スライスゴルファーはシャフトが柔らかい方がスイングに合う

最終更新日:2018/05/23

ボールがスライスするゴルファー向きなクラブとはどの様な物でしょうか。

まず、スライスには硬いシャフトは不向きです。

なぜならシャフトが硬いまたは硬く感じるとヘッドの戻りが遅くなり、その分スライスするからです。

これは、シャフトのしなりを生かせない為に起こる現象と言えます。

また手元調子のシャフトも硬く感じる分、不向きと言えます。

やはり、スライスにはシャフトが柔らかい方がマッチします。

では、スライスに合う柔らかいシャフトについて見ていきましょう。

Rだから柔らかいとは限らないシャフトの硬さ

ゴルファーが自分に合ったシャフトの硬さを判断する時、RやSといったフレックス表示を見ますよね?

スライスならR?

実はそうとも限りません。

ただ、この表示がシャフトの硬いや柔らかいを表している事は間違いありません。

しかしです。

以外に知られていない事実がこの表示にはあります。

実は、R(アール)やS(エス)といった表示については、各メーカーの独自基準にのっとって付けられているのです。

この基準ですが、なんと全メーカー共通の基準というのは存在せず、あくまでもメーカーが独自に計測した値にのっとって付けられています。

考えてみると分かるのですが、ゴルフシャフトは日本のメーカーでも海外で製造していたり、そもそも海外メーカーが多いですよね。

JISは日本の規格ですので、すべてのシャフトに当てはめる事は無理でしょうし、ISOで標準化するのも無理です。

従って、厳密にはこの表示方法はシャフトの硬さを表しているとは言えないのです。

では、シャフトの硬さを正しく知るにはどの様に測れば良いのでしょうか。

次項で見てみましょう。

スライスに合うシャフトは振動数が少ない柔らかいシャフト

RやSといった表示だけで硬い、柔らかいを判断できないとすれば、何をもって判断すれば良いのでしょうか。

それには固有振動数を判断基準にするのが良いでしょう。

ゴルフシャフトには振動数計測という測定方法があります。

これは、シャフトのグリップを固定して、シャフトの先に一定の負荷をかけその反動で1分間に往復する回数を計測する方法です。

実際1分間カウントするのではなく、数秒測って1分間に換算します。

この時、振動数が多ければ硬いシャフト、少なければ柔らかいシャフトという事になります。

これは、硬いシャフトの方が細かく多く振動するからなのですが、シャフトが手元調子だと振動数は少なく出る傾向があります。

これは、しなりの頂点と計測位置の距離が遠いことが原因です。

ですので、例えばRの同振動数であった場合、先調子より手元調子のほうが、より硬いSR寄りのシャフトに感じるでしょう。

自分はスライスしか打てないので、Rのシャフトを選ぶと決めつけて購入したら、実はSRシャフトの数値だったなんてことにもなったりします。

ですので、RやSといった表示だけを見て判断するのではなく、振動数まで測ってシャフトは判断した方が良いでしょう。

スライスに合う柔らかいシャフトの振動係数はどの位?

