フックより厄介なチーピンになる原因と克服するための練習法

最終更新日:2018/06/05

ラウンド中に出てしまうとフックよりも厄介なのがチーピン。

打ち出したボールが急に左に曲がり、予想だにしない方向へ飛んで行ったり、最悪OBになったりと散々なミスショットです。

そんな厄介者の原因は、実は意外なところにあり、気づきにくいものです。

そこでその原因と克服するための練習法でチーピンにおさらばしましょう。

チーピンはフックの一種

チーピンとは、フックよりも厄介なのですが、実はフックの一種とも言えます。

原因は同じなのですが、フックよりも急激に左に曲がってしまうのがチーピンです。

左への曲がり方が急激なので、フックよりもOBになる確率が非常に高いです。

チーピンと呼ばれる弾道は、
・目標よりも左方向へ打ち出され、さらに左に曲がる
・打ち出しは真っ直ぐで、そこから急激に左に曲がる
・やや右に打ち出されたのが、想像以上に左へ大きく曲がる
の3種類です。

そしてチーピンの別名をひっかけやダックフックと言います。

ダックフックはアヒルの足のように短く距離の出ないひどいフックボールと字面で表現されています。

ではなぜチーピンと呼ばれるのでしょうか。

チーピンの語源は、麻雀の七筒=チーピンから来ていると言われます。

極端に曲がるボールを七筒の上の3つの並びと似ていることからそう呼ばれるようになったようです。

麻雀をしない人にとっては全くイメージが湧かないかもしれませんので、ダックフックの方が分かりやすいかもしれません。

フック同様チーピンの原因は手打ちスイング

チーピンはフックの一種なので、その原因はフックボールと被る部分が多々あります。

その原因の1つとして、極端な手打ちになってしまっていることです。

手打ちをするとフェースの向きに悪影響を及ぼします。

フックの原因も手打ちではあるのですが、特に右手に力が入りすぎてしまうと、インパクトでフェースが大きく左を向いてしまいチーピンになるのです。

手打ちとは、腕の動きと体の動きが同調していないので、結果手だけを使ってショットをしてしまうことです。

また身体を使わないので、動きの大半を手首に頼り切ってしまう結果、手を使う過ぎてしまいます。

またバックスイングやダウンスイングでは上手く身体を使えていても、インパクト直前に、手を動かして調整してしまう場合もあります。

しっかりとボディーターンできている場合でも、実は関係のないところで腕を振ることで手打ちになってしまうこともあります。

自身のスイングを確認し、以上の4つに当てはまるのであれば、それは手打ちスイングをしていることになります。

チーピンの原因はスイング軌道

チーピンの原因は、フェースがインパクトで閉じてしまっていることです。

だからと言って、チーピンが出るからとフェースを開いて打つようにすれば良いわけではありません。

安易にそのような対策をしてしまうと、さらに手打ちになってしまいチーピンを悪化させるだけです。

正しいスイング軌道は、インサイドイン軌道になります。

目標よりも左方向へ打ち出され、さらに左に曲がる場合は、アウトサイドイン軌道になっていることが原因です。

そしてやや右に打ち出されるのですが、そこから左へ大きく曲がる場合は、フック同様インサイドアウト軌道になっていることが原因です。

前者はスライスになりやすい軌道なのですが、スライスを恐れる人は、ボールが右に曲がることを避けるため右に打ち出そうとしてしまいます。

するとフォローで左肘が引けてしまいチーピンになってしまうのです。

後者は上級者に多く見られるのですが、体の内側から入り、ヒットした後に体の外へ逃げてしまうスイングです。

フックが出だすと、体を目標よりも右に向けてしまい、フックする分体の向きで調整しようとします。

そこで身体の向きを真っ直ぐにすると、更に左にそれてしまい、チーピンを引き起こしてしまいます。

フック同様チーピンの原因はグリップ

ストロンググリップ、別名フックグリップとは、左手をかぶせたグリップです。

右手の親指の付け根が右肩よりもさらに右側を指すような握り方です。

フックグリップと言う名の通り、スライスに悩む人が右に行かないようにする握り方になります。

フックに悩んでいるのであれば、ウィークグリップにしなければなりません。

フックに悩んでいる人が、フックグリップにしてしまうと、より左へ曲がってしまい、結果チーピンの原因になってしまうだけです。

なぜならフックグリップにすると、構えた時に自然にフェースが閉じた状態になります。

それだけでも左に行くのに、もともと左に行く人がその握り方をしてしまうと、インパクトで反時計回りのスピンがかかり、より左向きにボールが飛んで行ってしまうのです。

グリップの基本はスクエアグリップですが、チーピンが出るようでしたら、正反対のウィークグリップにするのが先決です。

しかし急激に握り方を変えると違和感があり、スイングが崩れてしまう可能性があるので、まずはスクエアグリップにし、少しずつ調整してください。

番手に適したボールの位置を知っておこう

ボールがそれぞれのクラブの番手に適した位置になければ、手打ちの原因になってしまい、チーピンが出てしまいます。

当然、これもフックの原因の1つにあります。

ですから、番手によって正しいボールの位置を知っておかなければなりません。

ショートアイアンは、両足の真ん中辺りが適しています。

つま先の頂点を結んだラインの真ん中にボールが来るのを目安にしてください。

それからミドルアイアンは、ボール1個分左側が適しています。

さらにロングアイアンは、そこから少しずつ左に調整し、打ちやすい位置を見つけ出しましょう。

クラブの長さが長くなるにつれ、少しずつ左に動かしながら自分の打ちやすい位置を探します。

ショートアイアンのボールの位置を基本とするのですが、個人差もあるので、必ず真ん中と言うことはありません。

まずはショートアイアンで適した位置を見つけ出し、そこから長さに合わせて調整していくと良いでしょう。

ドライバーの場合は、左脇の位置から真っ直ぐに置くと良いでしょう。

一番長いクラブになるので、ロングアイアンでそれ以上左に置くことのないように注意してください。

チーピン防止の練習法

チーピンの原因は様々ですが、フックと同様の原因が多いことは理解できましたか?

フックが悪化したものがチーピンと考えても良いかもしれません。

そこでチーピンを直すには、手打ちを直すこととスイング軌道を修正することです。

そのための効果的な練習方法を紹介します。

それは片手打ち練習です。

言葉のまま、片手でスイングする練習方法です。

これは、クラブヘッドや左手、左肩の3つを同調させて動かすことができるようになります。

その結果、手打ちを完全に修正することができるでしょう。

片手スイングなので、SWやAW等の短いウェッジを使いましょう。

左手のみで4~8時の振り幅で素振りをしてください。

この際に手を使ってしまうと、手首がぐらぐらしてしてしまいます。

ですから先に挙げた3つのポイントを同時に動かすことを意識しながらスイングをします。

素振りに慣れてきたら、ボールを両足の真ん中に置き、素振りと同じ要領で打ってください。

距離はあまり意識する必要はなく、5ヤード弱を目安にすると良いでしょう。

これらができるようになったら、次は右手で同様のことをします。

最後に同じことを意識しながら両手を使って打ちましょう。

フックやチーピンは応急処置よりもじっくりと

ラウンドでフックやチーピンが出た場合は、ラウンドを乗り越えるための応急処置で問題ありません。

チーピンを直すのに必要なのは、スイングの癖を見直し、1つ1つ地道に修正していくことが大事です。

チーピンは、初心者よりも中~上級者に多いので、癖を自覚し修正することは非常に難しいですし、時間もかかります。

しかし一度初心に返ることも、ゴルフ上達に必要なことだと覚えていてください。