1ラウンドパー72の規定パター数は36打です。
スコアの半分がパッティングなのに、「これが絶対に入る方法」といったレッスンは見当たりません。
そこで基本のパッティング法と、自分で練習するときのポイントについて紹介します。
パッティング用のレッスン教本が少なすぎる!
ゴルフスイングの中で、ドライバーショットやアイアンショットについては、レッスン用のDVDや教本が溢れるようにありますが、パッティングのレッスン教法本はあまり見かけることがありません。
パー72のコースの規定打数は、ショット数が36打でパット数も36打です。
ラウンドスコアの半分がパット数とされているのに、わずか14回しか使わないドライバーショットや、ラウンド中に2~3回しかないバンカーショットのレッスン情報は溢れています。
そこでパッティングのレッスンについて考えていきます。
パッティングでもっとも大事なことは、真芯でボールを捉えることです。
芯で当てるとボールはわずかに浮きがあり、そのあとグリーン面を転がります。
これはパターのフェースにも他のクラブ同様に少なからずロフト角があるからです。
ロフト角によって打ち出したボールは一旦浮くわけですが、この一瞬の飛球でボールは順回転で転がることになります。
もしもロフト角がなく、ボールを押し出すように打つと地面の抵抗で逆回転が生じパターラインから外れる可能性が出てきます。
意識的に芯から外す打ち方もありますが、それでも芯に当てられるからこそ、外すこともできるわけです。
まずはスイートスポットで、ボールを捉えることができる練習から始めましょう。
パッティングでは下半身を固定するレッスンが大切
スイートスポットでボールを捉えるためには、パッティングに入る前のスタンスを正しく取るようにしなければなりません。
ストローク中に身体が動くと、グリップの位置がズレてしまうために、フェース面も合わせられなくなります。
身体を動かさないようにするためには、両足をしっかり固定することです。
そもそもパッティングは下半身の動きが不要なので、ストロークが始まる前に両足を固定するイメージを持つことが大切です。
大地に根を張るようなイメージで、上半身もなるべく動かさないことが、ヘッドのブレをなくしてくれます。
固定する時注意したいのは、両膝や足首を突っ張ることがないようにすることです。
下半身を固定しようとしすぎて、膝を真っ直ぐに伸ばしてしまうと、上半身の前傾姿勢が苦しくなり、テークバックで無理な引きをすることになります。
足の裏を固定することで、体重が移動しないようにすることがレッスンの目的です。
個人レッスンで注意するポイントはパッティングの姿勢
両足を固定することと同時、両手でグリップを握った時に違和感のないスタンスをとることが大事です。
スタンスをとって上半身を前傾させて両手をダラリと下げます。
何度か左右に揺らして、それから両手を合わせて、さらに左右に揺らします。
この時の両手の動きが、もっとも楽なストローク軌道になります。
もしも右手と左手がバラバラに動くようであれば、上半身の前傾角度が足りないか、真っ直ぐに腕を下ろしていないからです。
1度姿勢を戻して、スタンスをとるところから始めてみましょう。
ちなみに前傾姿勢をとる時は、猫背にならないように注意して、背筋を伸ばして少し胸を張るように腰から折るようにします。
下半身と上半身が正しい姿勢を取れるようになったら、ボールポジションを決めます。
ここがパッティングのレッスンで最も重要なポイントになります。
ショットのレッスンからパッティングのボールの位置を学ぶ
ゴルフスイングのレッスンでは、ボールの位置の重要性が説かれています。
スイングのたびにボールの位置が変わると、フェースの当たる箇所も変わってしまうので、良いスイングができなくなるからです。
これはパンティングおいても同様です。
いつも同じボールの位置にして、ストロークの幅で距離感を出すようにします。
パッティングスタイルはプレイヤーによって異なりますが、ボールの位置はおよそ2通りです。
1つ目は、パターヘッドを身体の中心で構えるために、ボールを身体の真ん中に置きます。
このスタイルで多いのは、ヘッドを振り子のようにストロークする場合です。
喉の下辺りを振り子の支点にして、両肩をヤジロベイのように動かしてパッティングします。
2つ目は、パターヘッドを左側から右側に引くために、ボールは左目の下に置きます。
上半身を前傾させて、左目の真下になるように構えると、パッティングのラインと両目は一致します。
あとはヘッドをスライドするようにストロークすれば、真っ直ぐ打ち出すことができます。
自分のパッティングスタイルに合わせて、ボールの位置を固定しましょう。
自宅レッスンで目を閉じてもパッティングができるようになる
スタンス、姿勢、パッティングフォームの3つが決まれば、あとは練習あるのみです。
まずは真っ直ぐ引く練習です。
セロテープとラップの箱を2本用意します。
パターヘッドのサイズに合わせてラッブの箱を床に置き、セロテープで固定します。
最初は少し隙間を空けて、慣れてきたらヘッドのサイズに合わせてセットします。
あとはパターヘッドを左右に動かすだけですが、必ず最後はボール打ちをして目線とボールの感覚を身につけるようにしましょう。
次にスイートスポットに当てる練習です。
ヘッドの動きが振り子型であってもスライド型であっても、テークバックすると多少は上下するものです。
しかもパッティングでは、芝面ギリギリでヘッドを動かすのではなく、若干浮かせてストロークするはずです。
そこで硬貨を2枚用意して、上の1枚だけを当てる練習をします。
ものすごく難しそうに感じますが、1度当たり出すとミスする回数は少なくなります。
同じフォームでストロークすることで構え方が固まり、ブレのないストロークができるようになります。
自宅レッスンを続けているとストロークが安定してきて、目を閉じてもパッティングができるようになれるでしょう。
正しいパッティングを身につけたらラウンドレッスンで確認
自宅レッスンで身につけたパッティングフォームと打ち方の成果を、実際のコースで試してみたいものです。
ラウンド前には、ハウス周辺かティーグラウンド付近にある練習用グリーンでパッティングをしましょう。
実践で必要なのは正しい姿勢でパッティングができるかではありません。
すでに自宅レッスンで習得済みなので、練習グリーンでは転がりのをチェックします。
コースには18面のグリーンがありますが、練習グリーンは同じコンディションで整備された19面目のグリーンです。
転がる速度や芝目などをチェックすることで、当日のグリーンの整備状況を知ることができます。
パッティングは必ず四方から行いましょう。
グリーンの端から中央に向かって打ち、同じ力で対面から打ちます。
縦のラインの転がりで芝目や速さを確認し、さらに横のラインでも同じようにチェックします。
この練習パットをすれば、長い距離のパッティグでも2パットで切り抜けることができるはずです。
パッティングの規定打数は1面で2パットですから、3パットしなければ当日のラウンドレッスンは「合格」ということになります。
迷うパッティングは日々の自宅レッスンで払拭できる
パッティングで迷いが出るのは、ラインに対して平行に向いているか、真っ直ぐ引けるか、フェ−スを合わすことができるか、と言った基本的なことです。
自宅レッスンの時に正しい姿勢で練習すれば、あとは練習を繰り返すだけで迷いのないパッティングができるはずです。