振動数はシャフトの長さによって大きく異なってくるので、アイアン用のシャフトで判断しましょう。

そうすれば、このシャフトを基準にドライバーなどウッド系のクラブの振動数を知る事にもつながります。

振動係数の値はcpm(サークル・パー・ミニッツ)です。

つまり1分間に何回振動したかを表す値となります。

一般的に男性アイアン用の5番で硬いとされる振動数は320cpm位からとなります。

逆に柔らかいとされるシャフトの振動数は300cpm以下です。

数値から見るとそれほど差が無いように思えますが、20cpmというのは普段スライスしか打てないゴルファーからすると、かなり大きな差となるものです。

仮にスライスゴルファーが320cpmを超えるシャフトを使うとどうなるでしょうか。

恐らく、ゴルファー本人も感じると思いますが、鉄の棒を振っているような感じになるはずです。

このレベルのゴルファーに使えるシャフトではないと言えます。

振動数を基準にシャフトの硬さを判断していますので、手元調子や先調子といった表現上の理由も意味をなさなくなります。

スライスゴルファーならアイアン用のシャフトの振動数を300cpm位としてウッド用のシャフトをチョイスすると良いでしょう。

ざっくりですが、1インチで±10cpm前後が適正です。

ドライバーを45インチとすると、5番アイアンが320cpmなら250cpm、290cpmなら230cpmと計算できます。

スライスしないハードヒッターが柔らかいシャフトを使うとどうなるのか

では、逆にスライスを打たない、意図的にスライスを打ち分けられるハードヒッターが柔らかいシャフトを使うとどうなるのでしょうか。

これは、恐らくヘッドが暴れてコントロールが効かなくなると思われます。

なぜならヘッドスピードの速いハードヒッターのシャフトは、スイング中大きくしなるからです。

そして、インパクトゾーンで強烈なしなり戻りが発生します。

シャフトのしなり戻りが分からないゴルファーは、ネットにシャフトのしなりについての解説が出ていますので、一度見てください。

シャフトのしなりを生かして飛ばすというのは、この事を表すのですが、柔らかいシャフトはしなりの幅が大きすぎてコントロール不能に陥ります。

このシャフトのしなりを車の運転に例えると、運転技術はあるけれども、やたらと馬力の大きいスポーツカーを慣れないで運転する様なイメージになります。

つまり、合わせるまでに時間が必要となり、合わせても言う事を聞いてくれない、いわば普通の運転手がフェラーリを高速で運転する様なイメージになります。

ですので、ハードヒッターは自分に見合った硬いしっかりとしたシャフトが必要になるのです。

スライスしか打てないゴルファーは柔らかいシャフトで安全運転

ゴルフというスポーツは飛ばし合いのスポーツでもあります。

そのため同伴競技者よりも1ヤードでも先に飛ばしたいと思うのが、自然な感情ではないでしょうか。

しかしスライスしか出ない、どちらかと言うとスライスの方が多いゴルファーは、柔らかいシャフトで安全に飛ばした方がスコアはまとまるでしょう。

飛ばしとOBは紙一重です。

毎日練習や鍛錬を積むプロなら強振しても軸がブレずに遠くへ飛ばす事ができます。

しかし、普段からそうした時間を持つことができず、練習量が少ないゴルファーがいつも強振すればその分OBになる確率は格段に増えるのです。

ゴルフは飛ばしのスポーツですが、結果は上がってなんぼのスコアのスポーツです。

ですので、スライスしか打てなくても、飛距離が負けていても柔らかいシャフトで安全に飛ばしながらスコアメイクする事もできます。

飛距離は年齢と共に落ちていきます。

スライスゴルファーでもグリーン周りのテクニックを身につける事で、負けないスコアで上がる事もできます。

スライスをシャフトのしなりでコントロールする方法

一般的にスライスの悪い所は、コントロールできない事です。

意図的にスライスやフックを打ち分けられる技術があれば、ヘッド軌道やフェース面をコントロールして打つ事ができるので、ボールをコントロールできます。

しかし、スライスしか打てないゴルファーにはこんな事はできないですよね。

では、スライスをコントロールするにはどの様にすれば良いのでしょうか。

まず、シャフトは先調子の柔らかい物を使います。

硬いシャフトや手元調子のシャフトはインパクトでヘッドの返りを感じにくい為、ダメです。

できるだけ柔らかい、シャフトのしなりを感じる事のできるシャフトを選びましょう。

そして、グリップはゆるく握り、ゆっくりと大きく振る事を心がけましょう。

決して力を入れて振り急いではいけません。

ボールを遠くに飛ばそうとする事もダメです。

ゴルフでスライスするのは、基本的にアウトサイドインの軌道だからです。

その軌道を修正するには時間がかかります。

ですので、スライスしか打てないゴルファーの処方箋として、柔らかいシャフトでヘッドの返りを利用するのが良いと考えられます。

アウトサイドインでもインパクトでヘッドがタイミング良く返れば、ボールを意図的に捕まえる事ができます。

これなら、ボールコントロールできますよね。

スライスはシャフトの柔らかい特性を使ってボールをコントロールする

スライスでも、ボールが捕まらないスライスはダメですが、捕まったスライスなら大丈夫です。

右打ちなら打ち出しは左のラフやOBゾーンでも、右に素直に帰ってくるボールならスコアメイクする事ができます。

スライスでスコアが上がらないのは、まずティーショットでOBするからです。

この1打目のOBを減らす事、まずはこれから挑戦してみてください。

ゴルフは考え方一つでスコアも大きく変わるスポーツです。

レベル的に無理な事をするよりも、今持っている技術でスコアアップする事を考える事も大切だと言えます。