていますが、実はこの言葉に明確な基準があるわけではないですよね。
そこで今回は「ゴルフ界における社会人とは」について考えます。
社会人という名がついたゴルフ競技は注意が必要?
「社会人」というカテゴリーのゴルフ競技会があります。
一般用語である社会人ですが、実はこの言葉には曖昧な部分があって、どのような人を指しているのか明確な定義はありません。
通常ゴルフ競技に出場する時は、「参加資格」を満たしていなければなりません。
表題となる社会人という言葉が曖昧なので、正しい参加資格があるかは、競技会の「競技の条件」や「参加資格」を確認するようにしましょう。
特に注意しなくてはいけないのは、社会人とは現役の就業者を指すものなのか、成人年齢を越えた人を指すものかによって、競技の趣旨が違ってきます。
働く人達の親睦を兼ねたゴルフ競技であれば、企業名を必要とする場合があります。
そのため会社に相談なしに勝手にエントリーして、たまたま優勝して新聞やテレビに流れてしまうと、中には「コレどうしたの?」なんて、社内トラブルが勃発するかもしれません。
また学生ゴルファーを排除するために「社会人」を冠にした本気の競技会もあります。
そういったことから、自分の条件に合っているかを確かめて、エントリーするようにしましょう。
「日本一の社会人ゴルフ競技」はどれがホント?
世界のゴルフ競技で「社会人」と使うのは、たぶん日本だけでしょう。
自称ですが「社会人日本一を決める大会」であり、内閣総理大臣から表彰される冠大会が社会人ゴルフ選手権です。
正式名称は「内閣総理大臣杯日本社会人ゴルフ選手権」と称して、すでに50年以上の歴史がある由緒正しき大会なのです。
ただ出場選手の資格を考えると、働いている現役世代なのか、納税者一般なのか分かり難いかもしれません。
一応、日ごろ働いている人を対象にした「社会人」としているので、いわゆるサラリーマンや個人事業主などが対象と考えたほうが良いかもしれません。
もちろん大金持ちで利息だけで食べている人や、年金暮らしだけどボランティア活動に従事している人だって参加することはできます。
しかし、いざエントリーしてみたら、違和感のある同伴プレーヤーだと、楽しむことができない場合もあります。
そこで社会人が本気で日本一を目指すのであれば、日本ゴルフ連盟主催の「日本アマチュア選手権競技」が良いかもしれません。
全国各地から勝ち上がったプロ顔負けのアマチュア選手が出場し、自他共に認める日本一の栄冠を競う大会です。
社会が認める社会人参加のゴルフ競技とは
社会人というカテゴリーで考えた時、一般的に学生ゴルファーは入りません。
他のスポーツ団体でもあるかもしれませんが、学生には小学・中学・高校・大学の区分や年齢による区分で、参加資格を与えていることから、参加資格年齢に達してもエントリーできない場合が大半です。
その中で日本アマチュア選手権競技は、学生でも資格が与えられています。
当時大人気だった石川遼選手は高校生で出場し、100年の歴史で初めて遼君目当てで、テレビの生中継が放映されたこともありました。
ですから純然たる社会人の競技会ではなく、プロ以外が出場できる大会と言うことになるかもしれません。
ここまで紹介した半世紀以上の歴史をもつ総理大臣杯、1世紀以上の歴史を刻む日本アマと2つの大きな大会がありますが、それ以上に由緒正しき大会と言えば、天皇杯・皇后杯を賜る国体競技があります。
正式名称は「国民体育大会ゴルフ競技」で、成年男子・成年女子・少年男子の3人1組で競う団体競技です。
この成年とは18歳以上としているので、ゴルフを楽しむ会社勤めの人を対象にした社会人のゴルフ大会というわけではありません。
働く企業人を社会人と呼ぶゴルフ競技は意外にガチ?
ゴルフ競技を大臣杯でみると、日本ゴルフ場経営者協会が主催する「経済産業大臣杯」は、親睦を兼ねてダブルペリアで争う「チーム対抗」がありました。
現在は景気低迷の影響を受けてか、全国の支部単位で行われていて、大臣杯の授与はなくなっているようです。
また働く社会人(個人)ではなく、企業を主体にした社会人のゴルフ競技があります。
「全日本実業団対抗ゴルフ選手権大会」(現企業対抗ゴルフ選手権)も歴史があり、日本ゴルフ協会の後援で行われている全国規模の競技会となっています。
こちらは勤続3年以上、25歳以上が参加資格となっていて、雇用期間に定めがなくフルタイム就業の、まさに社員か常勤役員が対象です。
ちなみに業務委託従業員や社外取締役は不可となっています。
一見、親睦ゴルフコンペのようにも見えますが、ハンディキャップなしのスクラッチ競技なので、そこそこの腕前がないと厳しいかもしれません。
社会人だからこそオープンコンペのゴルフ競技を楽しもう!
社会人のゴルフ競技で、大上段に構えることなく楽しみながらも、少しだけ競技としてのテイストも味わいたい場合は、ゴルフメーカーが後援するオープンコンペがオススメです。
エントリーフィには参加賞とパーティ代がついて、プレーフィは各自払いというのが一般的です。
アマチュア規定ギリギリの豪華賞品のあり、参加者はまさに現役社会人が圧倒的です。
学生はエントリーフィを払ってまでコンペに出ませんし、現役を引退された人達はメーカーの賞品を狙う大会に出ずとも、すでに良い品を持っているから出ないと言う人が多いようです。
年齢差にバラつきがあって、性別の限定もなく、さらに1人でエントリーしても組み合わせてくれますから、忙しい社会人を集めて1組作るよりも、気楽に競技を楽しむことができます。
ちなみに参加賞は、冠メーカーのソックスやボール(1スリーブ)程度ですが、ダブルペリアで飛び賞も豊富に用意されているので、それなりに楽しむことはできるのではないでしょうか。
ゴルフ競技に出られる社会人とはマナーを身につけた者?
ゴルフの発祥に「羊飼いの牧童」と言った神話的な伝承もあるので、子供から始まった競技ともいえますが、少なくとも近代ゴルフが確立する前は、ファミリーで楽しんでいた記録もあります。
ゴルフのあまりの面白さから没頭する人が増え、やがてルールが確立していくことで近代ゴルフへと繋がっていきます。
この間で紳士のスポーツと言われるようになり、マナーを重視することになったわけです。
子供の頃から徐々に身につけるマナーですが、社会人になれば誰もが最低限のマナーやエチケットを持ち合わせていないと、一緒にプレーをしてくれる人がいなくなってしまいます。
会話や立ち居振る舞いなど、社会人に求められたものは、当然のようにゴルファーとして実践しているわけです。
例えばジャケットの着用、帽子の脱着、打順のオナー、コンシード(OK)など数え上げたらキリがありません。
すべては社会人だからこそ、身につけているものです。
そう考えると、社会一般の常識と他人を思いやる気持ちを持てば、誰もが社会人であり、その競技は社会人の競技になるのかもしれません。
社会人のゴルフ競技ではレベルが分からない!
なんとなく分かる「社会人」ですが、明確な基準がないので、規定を設けるとややこしい部分もありそうです。
もちろんゴルフ競技には「要項」や「規定」が提示されているので、確認すればおよそのことは理解できます。
昨今たくさんの競技会が開催されていますが、自分の技量に見合った競技会なのか、それが分からないと簡単にはエントリーできないかもしれませんね。